Thunderbird 2サンダーバードというのはJeff Tracy率いる国際救助隊がスーパーメカを使って人命救助に大活躍するテレビ番組…のことではなく、大阪と富山・和倉温泉の間を北陸本線経由で結ぶJR西日本の特急列車…のことでもなく、Mozilla Projectで開発が進められているメールソフト(MUA)のことで、電子メールの他に最近は廃れつつあるNetNewsと、逆にブログの普及と共に広く利用されるようになってきたRSS/Atomの購読にも対応した情報ツールとなっています。(振りがベタですみません…)

このMozilla Thunderbirdのバージョン2.0が先日リリースされ、日本語版も同時公開されているのでWindows/Mac OS X/Linux用のバイナリがダウンロードページから取得できるようになっています。私もこれまでバージョン1.5を使っていたので早速ダウンロードし、そのまま普通にインストールしてしまいましたが、上書きインストールでも全く問題なくこれまでのメールや設定を移行することができました。ただし、私の場合は消えて困るようなメールは特にないので大胆に移行してしまいましたが、重要なメールをお持ちの方はロールバックできるようにバックアップを取っておくなりしておいた方がいいのかもしれません。

実は私がThunderbirdを使い始めたのはつい先月からのことで、それまではMacの方で自作のPerlスクリプトでPOPサーバからメールを取得し、bogofilterでspam判定をし、そしてその結果とメッセージヘッダの情報からメールをディレクトリに振り分け保存する、という処理を行った上で、MUA自体はEmacs上のWanderlustというマニアックな構成を使っていました。Wanderlustはこれがα版の頃から使っているのでかれこれ10年近い付き合いになるのではないかと思われ、すっかり慣れ親しんだものになっていたのですが、最近になってiBookの動きも怪しくなってきたということもあってWindowsの方へ移行するのを契機にThunderbirdに乗り換えることにしたのでした。

さすがに活発に開発が進められている現代のMUAということで機能も使い勝手も洗練されており、動作も高速で全く申し分ありません。bogofilterと同じくベイズ推定に基づくspamフィルタも装備していますが、リアルタイムに学習を行えるという点でGUIベースのアプリケーションの方が有利で、最初は見逃すことが多かった判定精度もすぐに良くなってきました。

バージョン2からはメッセージにタグが付けられるようになり、大量のメールの整理に便利に使えるということなのですが、私の場合は自宅で使うだけであまり多くのメールをやりとりするわけでもないので、まだタグをどう付けて良いものやらといったような状態です。職場で使うのであればかなり便利な場面がありそうなのですが、残念ながら私の職場ではMicrosoft ExchangeOutlookという何が良いのだかわからない環境を押しつけられてしまっているのでどうしようもありません。Outlookではスレッド表示にすら対応していないということには涙が出そうです…私が使っているのはOutlook 2003ですが今のバージョンでは対応しているのでしょうか?

それはともかく、今のところ全く安定して動作していますし、日常的に使うMUAとして安心して使うことができるのではないでしょうか。まあ、私はメールをすべてGmailにも転送していて、このGmailのspamフィルタを通過したものだけをW-Zero3[es]に再転送していて、ほとんどの必要なメールはまずこの時点で読んでしまっているのですが…実際にThunderbirdで読むのは長文のメールと、メーリングリストや各種メールマガジン、宣伝メールくらいのものですね。何だかあちこちにメールが分散してしまっているようで管理はほとんど破綻してしまっていますが、そもそもそんなに重要なメールはほとんどないわけで…やっぱり電子メールはまだ紙の手紙には劣るということでしょうか。相当ネット依存度の高い私でさえもこれですからね。