The Bourne Ultimatum“4-15-71”

昨夜はちょっと久しぶりに映画館へ行ってきました。観たのはJason Bourneシリーズ最新作にして完結編とされている、3作目の「ボーン・アルティメイタム」です。1作目、2作目はレンタルDVDで観ていて非常に面白かったので個人的にもかなり期待していましたが、前評判もとても高いようだったので楽しみにしていたのでした。

記憶喪失になった暗殺者Jason Bourneが、彼の存在が邪魔になった組織に命を狙われながら自らのアイデンティティを探るという大筋はこれまで同様ですが、今回はついに…まあ完結編ということですからそれは予想できることですが、実は原作であるRobert LudlumBourneシリーズは5作目のBourne Legacyまで刊行されているようなので、実はまだ続いてしまったりするのかもしれません。その時はどういう風に展開されるのかわかりませんが…

当然主演のJason役は変わらずMatt Damonなのですが、「オーシャンズ11」以降のシリーズで見せるコミカルで頼りない雰囲気とは大きく違い、このシリーズでは逞しく凛々しくクールな殺人マシンの顔を見せてくれます。しかも記憶を失い本当の自分がわからず苦悩する、陰のあるヒーローを演じる姿はすっかり板に付いているようです。

ヒロインのNicky Parsonsを演じるJulia StilesやCIA幹部のPamela Landy役のJoan Allenらは前作に引き続いての出演なのですが、前作を観てから2年あまりも経ってしまったのでどういう役だったのかが今一つ思い出せません。この他にも前作までを知っていないと分からないようなところがいくつもあるので、この作品を観る前には全2作で予習しておくことをお勧めします…というより必須とも言えるかもしれません。

脚本の方は全編にわたってスリリングな展開が繰り広げられていて、全く退屈する隙のない素晴らしいものになっています。「敵」組織となるCIAはECHELONを中心とした最新鋭の機器を駆使して迫ってくるのですが、これがあまり嘘っぽいものにならずに済んでいるのが良いのかもしれません。007シリーズなどでも似たような危機が出てきたりしますが、あちらはあえてちょっと嘘くさくしているようなところがありますからね。それにしてもECHELONというのは本当にあんな風にキーワードにヒットしてしまったりするのでしょうか…アメリカ政府は存在も認めていませんが、本当にあり得るのだとしたら恐ろしいことです。

ところでどうでもいいことですが、”Bourne”というのは日本語を喋る人にとっては発音が非常に難しいですよね。本当は「ボーン」というのとはだいぶ違って、無理やりカタカナで書けば「ボオェン(ヌ)」というような感じでたった1音節の単語とは思えない複雑な発音です。まあそんなところはこだわるところではないので公式には「ボーン」と単純に書いてしまうわけですが、そんな風に発音しても英語では”born”か”bone”にしか聞こえず分かってもらえないでしょうね…まあ私も自分では正確に発音できる自信がないので人のことをとやかく言うつもりはないのですが。