はがき作家タダでこんなに使えてしまって本当にいいの?

日本人の年末の風物詩の一つに「年賀状書き」というものがあります。人によっては何千枚、何万枚と出していたりもするようですが、我が家の場合は毎年少しずつ微妙に増えながらも今年は150枚前後になりそうです。親戚や親しい友人などは何も問題はありませんが、単に義理だけで毎年書いているような人もいれば、年賀状のやりとりだけで辛うじて通じているような古い友人などもいて、一体どこまでカバーすべきなのかで毎年悩んでしまいます。まあ1枚わずか50円とプリンタのインク代程度のことですから、ケチらない方が良いだろうと思う反面、この年賀状が今年から民営化された日本郵便の最大の収益源になっていると聞くと乗せられてはならないような気にもなってしまいます。

それはさておき、今年も例年通りGimpInkscapeというフリーソフトウェアを活用して写真を加工し、文字をレイアウトしてデザイン(というのは少々おこがましいのですが)しました。これらのソフトウェアはAdobe Photoshopなど何万円もするような市販製品にはさすがに敵いませんが、素人がたまに使うような用途には十分すぎるほどの機能を持っており、開発者のみなさんには本当に感謝です。

ところで、今回例年と違うのは宛名書きです。これまでは「宛名書きは手書きでないと気持ちがこもっていないような気がして味気ない」などと言って手書きにしてきたのですが、PCでの宛名印刷がこれほどまでに普及してしまうと下手な字で書いて送ることに本当に意味があるのだろうかという気がしてきてしまいました。実際はほとんど妻に書いてもらっていたので、その負担が無意味なのであれば軽減させたいということで、今年の正月に妻と合意して「来年分からは宛名も印刷にしよう」ということに決めたのでした。

ということで宛名印刷を使用ということになるといわゆる「年賀状ソフト」を利用することになるわけですが、デザインは完全にオリジナルのものにしたいと思っているので、実際に利用するのは宛名印刷の機能のみということになり、年賀状ソフトの主要な売りである「豊富なデザイン素材」については実は全く不要です。一方、宛名印刷に使用する住所録データの入力については機能よりも「使いやすさ」で評価したいところになるので、まずは体験版の利用できる「宛名職人」と「筆まめ」を試してみることにしました。

とりあえず両方をインストールしてから、まずは宛名職人の方から立ち上げてみたのですが…その最初の画面を見ただけで古くさいインタフェースに感じられて、使ってみる気にもなれませんでした。宛名職人ではそのまま何もせず筆まめの方を立ち上げてみると、こちらは現代的なインタフェースになっていて、いくつか住所データを入力してみてもなかなか工夫されていて使い勝手が良くできているように思いました。結局そのまま住所データを全て入力してしまったのですが、ちょっと気になったのはあまり大きな画面で使うことを考えていないのか入力時にタブ切り換えを強いられることで、それさえなければさらにいいのではないかと思います。

体験版でデータ入力を完了してしまってもそのまま印刷はできないので、そのまま製品版を買おうと思ったのですが、ケチな私は5000円という価格に躊躇してしまいました。何しろ製品のうちで使うのは宛名印刷の機能だけですから、それだけで5000円というのはさすがに高すぎます。それでは宛名印刷が使いやすく安いものはないのかと評判を探ってみよう、とこういうときにいつも頼りにしてしまう2ちゃんねるの「年賀状 はがき作成ソフト 総合スレッド Part3」を覗いてみました。2ちゃんねるというと悪の巣窟であるかのようにマスコミに扱われてしまっていますが、上手く情報を取捨選択して利用すればなかなか便利なものです。

すると、宛名印刷だけなら「はがき作家 Free」というもので十分、という情報があったので、とりあえず使ってみることにしました。住所録データは筆まめ体験版からCSV形式でエクスポートし、それをはがき作家でインポートさせると完全に自動的に上手く取り込むことができてしまいました。印刷する・しないの設定などの一部情報は欠落してしまうことにはなりましたが、住所や家族構成の情報などはほぼ問題ありません。ここまで上手く取り込めるとは思っていなかったのでこれだけで嬉しくなってしまいましたが、このあと数人分を追加入力したときには「実はこちらの方が使いやすいのではないか」と思うようになりました。というのは、先ほど書いたタブ切り換えの不満がこちらにはなく、完全に1画面で切り替えることなく1枚分の情報を入力できるのです。もう最初からこちらを使っていればと…

まあそれはともかく、先ほど全ての印刷を完了しましたがその機能にも全く問題・不満はなく、「住所データを入力し印刷する」という機能に限ればこれ以上のものは必要ないでしょう。ただし、Free版での機能制限としてグループ設定が制限されているということがあり、住所録として細かい分類をしたいという人はProfessional版を購入した方が良さそうです。そのProfessional版でもわずか1500円という安さですから、他社のパッケージを買うのは全くバカバカしくなってしまいます。とはいってもデザインも選ぶだけで済ませたいという人にはその価値があるのでしょうが。

ということで何とか裏表ともプリントは終えて、あとは一言ずつメッセージを添えていくだけとなりましたが、これがまたなかなか手が付けられないのですよね…その気になれば1日で終わることなのですが、もうあと数日で2007年も終わろうという時になって、私は一体何を言っているのでしょうか…