韓国どっちもどっち

先日読んだ「マンガ嫌韓流」は嫌韓厨のバイブル的存在なのかと思われますが、やはり一方の主張のみを聞いているだけでは本当のことは見えてきません。どうして日本と韓国がいがみ合っているように見えるのか、なぜ日本は韓国と中国にだけ「謝罪と賠償」を求められ続けているのかを知りたいと言うことで、こんどは「嫌韓流」への反論をまとめたとされている「『マンガ嫌韓流』のここがデタラメ―まじめな反論 不毛な「嫌韓」「反日」に終止符を!対話と協力で平和を!!」という本を読んでみることにしました。

在日コリアンを中心とする10人が、嫌韓流の各章を分担してその内容についての反論を繰り広げるという形になっています。それぞれの部分ではマンガのカットがいくつか引用されたりして、具体的な内容を取り上げてそれを否定するような説明を行っているのですが、あらかじめ予想されていたことではあるものの、あくまで韓国人側から見てこれまでにも繰り返されてきた主張を述べているに過ぎず、どうにも一方的な解釈に基づくものばかりです。

結局「嫌韓流」をいちいちあげつらって批判しているだけで感情的な主張になってしまっているので、残念ながら嫌韓流の内容を信じてしまっている人の耳には全く入らないのではないかと思われます。やはり本当に必要なのは全くの第三者的な立場の人に客観的な事実のみを伝えてもらうことで、互いの主張を繰り返すだけでは対立を解消することには全く繋がらないのではないでしょうか。

ということで、韓国人側の主張を知る上では興味深く読むことができたのですが、実は今回どうしても気になってしまったのは全く別の次元のことでした。この本は地元の図書館で借りてきて読んでいたのですが、読み始めてちょっと驚いたのは「書き込み」が酷いということでした。これまでにも傍線が引かれていたりすることはごくたまにあって残念な気持ちになったものですが、今度はそんなレベルではありません。はっきりと「意見」を書き込んでしまっているのです。

その頻度は平均すれば数ページごとに一言といったところですが、酷いところではページの三方が書き込みで埋まってしまっていたり、巻末には

しょせんは売れた本の尻馬にのって都合の良い反論ばかり

とまとめまで書かれています。ここまではっきりと書かれてしまっていると、あとから読んでいる私もこの人の主張が気になってしまい、影響を受けてしまうのは避けがたいような状態でした。

私自身は自分の買った本でも書き込みはおろか、折り目が付くのも嫌いで家族にはうるさがられていたりするのですが、こうして公共の図書館の本に対してこんな書き込みをしてしまう人の気持ちはさっぱりわかりません。書物に対する意識がどうという問題以前に、公共の財産を私物化しているということになりますから、どう弁明しても正当化することはできないはずです。もう二度とこういうことはしないで欲しいものですが、それはこんなところに書いても通じるはずがありませんね…とりあえず返却するときには司書の人に一言伝えるつもりですが、せめてもの救いは鉛筆書きなので消しゴムで消すことができるということくらいでしょうか。