CCDかゆいところに手が届く?

一般向けのカメラとしてはもうすっかりフィルムカメラは駆逐されてしまい、あえてフィルムカメラを購入するというのは一部のプロとマニアのほかはトイカメラのような歪みをあえて楽しむようなものだけになってしまいました。またそれに伴いデジタル一眼レフカメラも廉価な機種がいくつもあってかなり敷居は低くなったので、ある程度以上きれいな写真を撮りたいと思う人はデジタル一眼を手にするようになったのではないでしょうか。

しかしこのレンズ交換式デジタル一眼の宿命とも言えるのがCCDやCMOSという撮像素子(イメージセンサー)に付着する埃です。この埃はカメラ内部の機構の摩耗によるものもありますが、そのほとんどはレンズを交換する際に外部から入り込んでしまうもので、フィルムカメラであればフィルムは撮影後に巻き取られてしまうので埃がいつまでも残ることもなかったのですが、デジタルになると撮像素子はカメラに固定されているので埃も付着したままになってしまい新しい問題となったわけです。

撮像素子に埃が付着したからといっても、それが余程大きなものでない限りくっきりと影になったりして直ちに致命的な問題となるわけではないのですが、青空や白い壁を撮った時にぼんやりとくすむような感じで写り込んだりするようになります。私のカメラは全く掃除をしないまましばらく使っていたのですが、ついに先日何枚かの写真を見ていると青空の決まった位置が若干暗くなっているのに気付いてしまいました。

私が現像に使っているAdobe Photoshop Lightroomには簡単で強力な修正機能があり、この機能を使うと影の中心をクリックしてやるだけであっという間にきれいにその影がなくなってしまうので、最初はそうやっていちいち影を消していたのですが、さすがにいつまでもそんなことはしていられません。ブロアーで吹き飛ばすことができればそれで済むことではあるのですが、下手をすると余計に盛大にゴミが付く羽目になるということなので迂闊なことはできず、結局この目的のために作られた専用品を購入することにしました。

PENTAX イメージセンサークリーニングキットO-ICK1
メーカー:ペンタックス
ペンタックス (-)
ISBN/ASIN:B000KQGM6A

スティックの先端のウレタンゴムに埃を吸着させ、それを専用のクリーニングシートに移し替えていくことで掃除するというもので、実際にペンタックスのサービス部門でも使用しているということなのでその性能は折紙付きと言えるかもしれません。まあ実際手にしてみると大した作りのものでもないのですが、撮像素子といえばデジタルカメラがカメラであるためのキモの部品ですから、雑な扱いで傷を付けたりすると致命的なだけに「専用品」の安心感は4000円という定価も見合うかもしれません。また使い勝手はよく考えられていますし、日英14ページずつもある説明書で使い方は丁寧に解説されてますので、初めての人でも安心して使うことができるのではないでしょうか。

早速私も気になっていた埃を取ってみましたが、いとも簡単に取り除くことができ、これでまた影のない写真を撮ることができるかと思うといい買い物だったと言い切ることができます。最初は撮像素子に触れるなんて、とビクビクしてしまいますが、撮像素子よりもフォーカシングスクリーンの方が余程傷付きやすいということなので、慎重かつ大胆に挑むのが良いようです。クリーニングシートがなくなったらキットごと買い直せ、とのことなのですが、シートはまだまだ沢山ありますので、今後しばらく買い直すことは考えなくて済みそうです。

ということでこの正月はきれいになった撮像素子で写真を撮ることができることになり良かったです。やはり正月は「一点の曇りもない青空」というのを撮りたいですからね。