Iron Manアーマーはほとんど使い捨て。

物議を醸している「ドラゴンボール・エボリューション」や深田恭子のドロンジョが話題の「ヤッターマン」など、日本のアニメや漫画の実写映画化もだいぶ増えてきたようですが、アメコミの実写映画化というのはハリウッドではもはや一つのジャンルを築いてしまっているようです。アメリカの二大コミック、MarvelDC Comicsからは続々と新しい作品が生まれていて、近々公開されるところでは「ウォッチメン」あたりが注目されるでしょうか。

昨年公開された「アイアンマン」もMarvelの人気シリーズの実写版ですが、本国アメリカで大ヒットしただけでなく日本での評判も高かったので、劇場公開を逃してしまった私はDVD化を待ち焦がれていたのでした。そしてようやく昨日DVDが発売・レンタル開始されたので、早速借りてきて観てみました。

アイアンマン デラックス・コレクターズ・エディション (2枚組) 【Amazon.co.jp 限定リバーシブル・ジャケット仕様】 [DVD]
監督:ジョン・ファヴロー
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント (2009/03/18)
ISBN/ASIN:B001N3570Q

正直なところ、アメコミにはストーリーは期待していないのでどうでもいいのですが、設定としては「巨大軍需企業の若き社長であり天才発明家でもある主人公Tony Starkが、アフガニスタンでテロリストの人質となり、自社の兵器がテロリストに利用されていることを知って改心し、悪を叩くためにアーマーを開発して戦う」というような話で、実にアメリカ的な勧善懲悪ものです。しかしそれにしても、善のためにはいくら人を殺しても構わない、というのは何とかならないものでしょうか。

それはともかく、見どころはTonyが着用するアーマーのメカメカした格好良さでしょう。最初に作られるMark Iは寄せ集めの材料で作られているので仕方ないとして、自在に空を飛べるようになったMark II、そしてMark IIIに至っては着用時の細かいアクションからしてメカ好きには堪らないものになっています。また逆に、脱ぐ時のぎこちなさは微笑ましいものがあります。

主役のTonyを演じるのはRobert Downey Jr.ですが、40歳を越えるRobertの起用には当初反対の声が上がったとはいうものの、実際にはRobertの人生経験により深みのあるTony像ができあがっていて、作品全体に重厚さを与えることになったのではないでしょうか。この年齢のアクションヒーローというのは珍しいかと思いますが、全く正解だったと言えるでしょう。

主人公がプレイボーイであるという設定の割にはあまり色気のないのが不思議なところですが、ヒロインを強いて挙げればGwyneth Paltrowが演じるTonyの秘書Pepperでしょう。必要以上にセクシーな存在ではありませんが、秘書らしいスーツ姿にグッと来るという人も少なくないかもしれません。

米軍の協力を得ているのでしょうがF-22 Raptorのドッグファイトシーンがあったりするのはなんだか取って付けたような感じがするのと、アイアンマンのアーマーやTonyの自宅の設備がやたらにハイテクなのにその他の世界は未来的でも何でもないのがちょっと気になってしまいましたが、それ以外は評判通りでなかなか楽しめました。やはり深く考えてはいけないというのはアメコミの実写化作品に共通のようですね。