オカルトも究めると深い…
いったい何に影響を受けたのか自分でもよくわかりませんが、超常現象や不思議な伝説のような物が昔から好きで、最近もオカルトチックな映画や本を好んで観たり読んだりしています。しかし、私の場合は単に面白いと思っているだけで深くまじめに追究しようなどと思ったことはなかったのですが、今回読んでみた「世界不思議百科」という本は凄い本で、私は自分自身の浅さを思い知らされることになりました。なんて言うと大げさかもしれませんが、何事も究めれば学問的になるものなのだなあとは思いました。
原題は”The Encyclopedia of Unsolved Mysteries”ということなので直訳すれば「未解決の謎百科」となりますが、不思議というのは「謎のまま解決していない」ということになるのでしょうか。ニュアンス的に若干異なるような気がしないでもありませんが、よく考えてみると同じことなのかもしれません。
本書で取り上げられているのは「バーミューダ三角海域」や「ネッシー」「ツタンカーメン王の呪い」など誰でも知っているようなことから、有名な「モナリザ」や「シェイクスピア」に関する意外な謎、その他マニアでなければ知らないようなことまで、「自然」「幻獣」「歴史」「事件」「超自然」「超心理」という6つのテーマに分けられた42もの事柄で、それぞれ非常に詳細にまとめられています。
内容が非常に多岐にわたっているので、いかにオカルト好きな私といっても興味のあるものないものがあり、正直なところ読むのが辛いような項目もありました。しかし、いずれについても「事実」を淡々と述べてまとめたものになっており、膨大な情報を詰め込んだ、まさに「百科」というにふさわしい内容のものと言えます。知っているつもりだったものについて新たな事実を知ることになり、興味のあるものについてはかなり面白く読むことができました。
中でも私の興味を引いたのは「オルフィレウスと永久運動機械」という項で、18世紀のオルフィレウスという人物によって発明され、いくつかの検証をパスしながらも発明者の癇癪により破壊され謎のまま消え去ってしまった永久運動機械についてのものです。エネルギーを入力しなくても動き続ける「永久機関」というのはエネルギー保存則により否定されているわけですが、このオルフィレウスの機械は動き続けるだけでなく仕事までしてしまうというのだから驚きです。X51.ORGにもあるので、その筋では有名なものなのかもしれませんが、私は初めて知ったものです。
他にも興味深いものがいくつもありますが、これほど広い分野にわたるオカルト話を一気に読むことができるのは書籍ならではなのではないでしょうか。X51.ORGを初めとする専門のウェブサイトでもまとまっているものはありますが、あまり長時間読みふけることはできないでしょうし、どうしても自分の興味のないものは飛ばしてしまうことになりますが、パッと見で興味がなくても、ちょっと読んでみると引き込まれるというようなものもあるものです。まあ知っていたからといって何の役に立つものでもないので別にいいのですけどね。
まあそれにしてもこれだけの内容をよくまとめたものだと思います。オカルトファンにとっては一家に一冊置いておきたい名著かもしれません。ただ、「世界」と言っておきながらアジアの話が全くなくて、ほとんどが欧米の話であるというのはちょっと気になりますね。イギリス人の書いている本なので仕方ないのかもしれませんが…