Terminator SalvationHe’s back…

オーストリアのボディビルダーだったArnold Schwarzeneggerも今やカリフォルニア州知事にまで登りつめていますが、その彼の名を一躍有名にしたのはやはり「ターミネーター」シリーズではないでしょうか。T-800という名の敵アンドロイドの役でありながら、無表情ないかつい顔と鍛え上げられた肉体は圧倒的な存在感で、完全に主役のはずのKyle Reeseを食ってしまっていました。

1作目の公開後、Schwarzeneggerの人気が出てきたからなのかどうかはわかりませんが、2作目ではT-800が善玉として出てきてしまったのはちょっと素直に受け取れませんでしたが、作品自体は1作目に勝るとも劣らない面白さで成功したので良しとしましょう。しかし、3作目では敵のT-Xがむやみに強かったり、最終的に審判の日を迎えてしまったりというところがどうも受け入れづらく、2作目から12年のブランクを経て追加する必要があったのかと思ったものです。

そう思ったのはやはり私だけではなかったらしく、シリーズとしては「ターミネーター3」は無かったものとしたい様子で、それはユニバーサルスタジオのアトラクションが「T2:3-D」であるというところにも現れていたりするのかもしれません。結局、3作目はパラレルワールド的な扱いになってしまうようですが、来週公開の「ターミネーター4」はなぜ今さらと思わせながらもなかなか評判の高い作品となっているようなので、珍しく映画館で観たいという長男と二人で先行上映を観に行ってきました。

この4作目では「2」の現代と「1」の未来の間というちょっとややこしい時代が描かれていますが、審判の日を迎えたあと、「2」では少年だったJohn Connorが救世主として抵抗軍の若きリーダーとして活躍しているところになります。今回は子供と一緒だったので吹き替えで観ざるを得ず、言語でのニュアンスが正しくはわからないのですが、吹き替えの台詞を聞く限りではJohnの上官への物言いは全く遠慮や敬意の感じられないものでした。まあ、それだけの働きを見せているようなので許されているのかもしれませんが…

一応今作での主役はChristian Baleが演じるJohn Connorということなのでしょうが、Sam Worthingtonが演じるMarcus Wrightもそれに負けないくらい重要な役どころであり、物語の鍵を握っているといって間違いありません。ネタバレになるのでこれ以上は言いませんが…

T-800がはびこるようになる前の時代ということで、人間型のターミネーターも大小様々で無骨なものが色々出てきますが、その他にも色々なマシンが登場してメカ好きには堪りません。これまでは未来のシーンはホンのちょこっと出てくるだけでしたから。今回私が最もいいと思ったのはバイク型のMototerminatorで、人間型よりもよほど理に適っているのではないかという機能美さえ感じさせるものです。これのメカニカルモデルがあるなら買って飾っておきたいほどです。

ということで、評判に違わず楽しめる作品になっていて、長男もかなり楽しんでくれたようなので良かったのですが、硬派な仕上がりにしては暴力シーンがきつすぎませんし、不要なラブシーンもないので子供にも安心して見せられるかと思います。また、終盤登場するT-800は最新の技術で実現されたファン涙ものの映像です。気になるといえばJohn Connorが生身の人間にしては打たれ強すぎるところですが、まあそこは目を瞑ってもいいでしょう。