Cameronがもし「美少女型」でなかったら…
つい先日先行上映で観てきた時にも書いたように、「ターミネーター4」はどうして今さらと感じずにはいられないタイミングでの公開となっていますが、これよりももっと「なぜ?」と首をかしげずにはいられなかったのが「ターミネーター」シリーズのTVシリーズ版、「ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ」(TSCC)です。ハリウッドの莫大な予算をつぎ込んだ大作だからこそあの迫力があるのに、とT4を観るまではあまり興味も持てなかったのですが、T4が期待以上に楽しめるものだったのでその勢いに乗って観てみることにしました。
そのタイトルからわかる通り、Sarah Connorを中心に据えた作品となっているのですが、「ターミネーター3」では既に死んでいることになっていたのに…と思ったら「ターミネーター2」の5年後、John Connorが高校生の頃の物語となっていました。まあ、このシリーズ自体の設定の上でも、未来からタイムトリップしてやって来たターミネーターによって歴史が書き換えられていくことになっているので、作品の数だけパラレルワールドが存在することになり、どれだけ違う物語があったとしても何ら矛盾しないという、実に便利な設定なので全く問題はないわけです。
Sarah役のLena Headeyがちょっと若くて綺麗すぎるような気がするのですが、John役のThomas Dekkerとの年齢差が14歳しかないというのは気にしてはいけないのでしょうか。そりゃ私も女優さんは若くて綺麗な方がいいとは思いますが…
しかし、そんなことはどうでもいいのです。私はこの作品の本当の主役は未来からJohnを守るために送られてきたreprogrammed ターミネーター、CameronことTOK715であり、それを演じるSummer Glauだと思っています。どうして殺人機械であるターミネーターに「美少女型」などというものがあるのか、その設定もちょっと都合が良すぎるような気がしないでもありませんが、そんなこともどうでもいいのです。きっとCameronが「美少女型」でなかったとしたら、きっとこの作品もこれだけヒットしたかどうか疑わしいものです。ちなみにこのCameronという名前はT1,T2の生みの親であるJames Cameronへのオマージュだそうです。
「どうしてターミネーターが1体ずつしか送られてこないのか」というのはT4を観たあとで長男が発していた疑問で、それに対し私は「きっとSkynetは強いターミネーターを1体送っておけば十分だと思ったのだろう」と答えていたのですが、このTSCCで登場する敵のターミネーターは1体だけではありません。また、Johnの暗殺のために送り込まれてくるだけではなく、過去に潜入している抵抗軍の抹殺を任務とするターミネーターなどもいて、ちょっと広がりのあるものになっています。これはテレビシリーズならではというものかもしれません。
ということで、映画の派手なアクションと比べると映像的に見劣りしてしまうのは仕方ありませんが、テレビシリーズとしてはSFアクションファンには楽しめるものになっているのではないでしょうか。日本のテレビドラマではシリアスなSFアクションというのはほとんどないのではないかと思いますが、昨年1月からアメリカで放映の始まったドラマがわずか1年後に日本でも楽しめるようになるなら全く問題ない、というよりも日本で作る力がどんどん失われていくのではないかと不安にさえなります。といいながら私はほとんどテレビも観ないし邦画も観ないわけですが…
ちなみに私が今回観たのはDVDの1枚目、テレビシリーズの2話までだけなのですが、ちょうど今週シーズン2のDVDも発売されていて、しばらくこれで楽しむことができそうです。ただ、残念なのはシーズン3の製作は凍結されているということですが、また景気が良くなったら再開されるのだと期待しておきましょう。まあその前に私にはまだ沢山のエピソードが残されていることですし。