2012これくらいしないと落ち着いて観ていられない?

ノストラダムスが予言したことになっていた恐怖の大王は1999年になっても来ることはなく無事に21世紀を迎えた私達の世界ですが、終末論というのははるか昔から幾つもあって、それを儚んでかなんでかわかりませんが新興宗教団体の集団自殺のようなことも何度となく繰り返されてきています。どうしてオカルトの世界では世界の終わりを求めたがるのかわかりませんが、そういった中のひとつ、マヤ文明の暦によると2012年12月21日に人類は滅亡する、というものがあるのだそうです。ちゃんちゃらおかしくて私には到底信じられませんが、だからこそオカルトは面白いのかもしれません。

しかし、こうして人間が支配する世界が未来永劫に続くとは思えませんから、何億年先になるのかはわかりませんがいつかは終わりが来るのも間違いないでしょう。もしもその終わりの時が2012年に来てしまうとしたら…という映画「2012」を観てみました。

2012 ブルーレイ&DVDセット [Blu-ray]
監督:ローランド・エメリッヒ
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント (2010/03/19)
ISBN/ASIN:B002M3UEO0

ハイチ地震チリ地震でつい最近被害にあったばかりの人にはとても見ていられない映像でしょうが、さすがに製作費2億ドルをつぎ込まれた映画のCGはかなり細かいところまで描きこまれていて超リアルです。しかしあまりに非現実的で、どんなに映像がリアルでも現実に起こるものとは信じられません。地軸が何十度も傾くほどなら確かにこれだけのことが起こってしまうのかもしれませんが、そんなこと自体があるのでしょうか。

その「信じられない思い」に拍車を掛けるのが逃げる主人公たちの超絶ドライビングテクや操縦技術です。崩れ落ちるビルの中を突っ切ったり、倒れてくる高架道路の下をくぐり抜けたり、軽飛行機で離陸したのに一向に上へ上がらず傾いて倒れるビルの間を通り抜けたり、枚挙にいとまがないほどふざけたシーンの連続ですが、私は「きっとこれはコメディなのだ」と思うことで納得してしまいました。

またちょっと気になったのは日本の首相らしき人物がどう見ても日本人の役者ではないこと、というよりアジア人ですらないような気がしましたが、欧米人にとってはそんなことは些細なことなのでしょうか。大和民族が大多数を占める国で国籍と民族が区別されにくいということの方が変わっているのかもしれませんし、大和民族以外で日本国籍の人にとってはそんな考え方自体が傲慢なものでしょうが。

他にも息子の名前がNoahだったり、国連ではなくG8で対応が決められてしまって、東南アジアやアフリカやその他の地域の地域の人達はきっと置いてけぼりなんだろうな、というあたりにやはり欧米の映画なんだと感じずに入られませんでした。日本も一応出てきますけど、やっぱり日本人ではなくて…あんなチョイ役くらいできる日本人の役者がハリウッドにいくらでもいるでしょうに。

ということで、結局この作品は凄い映像を楽しむタイプのもので、映画館の大スクリーンで観るべきものだったということでしょう。至近距離のPCの画面で観てしまうと迫力は感じられないのに細かいところばかり見えてしまってダメですね。ストーリー的にはバカバカしさを感じるところはあるものの飽きてしまうことはありませんでしたから、自宅で観るなら大画面テレビで、できればBlu-rayでならより楽しめるかもしれません。

ちなみにこの映画に出てくるAn-225ムリーヤは世界一重い飛行機として知られる巨大な輸送機ですが、ハイチ地震のPKO活動の際に自衛隊が重機を輸送するためにチャーターしたため、日本にもやって来たのですよね。私はこの映画に出ていることを知らなかったので変なところで反応してしまいましたが、できれば実物を見ておきたいところでした。今後もう日本にくることはそうないでしょうからね…