瀬戸大橋大人も子供も興味津々。

50項目以上にも及ぶ「マニフェスト」という名の選挙公約を掲げて先の選挙で大勝し、政権を奪取した民主党ですが、耳障りの良いものばかりを集めたそれら公約のうち、実現されるものは一体どれだけあるのでしょうか。もともと私は全く期待していませんでしたし、むしろ時期尚早ではないかと思っていたので構わないのですが、目玉の一つとされていた高速道路無料化も結局中途半端な金額でお茶を濁すことになってしまうようです。内閣支持率は下がる一方のようですが、一体いつまでこの政権に任せなければならないのでしょうか。

それはさておき、その高速道路料金の件でも論争の的となっている本四連絡橋の一つで最初に完成した瀬戸大橋で、主塔のてっぺんにエレベーターで登ることができる「瀬戸大橋スカイツアー」というものが例年行われており、その募集が行われるという情報を3月頃つかみました。これはまたとない経験になりそうだと思い早速申し込んでみたところ、5倍を超える倍率をくぐり抜けて見事当選してしまったため、長男と二人で参加してきました。参加条件が小学4年生以上ということなので、次男と一緒に妻は集合場所の与島PAで留守番です。
アンカレッジ内部
受付でヘルメットと軍手を受け取って装着するとツアーの始まりです。1グループ15人ほどに対し説明員が3人ついて、まずは吊り橋のケーブルを大地に固定しているアンカレッジへと向かいます。外から見ると巨大なコンクリートの塊にしか見えないアンカレッジですが、実は内部には空間があって、地表から橋桁のレベルに上がるエレベーターが備えられているのです。ちなみにこのエレベーターはカゴ自体にモーターが装着された自走式のもので、スウェーデン製でした。
JR本四備讃線
瀬戸大橋は上部に瀬戸中央自動車道、下部にJR本四備讃線が走る2層構造になっていますが、エレベーターを降りてちょっと階段を登ると下部の線路と同じレベルに出ることになります。アンカレッジから主塔までは線路沿いを歩いて行くのですが、ところどころかがんで通らなければならないところがあり、私はうっかり頭をぶつけてみてヘルメットの必要性を実感してしまいました。

主塔にたどり着いたらまた階段を登って道路のレベルに出て、今度はそこからハッチをくぐって主塔内部に入り、またエレベーターに乗ります。このエレベーターは一般的な日立製のもので、乗り込んだところが5階、塔頂部は10階となっていて、点検作業の際は各階で乗り降りすることができるようです。今回は一気に10階の頭頂部まで上がりましたが、実にあっけないものです。エレベーターを降りてから階段で数メートル上がると、もう頭頂部の左右をつなぐ横桁部に出ることができました。
塔頂部から北方を望む
この横桁は下から見ると鉄の筒にしか見えませんが、上部は1m以上の高さの壁で囲まれた通路のようになっていて、余程の強風でなければ特に不安を感じることもないのではないでしょうか。もちろん175mの高さはあるので高所恐怖症の人にはお勧めしませんが、そうでなければ安心して眺めを楽しむことができるはずです。とはいえ、顔を出して真下の道路を覗きこむのは多少の勇気が必要です。自分が落ちたら痛みを感じるまもなく昇天することができるでしょうが、下に何かを落としてしまったら、もしもそれが道路を走る車に当たりでもしたら大事故を招きかねません。そのため、このツアーでは眼鏡や携帯電話はストラップを貸してくれるのでそれを付けなければ使うことができませんし、カメラも首から下げることを求められます。万一の時には自己責任では済みませんからね。
眼下の瀬戸中央自動車道
ということであとはぞろぞろと、登ったのとは反対側を伝って降りてきたのですが、1時間半という行程はあっという間に感じられました。こうして貴重な体験を味わうことができて長男も喜んでくれましたが、私自身にとってもまたとない機会で、抽選に当選することができたのは実に幸運でした。私達のグループの子供はうちの子だけでしたが、他のグループにも2人ずつくらいいるようでしたし、また中高年の参加者も多いようで、大人から子供までそれぞれの楽しみ方ができる素晴らしい企画ではないでしょうか。これに味をしめた私は他のところでも同じような企画がないものか注意しておきたいと思いますが、残念なのはリニアモーターカー試乗会が終わってしまったことですね…いつか乗ってみたいと思っていたのですが、こうなったら開業まで待つしかないのでしょうか。