Iron Man 2 - Whiplashいかにも脳天気なアメリカン。

映画化第1作目の「アイアンマン」が公開されるまで、原作となるアメコミの”Iron Man“自体日本での知名度はかなり低かったのではないでしょうか。その名前も直訳してしまうと「鉄人」ないし「鉄男」ですからね…今ひとつスーパーヒーローらしからぬ名前です。しかし、その1作目が大ヒットとなったため日本でも広く認知されるようになり、続編となる「アイアンマン2」にも期待が高まっていたかと思いますが、先行公開された欧米では「アリス・イン・ワンダーランド」を上回る記録的ヒットとなったと聞いて私も居ても立ってもいられず、公開初日の昨日観に行ってきました。

前作の最後で主人公のTony Starkが「自分がアイアンマンである」とカミングアウトしたその後、というところから始まるのですが、まずスーパーヒーローが自分の正体を明らかにしてしまうというのが前代未聞というか、なかなか常識では考えづらいことで現実味がありません。しかし、常識はずれなところがTonyの持ち味でもあるのでしょうから、深く考えないでおきましょう。だいたいMarvelものはみな常識では考えられないところに面白さがあるのでしょう。

アイアンマンの何が面白いかといえば、やはりなんといってもダイナミックでスピード感のあるアクションでしょうが、その点この作品でも全く期待は裏切られることがありません。今回登場する敵役のWhiplashはムチを使った新しいアクションを見せてくれますし、商売敵であるHammer Industriesの量産ドローンには数で勝負されてこれもまた派手な戦いになります。最終的にはアイアンマンが勝つということは分かっていても、まさに手に汗握る興奮です。

もう一つ、Tonyの自宅兼ラボの未来的設備と、そこで生み出されるメカも大きな魅力です。今回も3種類のスーツが登場しますが、中でも冒頭に登場するスーツケース型で持ち運びのできるスーツと、その装着時の変形アクションは見ものです。本当はもっとじっくり見せてもらいたいところですが、そんなことを言っていては上映時間と予算がいくらあっても足りないので諦めるしかないでしょう。またラボのコンピュータのユーザインタフェースもマイノリティ・リポートのそれをさらに派手にしたような感じで面白いところですが、果たして実用的なのかどうかはわかりません。
Iron Man 2 - Black Widow
今回はヒロインの一人としてScarlett Johanssonが登場しているというのも楽しみにしていたところですが、彼女が演じるNatalie RushmanことNatasha Romanoff、またの名をBlack Widowは色気をプンプン発しながら派手なアクションも鮮やかにこなしていて、今後のシリーズでの活躍も楽しみな演技でした。Scarlettといえば「ロスト・イン・トランスレーション」のイメージが強いのですが、さすがにすっかり色っぽく変わってしまったものです。個人的にはVirginia “Pepper” Pottsを演じるGwyneth Paltrowがすごく可愛らしい表情を見せるのが好きなのですが…

ということで、全体的にかなり楽しめる作品だったのは間違いなく、娯楽大作としては今年に入って最高の出来と言えるのではないかと思います。ちなみにエンドロールの後に重要なおまけ映像と伝えられていたせいか、劇場内が明るくなるまで多くの人が残っていました。おまけ映像自体は大した内容ではありませんが、前作にも同様にあったおまけ映像から今作につながっている部分もありますから、次も観ようと思っている人は見逃してはいけないものなのかもしれません。