Super 8久し振りにちゃんとした映画を観たような気に。

震災の影響による電力不足を緩和するためということで、国内の自動車メーカー各社と、関連する部品メーカーなどがこの夏の休日を木曜日と金曜日に変更することになりましたが、今日がその初日でした。自動車業界が木金休むだけで、月火水に他の業界が協力するという話はあまり聞こえてきませんが、それでも大丈夫なら実はあまり意味が無いということだったりはしないのでしょうか。私の勤務先も一応自動車業界の端くれだったりするのに、なぜか木曜日と日曜日が休みということになってしまいましたが、私も今日は休日ということになりました。子供達と休みが合わないとなんとも時間を持て余すものですが、せっかくなので今日は観たかった映画「スーパーエイト」を観に行くことにしました。木曜日が休みの間はこの調子で映画を観る機会が増えるかもしれません。

タイトルのスーパーエイトというのはかつての「スーパー8mmフィルム」のシステムのことですが、これを利用して自主制作映画を撮る子供達がある事件に巻き込まれるというのがこの作品の設定になっています。スーパー8自体は直接的な関係はありませんが、この映画作りを通して通い合う友情がテーマといって良いのではないでしょうか。

主な登場人物は冒頭で母親の葬儀から始まるJoseph Lambが主人公、その幼稚園時代からの親友で映画を監督するのがCharles Kaznyk、ヒロインとなるのはCharlesが好きで自分の映画に出演させるために連れてきたAlice Dainard、その他映画作りに関わる数人ということでみな中学生です。このJosephを演じているJoel Courtneyはこの作品がデビュー作ということのようですが、さすがに大抜擢されただけのことはありかなりの逸材ではないでしょうか。しかも年齢の割に背が低く幼く見えるためか私が見ていても非常に可愛らしく、しかしそれでいてしっかりしたところを持っているようで今後の活躍が大いに期待されます。
Elle Fanning as Alice Dainard
そしてヒロインのAliceを演じるのはElle Fanning、あのDakota Fanningの実妹ですが、姉に負けず劣らずの可愛らしさと演技力で魅せ、なんとも言えない雰囲気のある「女優」です。この作品中、JosephやCharlesがAliceの演技力に言葉を無くすようなシーンがありますが、そういうシーンは本当に演技力がなければこなすことのできないものではないでしょうか。私も本当に息を飲むようで、魅せられてしまいました。今後ほんとうに目が放せません。

ストーリーは本作の製作に関わっているSteven Spielbergの代表的作品である「未知との遭遇」や「E.T.」に近いところもありますが、そう聞いて観てみると実は「地球外生命体との接触」というところ以外では全く違うところも多く、非常に楽しめる作品になっています。5000万ドルという製作費がかかっているだけあり、序盤のシーンをはじめ大迫力の映像も楽しむことができました。

また、子供達の映画作りについては、この映画に関わっている人たちもかつて通った道であるでしょうから、かなりの愛情がこもっているのを感じました。エンドロールも一つのお楽しみになっているのではないかと思いますのでお見逃しなく。ただ、おかげでスタッフの名前は一切目に入りませんでしたが、それで良かったのでしょうか。

まあそれにしても今時の子供達にとっては、カメラといえばデジタル、ビデオも良くてテープといったところでしょうが、私の子供の頃は祖父が私たちの姿を8mmフィルムの無音声カメラで撮ってくれたものです。現像から上がってきたフィルムを祖父が編集して、正月など親戚が集まったときには上映会が行われたりしましたが、それも今はデジタル化してPCでできるようになったとはいっても結局同じようなことをしているわけですね。本物の映画作りについても相当デジタル化が進み技術は高度化していることでしょうが、その根本的な精神のようなものは全く変りないのかもしれません。