Quicken Loans 400あくまでエンターテイメント。

日本人には馴染みがありませんが、モータースポーツの中でアメリカでは最も人気が高いとされるのがNASCARです。昔の草レースに起源を持つため、新しいテクノロジーの導入には強い制限をかけ、競技用車両としてはかなり重い車両に大排気量V8 OHVエンジンを載せたもので、ほぼイコールコンディションで競うものです。去年私は土曜日に下位カテゴリーとなるトラックシリーズを観戦しましたが、やはり一度は最上位カテゴリーも観ておかなければということで、日曜日のSprint CupシリーズQuicken Loans 400というレースを観に行ってきました。

場所は前回と同じく、自宅から1時間少々で着くMichigan International Speedwayというオーバルサーキットです。土曜日にはサーキットのすぐ近くの駐車場に停めることができましたが、日曜日はやはり混み合うのでちょっと離れたところに停めて、そこからシャトルでサーキット前まで送ってもらうことになりました。このシャトルも頻繁に運行されていて快適でしたが、駐車料金含めて無料というのは嬉しい事です。

サーキットは一周2マイルですが、オーバルといっても単純な長円ではなくホームストレッチ中央に頂点を持つおにぎり型で、完全なストレートはバックストレッチのみとなっています。今回私達はホームストレッチの終わりの第一コーナー入り口の、中段くらいの位置で観戦しましたが、コース全体がかろうじて見え、特にホームストレッチから第二コーナー辺りまでがよく見えて、迫力には欠けるもののレース全体の流れを見るにはいい位置でした。ただ接触やスピンといったアクシデントはコースの反対側、第三、第四コーナー辺りで頻発していたので、それが好きな人はホームスタンドの第四コーナー寄りの方がいいのかもしれません。

前回のトラックシリーズの時には誰も名前を知っているドライバーがおらず、誰に注目するか決まるまでなんとなく眺めてしまいましたが、今回はトップカテゴリーということで有名ドライバーも数多く、Danica PatrickJuan Pablo Montoyaなどという人達も参戦していました。Montoyaは今年はIndyに転向しているはずなのですが、今回のミシガンでのレースではなぜか彼がドライブすることになっていました。レース前のドライバー紹介のときに上がった歓声で人気を測ることができましたが、やはり珍しい女性ドライバーであるためかDanica Patrickの人気が結構高かったのが印象的でした。またJimmie Johnsonなど人気の高いドライバーにはその分アンチファンもいるというのも面白いところです。

レースの方は始まって一周目の最終コーナーでアクシデントがありイエローコーション、再開後もまたその周回でイエローコーションとなり、いったいちゃんと進むのだろうかと心配になってしまいしたが、その後は問題なくスムーズに進みました。何も問題なく順調に周回が進んでいると、なんでもないのにコーションが出て仕切りなおし、というのがリードを広げたドライバーの努力を無にするようで微妙ですが、その駆け引きも含めての勝負ということなのでしょう。しかし、いったい車に差がないなら何で差がつくのかというのが全く不明ですが、一見単純に見えるオーバルの走行でも技術や経験により付く差があるのでしょうか。

ということで天気の良い中、3時間ほどで200周のレースは終わり、帰途につきましたが、さすがにシャトルは数十分並んで待たなければなりませんでした。その最中に気づいたのが、アジア人や黒人はほとんどおらず、99.9%以上が白人であるということです。ドライバーも白人ばかりですが、やはりモータースポーツというのは白人のものなのでしょうか。だからといって日本人の私達がなにか意識させられるような閉鎖的な空気があるわけでもないのですが、面白いものです。