If I Stay - Chloë Grace Moretz and Jamie Blackley as Mia and Adam一人で観てよかったかも。

以前は感動して涙を流すなどということは全く想像もできなかったので、自分は冷血人間なのではないかとちょっと心配したりもしたのですが、歳を取るとともに涙腺が緩んでくるというのは本当のようで、最近は私も感動して涙が滲んでくることもあるようになりました。その最初の経験はトイ・ストーリー3だったというのもよくわかりませんが、今回観た「イフ・アイ・ステイ」はかつてないほど泣けました。まあ感じ方は人それぞれなので「これは感動的な作品だ」とは言いませんが、私はいくつかのシーンで涙が溢れそうでした。

この作品は以前読んだ「ミアの選択」を原作として映画化したもので、私はこの映画のために原作を読んでいたわけですが、恥ずかしながら映画を観るまではその内容はほとんど忘れてしまっていました。しかし実際に観はじめてみるとやはり思い出してくるもので、基本的には原作に忠実な脚本となっているのではないかと思います。一部シーンは割愛されたりしているようですが、あまりに忠実なのも映像化すると冗長になってしまったりするので、それも悪いことではないでしょう。

ミアの選択 (SUPER!YA)

主人公Miaの「幽体離脱」がどのように描かれるのかは注目していた部分ですが、実際には極めて普通に、ボカされるなど映像に加工が加えられることもなく、自然にそこにいるような姿でした。ただ周りの人には見えないという設定になっているだけで、Miaの視点からすればこれでいいのではないかと納得できるものです。原作の感動的なシーンをダメにしてしまうことなく描くには、こうしておくのが最善だったと思えます。
If I Stay - Chloë Grace Moretz as Mia Hall
Miaを演じているChloë Grace Moretzはやっぱり素晴らしいです。17歳にしては目尻のシワが気になりますが、白人ならそんなものなのでしょう。キック・アスでのあどけなさの残っていた少女もこんなに大きくなってしまうとは…と幾つもの歳月が過ぎたのを実感してしまいますが、やはりきれいな女性になりました。現在もたくさんの作品に続々出演しているようですが、今後の活躍も間違いないでしょう。

Miaの恋人Adamを演じているのはマン島出身のJamie Blackleyという青年です。実際の年齢はChloëと6歳も離れているようですが、Chloëが大人びているためか違和感は全くありません。バンドでギタリスト兼ボーカリストをやっているという役ですが、その姿も様になっていました。また私の涙を大いに誘ったのはMiaの祖父役Stacy Keachの演技です。目だけで訴えかけるものがありましたから、こういうところではやはり経験のある役者の力が重要ですね。

ということで、Tomatometerは41%とあまり高い評価は得られていないようですが、あまり展開のない淡々としたストーリーなので受けが良くないのでしょう。確かに抑揚はなく、興奮するようなシーンもありませんが、それだけにじわりと効いてくるものがあるように私は感じました。単純にChloëが主演しているから観た、というのは事実ですが、それだけの映画でないのは確かだと思います。