Chankanaab Adventure Beach Parkこれも日本では体験できないでしょう。

ベリーズに続いてもう一つの寄港地はメキシコのリゾート地となっている島、コスメルです。ここでも様々なアクティビティがあるのですが、今度はベリーズの時のように折角の機会を無駄にしてしまわないようにということで、ベリーズから船に戻ってすぐに船上でクルーズ会社斡旋のツアーに申し込んでおきました。クルーズ会社の取り分があるので若干割高にはなりますが、おそらくこの先二度とない機会なので確実性を買うことにしたということです。

コスメルでは立派な埠頭が整備されているので、Liberty of the Seasのような大きな船でも接岸することができますが、やはりテンダーボートで時間的制約を受けるよりも、自由な時間にすぐ乗り降りできるので乗客にとっての利便性はだいぶ高くなっています。降りる際に必要なのはSeaPassだけですが、それだけではどうも不安なので私はパスポートも持っておくことにしました。

桟橋を歩いて陸に上がったところがこの日のツアー、Dolphin Push, Pull and Swim, Manatee Interaction at Chankanaabの集合場所になっています。現地で簡単な受付をして待っていると、陽気なメキシコ人を絵に描いたようなDiegoというガイドがやってきて説明をはじめました。端々に”amigo”など簡単なスペイン語を入れるのはきっとわざとやっているのでしょうが、それだけで異国情緒が漂ってくるというものです。今回のツアーはいくつかのコース合わせて100人ほどの参加者がいたので、まず港からワゴンタクシーに分乗して目的地のChankanaab Adventure Beach Parkへ5分ほどで移動します。
Diego
Chankanaab Adventure Beach Parkはメキシコ国立の施設のようですが、イルカマナティなどと触れ合えることを売りにしていて、今回申し込んだツアーではイルカのいるいけすに入り、イルカに触り、ツアー名の通りイルカに引っ張ってもらったり押してもらったりして一緒に泳ぐ、というのが大きな目玉になっています。ただ、イルカに毎日そんなにたくさんの観光客の相手をさせて大丈夫なのか、とこの時点では私も半信半疑でした。

到着後はまず水着に着替え、ライフベストを装着し、10人ずつのグループに分かれていけすへと向かいました。いけすではイルカのトレーナーが待っていて、イルカを呼んで色々説明しながら、イルカに触らせてくれます。そして二人ずついけすの中央へと泳いでいき、1人は逆さに泳ぐイルカのヒレに掴まって引っ張ってもらい、もう一人はボディボードに乗って足を押してもらう、というのを順にやっていきます。しかしこれも取るべき姿勢やイルカへのちょっとした指示が必要で、できない人はなかなかできません。それでも何とかしてできるまでやらせてくれるのは良いと思いました。

その後は別のいけすへ移動して、別のイルカの簡単な芸を近くで見せてもらいます。フリータイムと称してはいましたが、まだ十分に芸のできないイルカに人間に慣れさせるような目的もあるのではないかと思われるもので、これはあまり面白いものではありません。最後はマナティのいるいけすに入って、マナティに触りました。マナティはおとなしく、知能もイルカほど高いわけでなく、ごくごく単純な芸しかできないようで、トレーナーが餌で釣りつつ連れてくるのをベタベタと触るだけです。まあイルカとの皮膚の感触の違いや、マナティの体重を感じられたのはそれなりに面白かったかもしれません。
Cozumel
このあとは食事を取るなり、シュノーケリングをするなり、ビーチでのんびりするなりして過ごし、1時間おきに指定された時間に集合場所に行けば帰りのタクシーを呼んでくれるという自由時間でした。私も簡単にシュノーケリングをしてみましたが、非常に透明度の高い水の中に沢山の魚が泳いでいてきれいでした。ただ天気が曇り空だったため、晴れていればもっと鮮やかだったのではないかというのが残念なところです。ちなみにここでは身分証明書を引き換えに預ければライフベストは無料で借りられます。

なお、いけす部分は撮影禁止となっていて、代わりに専属のカメラマンが撮った写真を後で注文して購入する形になっています。しかし実はこの写真の値段があってないようなもので、最初は1枚$40、写真全部を入れたDVDが$200ということだったので、それほどいい写真があるわけでもないし思い出があればいい、ということで要らないと言うと、「ではいくらなら買うのか」「3枚$30、DVDは$120ならどうだ」と食い下がってくるのです。いったい最初の値段は何だったのかと呆れ、これがメキシコなのかと正直者が馬鹿を見る世界を実感したわけですが、結局要らないものは要らないと断って買いませんでした。実際、写真があまり上手くなくて、自分ならもっとうまく撮るのにという感じで、金を出して買うレベルではなかったのです。

まあ写真の件は残念でしたが、他ではなかなかできそうにない体験ができて満足度は高かったです。料金はそれなりに掛かりましたが、それに見合ういい経験にはなったのではないでしょうか。 (続く)