Terminator Genisys - Arnold Schwarzenegger as T-800観たかったのはこれ。

2009年の「ターミネーター4」は製作時点では新3部作の1作目という位置付けだったにもかかわらず、興行は失敗に終わり、製作会社も倒産する事態となってしまいました。1,2作目のJames Cameronのオリジナルの雰囲気とはだいぶ変わってしまっていますが、様々なマシンが登場して、ハードな内容で私は嫌いではなかったのに残念でした。

しかしどういう経緯か、このフランチャイズの最新作「ターミネーター: 新起動/ジェニシス」が製作・公開される運びとなりました。この作品については公開前にJames Cameronが「私にとって3作目のようだ」というようなコメントを寄せていましたし、予告もワクワクするような作りでかなり期待を持たせてくれましたので、私も非常に楽しみにしていました。映画本編を観た後で予告を観なおしてみると、勘違いするように巧妙に仕組まれていることにも驚きますが、予告でネタバレしてしまっては元も子もありませんから当然ですね。

さて、冒頭1984年の世界にT-800がやってきて最初にするのはまず服を奪うことですが、1作目を観ている人はここでニヤリとすることでしょう。SF作品ではこういうことが大事だと思います。そしてその直後にはもうこの作品の最初の見せ場がやってきてしまいますが、その後もT-1000が出てきたりするのでこのあとどんどん出てきてしまうのではないか思ってしまいました。

もちろんT-800はArnold Schwarzeneggerが演じているのですが、ターミネーターも歳を取るというのは苦し紛れのようでもそれほど無理なく描かれていました。そりゃ生体組織も老化するのでしょう。でも人間よりも高い再生能力を持っているのだとしたら、老化もカバーできてしまいそうな気もします。まあそういうことにする他ないのですから認めておきましょう。
Terminator Genisys - Emilia Clarke as Sarah Connor
シリーズを通して最重要人物であり続けるSarah Connorの役は、今回はEmilia Clarkeが演じています。この作品では髪をまとめているせいか可愛らしく見えますが、他のメディアで見るとだいぶ雰囲気が違っていてびっくりします。私は観たことがないので知りませんでしたが、アメリカの大人気ドラマ “Game of Thrones“にも出演していたということで知名度は高かったようですね。

Kyle Reese役はJai Courtneyですが、この人は「ダイバージェント」シリーズや最近観た「アウトロー」の悪役で見ているので、どうも何かを企んでいるように思えてなりませんでした。役者にとっては役柄が偏らないようにするのも大切なようですね。また最重要人物John Connorは奇しくも母親役のEmiliaと同姓のJason Clarkeでした。

劇中でSarahは守護者たるT-800を”Pops”と呼んでいます。これは日本語で言えば「オヤジ」くらいのニュアンスのようですが、日本語版では「おじさん」となってしまっているのでしょうか。それではちょっとSarahの性格付けが変わってきてしまうような気がしますが、それでいいのでしょうか。確かに若い女性が「オヤジ」と呼ぶのは日本ではヤンキーくらいでしょうが、「父さん」くらいではダメだったのでしょうか。なお、このPopsを送り込んだのが誰だかわかってそれを阻止されるのを防ぐために、誰なのかは記憶から消されているというのは将来展開に自由度を与えるためにも上手い方法ですね。どうも批評家の評価は低いようですが、おそらく続編も製作されるのではないかと私は楽しみにしています。