Ant-ManいったいMarvelにはどれだけヒーローがいるのでしょうか。

もはや失敗作を作る方が難しいのではないかと思われるほどMarvel Comicsを原作とする映画が次々ヒットを放っていますが、私が聞いたことのないヒーローが次から次へと出てきてその奥の深さを改めて感じているところです。しかもそれらのヒーローがAvengersなどの作品では共演してしまうというのだからよくわかりません。映画でも「エイリアンVSプレデター」なんていう作品もあるくらいですから、アメリカにはそういう文化があるのかとも思いましたが、よく考えれば「モスラ対ゴジラ」と同じようなものなのかもしれません。

それはさておき、そんな私の知らなかったMarvel作品の一つである「アントマン」を観てきました。予告は面白そうだったものの「またマーベルか」というようにも感じてしまい、レンタルで観ればいいかという気になってしまったのですが、実際に観てみると他のMarvel作品とは一味違うコメディ寄りの作品となっていて、期待以上に楽しむことができました。

主人公のScott Langが蟻のように小さくなる代わりに強くなるスーツを与えられ、その技術の悪用を防ぐために戦うというものですが、ユニークなのはヒーローが出所後の泥棒であることと、昆虫の強力も得ながら戦うということでしょうか。泥棒といっても悪人ではないのですが、捕まったことで離婚されて娘にも会わせてもらえず、前歴のために仕事にも就けないというなかなか哀れな人物像になっています。なぜ発明者がこの泥棒に目をつけたのかはよくわからないのですが、鮮やかな身のこなしや忍びこむための技術などは活かされているようです。

Scott Langを演じているのはPaul Ruddという俳優ですが、私はこの人のことも知りませんでした。私よりも歳上ですが、最近になって主役を与えられるなど活躍の機会が増えてきているようです。一方、発明者Dr. Pymの娘Hope van DyneはEvangeline Lillyが演じていますが、どこかで見たと思ったら「ホビット」シリーズにTauriel役で出ていたのでした。衣装や髪型のせいでだいぶ雰囲気は違いますが、同じように強い女性を演じています。

これまでにも「ミクロの決死圏」や「ミクロキッズ」など主人公らが小さくなるという設定の映画はありましたが、この作品を振り返ってみると、小さくなった視点から見た巨大化した日常というのがあまり強調されていないように思います。そういう映像的な面白さではなく、さらに一歩踏み込んでその設定を活かした面白さというのを見せようとしているのかもしれませんが、それは上手くいっているのではないでしょうか。

ということで、それほど期待していなかった映画が思いの外面白かった時はちょっと得した気もして嬉しいですね。その逆もまた然りなのですが…まあディズニーはなかなか外しませんね。