Fostexシンプルな製品です。

私が自宅で音楽を聴くときはMac miniの後ろのオーディオ出力をアンプに接続してスピーカーを鳴らして聴くのが基本で、ヘッドフォンを使うときはビクターのSU-DH1という「ヘッドホンサラウンドアダプター」なるものを光接続で使用していました。Mac miniの音もそう酷いものではないのですが、それほど金が掛かっているものでもないので音質はやはりそれなりです。SU-DH1は映画を観る時などは立体感が生まれて面白いのですが、音楽に特化されたものとの違いはありそうですし、今見ると購入したのはちょうど10年前にもなるようです。

実は何より問題というか、面倒だったのがスピーカーとヘッドフォンとを切り替えるときにMac miniの後ろの端子を繋ぎ変えることだったのです。アンプへの接続はアナログ出力を使用していますが、サラウンド出力のためにはSU-DH1には光デジタル出力を使用する必要があります。アナログと光の2種類を切り替えてくれるような適当な製品は見つけることができず、アンプを光デジタル対応のものに買い換えるしかないかと思っていましたが、ふと「いっそのことUSB接続のDACを買えばいろいろ解決するのではないか」と思いつきました。なお、アンプのヘッドフォン出力をそのまま使用すれば良いように思われるかもしれませんが、残念ながら私のアンプはヘッドフォンを接続してもスピーカー出力をOFFにしても、サブウーファーには出力し続けてしまうのでダメでした。

調べてみて見つけたのがFostexことフォスター電機PC100USBという製品でした。これは実売価格5000円以下で非常に手頃感がありますが、その上位にはPC100USB-HRというハイレゾオーディオ対応を謳った製品があります。せっかくだしこっちにしようかとAmazonを見てみると、ページの下の方に「この商品には新しいモデルがあります」とあり、そのPC100USB-HR2という製品が翌日発売となっていることを知りました。ということで新しもの好きな私は「これだ!」と飛びついてしまったのでした。

FOSTEX ボリュームコントローラー PC100USB-HR2

Amazonは普通に購入するときはプライム会員ならだいたい翌日には届くのですが、予約商品はなぜか遅いというのが定説となっています。今回は発売日前日ということで予約扱いになってしまったのですが、やはり例によって発売後3日目になってようやく手にすることができました。普通に考えれば予約なら前もって準備できるのだから、発売日当日に届いて然るべきと思えますが、どういうことなのでしょうね。

それはさておき、届いた製品はコンパクトな黒い梨地のアルミ板金製ケースに入っており、密度感があるのが良い感じですが、本体唯一の操作部であるボリュームつまみもアルミの削り出しで、回転にも適度な摩擦感があって節度のある感じがとても良いです。セットアップは非常に簡単で、本体後部のUSB-BコネクターからPCに接続し、PCのオーディオ出力を本機に切り替えるだけです。あとは本体後部のステレオミニジャックなりRCAジャックなりにヘッドフォンやアンプ、スピーカーを接続すれば音楽を聞くことができます。

ただし、気をつけなければいけないのが「よくあるご質問」にもあるとおり、PC側のサウンド設定で96kHz等に設定しなければPC側でダウンコンバートされてしまうので、ハイレゾで聴くことはできないということです。正しく設定されているかどうかは本体LEDの色で識別できますが、私は今回初めてMacの「Audio MIDI設定」というアプリを起動したような気がします。

ちなみに「ハイレゾ」とは何かということですが、サンプリング周波数量子化ビット数CDDATの規格を超えるもの、ということのようです。高いサンプリング周波数によって広い帯域を、多ビット量子化により広いダイナミックレンジが実現できるということです。実際それは聞いてわかるものなのか、というとMP3でも満足しているような私にはわからないかもしれません。また、音源以上にいい音で聞けるわけではないので、高規格で録音されたいわゆるハイレゾ音源を持っていなければ意味がなく、私はまだ持っていないので試すこともできていません。

でもまあ、「ハイレゾready」というだけでも今はいいじゃないですか。少なくとも3日ほど使用してみて、何も問題を感じることはなく安定して良い音で聴けているので、とても満足しています。