Zootopia - Judy Hoppsあんまり難しく考えなくても。

私は今週、4ヶ月ぶりにデトロイトに出張に来ています。主目的は昨日果たして、後はまとめの打ち合わせをするだけなので今は気楽です。ミシガンでは既に夏のピークを過ぎていますが、今年はちょっと暑いらしく気温そのものは34℃くらいまで上がります。しかし湿度は低く、また屋外に長時間いることもないので汗をかくようなことはなく、きれいな青空を楽しむ余裕があります。

今回のフライトは3月末から始まったデルタ航空関空-成田乗継便を利用して成田経由としてみたのですが、成田での乗り継ぎ時間が40分程度しかないのでかなり慌ただしく、せわしないのが嫌いな人にはおすすめできません。成田まで飛んでいる時間は1時間足らずなのですが、B滑走路に着陸してからターミナルに着くまで延々と30分も地上を走るのもかなり無駄な感じです。名古屋便の方が空いていて良い席が取りやすいということもあるので、今後はもう利用しないかもしれません。

ところで、13時間という長いフライトの数少ない楽しみといえば機内で観られる映画です。デルタもDelta Studioが導入されてから何十種類もの映画から好きなものを選んで観ることができるようになって非常に良くなったのですが、今回の行きのフライトでは友人が絶賛していた「ズートピア」を英語版と日本語吹替版で観てみました。

哺乳類が進化して高度な知能を持ち、現代の人間社会と同様の文明社会を築いている世界を舞台としており、地方部では草食動物たちは肉食動物を恐れながら生活しているのですが、中心都市ズートピアでは肉食動物と草食動物とが共存しています。これは人種差別を類推させるものなのかなと思いますが、肉食・草食というもともと違うものを指す種別と、外観以外は違わない人種とを一緒にするのはどうなのかなという気はします。

なお、日本語では肉食、草食とはっきり二分する表現になっていますが、英語では predator (捕食者)と prey (獲物)という表現になっており、小型肉食獣などは大型のものに捕食される可能性もあり、日本語の分類の方が適切な感じはしました。
Flash
今さらなのでストーリーには触れません。しかし少々ネタバレになりますが、傑作だったのはDMVの職員が全てナマケモノというシーンです。本作ではDMVはDepartment of Mammal Vehiclesの略とされているようですが、アメリカでDMVといえばDepartment of Motor Vehicles、本作の日本語訳では「免許センター」と訳されていますが、実際には日本でいえば陸運局に相当するもので、自動車の登録に関する事務を扱っている役所です。そうでないと話の筋が通らないはずで、免許センターでナンバープレートの照会というのは変です。ともかく、何かにつけて時間のかかるDMVを揶揄するものなのですが、実際のDMVの職員はどういう思いで見るのでしょうね。ちなみに私はこのシーンを見ていて「ナマケモノに対するステレオタイプな差別だ!」と思ってしまったのですが、それだけ擬人化された動物たちが自然に見えてしまったということなのでしょうか。

もちろん他にも見どころはたくさんあって、1回のフライト中に2回観ても退屈することはないくらいだったのですが、「アナと雪の女王」のような泣き所は私にはありませんでした。感動するというよりもドラマが面白い、というような感じの作品なのではないかと思います。Judyの明るい性格がそう感じさせるのかもしれません。

ということで、帰りのフライトでは何を観ましょうかね。