Loganヒーローだって年を取ります。

LoganといえばX-Menの中心人物の一人であるWolverineですが、アメリカで次男が通っていた小学校がLogan Elemetary Schoolというところで、かつ住んでいたミシガン州の「州の動物」や住んでいたアナーバーにあるミシガン大学のマスコットがWolverine (クズリ)だったりとなんとなく色々関わりがあるのですが、だからと言ってどうというわけではありません。ただそのWolverineを主人公に据えたX-Menシリーズのスピンアウト三部作の最後、映画「LOGAN/ローガン」を観てきたという話です。

舞台は2029年、今から12年後のアメリカ、テキサス州のメキシコとの国境辺りです。近未来の話ではありますが、ちょっと車が未来的なデザインになっていたりするくらいで現代とはほとんど変わりません。ただ、変わっているのは登場するWolverineやProfessor Xが年を取ってしまっているということで、その姿は結構ショッキングです。この時点で25年間新しいミュータントが生まれていないということもあり、かなり絶望的な空気が漂っています。

そんな状態からどのように物語が進むのかということですが、終わってみると心温まるところもある、なかなかいい映画だったと思います。ただ、日本ではR15、アメリカではRのレイティングとなっており、結構な残虐描写が含まれています。これによって特にアメリカでは観客をかなり制限することになってしまっているのでしょうが、これは登場人物らの残忍性をしっかり表現するためには必要なものなのではないかと私も思います。

主人公のWolverine/LoganことJames Howlettはこれまで通りHugh Jackmanが演じていますが、Wolverine役で大当たりとなった彼にとって年老いて衰えたLoganを演じるというのはどういう思いだったでしょうか。また、Professor Xを演じているのはPatrick Stewartで、彼ら二人とも実年齢よりも20歳ほど老けた役となっていますが、二人ともこの作品がX-Menシリーズでの見納めとなってしまうようです。また、謎の少女Lauraの役で存在感を示しているのはDafne Keenという12歳の少女です。実年齢相応のかわいさのある彼女ですが、イギリスとスペインのハーフらしくラテン系の顔立ちをしているのでメキシコ人の役でもまったく違和感はありません。また今後が楽しみな子役が出てきたのではないでしょうか。

ということで、今作ではWolverineらもかなり酷い目に遭ったり、衝撃的なシーンも多々あるので観ていて辛いところもあったのですが、終盤にはとても美しいシーンもあり、とても見応えのある作品になっているのではないかと思います。少なくとも、アメコミものにありがちなヒーローがやたら強い薄っぺらいものとは一線を画した、ドラマとして観られるものになっているのではないでしょうか。