Pixar史上最高傑作か。
Incredibles 2

もともとコンピューターグラフィックス制作のためのコンピューターハードウェアを製造・販売していた会社だったPixarですが、今やアニメーション映画制作で右に出るものはいないのではないでしょうか。Pixarの作品が素晴らしいのは映像技術だけではなく、そのシナリオが非常に優れていることですが、1作品のシナリオを練り上げるために2〜3年もの期間をかけると言われており、アニメーションにしっかりと魂が込められているということだと思います。

このため、見かけは子供向けの作品でありながら、しっかりと大人も楽しめものになっているのがPixar作品で、私はその点でかなり信頼しています。今週公開された「インクレディブル・ファミリー」も観るつもりでいたのですが、公開がちょうど毎月1日の映画の日に設定されており、さらにそれが水曜日の定時退社日だったので非常に都合が良かったので、夏休みの子供達に混じって一人でいそいそと見てきました。

前作「Mr. インクレディブル」からすでに13年半も経っているとは驚きですが、これだけ時間が経っていると当時の小学生のほとんどが成人を迎えていることになります。したがって、さすがに前作のストーリーを知らないとよくわからない、などということは全く無く、主要登場人物の設定を引き継いでいるだけということになります。実際、私も前作はほとんど忘れてしまっていましたが、それでも何ら支障なく楽しむことができました。なお、劇中では時間が経過しておらず、前作終了から間もなくの話ということになっています。

ストーリー自体はファミリー向け作品ということであえてシンプルなものになっており、どんでん返しも大人であれば予想できる範囲のものかと思います。しかし、かと言って決して単純なものではなく、また手に汗握るアクションが繰り広げられ、子供だましのようなことは全くありません。Rotten TomatoesでもTomatometer 93%という非常に高い数値になっていますし、興行収入でも北米で歴代アニメ作品最高記録を達成したというニュースもありました。それどころか、PG-13以外のどの映画よりも高い成績となったとのことで、これは映画好きなら見ておかなければならない作品になったということではないでしょうか。

このシリーズは全体的に原色系でフラットなトーンが印象的な画作りになっていると思いますが、実はクローズアップシーンでは非常にリアルなテクスチャが用いられています。もはや実写以上にリアルな質感を表現しており、CG技術もとんでもない所まで来てしまっているようです。誰もこの作品にそこまでのものを求めてはいないように思いますが、そういったところでも手を抜かず、あくまで技術の粋を極めるということが完成度を高めるためには必要なことなのでしょう。

ということで、ちょうど今日前作のテレビ放映が行われていたのでご覧になった方もいると思いますが、それで面白かったと思ったならぜひ本作もご覧になることをおすすめします。