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Wonder Woman

良い意味で裏切られた感じ。

Marvel各作品映画化の成功の後を追うように、SupermanとBatman以外は日本ではマイナーだったDC Comicsの各作品も映画化が本格的なものとなり、この秋にはAvengersに対応するJustice Leagueの映画化も予定されています。実は2011年に日本でも公開されている「グリーン・ランタン」のGreen LanternもDC Comicsのキャラクターだったのですが、日本では知名度が低すぎたのと映画が駄作だったことで知られないまま消え去ってしまった感じです。私もこれは観たのですが、ブログに書く気にならないほどでした。

今週末に公開された「ワンダーウーマン」もそのDC Comicsのキャラクターの1人で、日本ではマイナーだったと思いますが、一足早く「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」に登場してお披露目となっていました。この時のTomatometerは27% (現時点)と散々な感じなのに対して、本作品では92%とかなり大きな開きがありますが、絶対的にも相当高いスコアなので期待できるのではないでしょうか。

本作では、外界から隠されて女性だけが住むThemysciraからなぜWonder WomanことDianaが世の中に出てきてスーパーヒーローとなることになったのかが描かれていますが、時代は第一次世界大戦終盤の1918年、今から100年ほど前に遡り、本編のほとんどはこの時代の出来事となっています。

しかし、この手の作品で気になってしまうのが、ドイツ軍を完全に悪として扱っていて、あくまでも連合国が正義とされていることです。さすがにドイツの人達はこういう作品を観ていい気はしないと思うのですが、あくまで過去のことで自分たちとは全く関係ないと割り切れるものなのでしょうか。もちろん責任を感じたりする必要はないのですが、心情的に嫌な感じはあるのではないかと思います。特定アジアの反日映画でなくても日本軍を悪者とするような作品がたまにありますが、日本人としてはいい気はしませんよね。

Dianaを演じるのはGal Gadotで彼女もとてもきれいなのですが、8歳時点のDianaを演じているLilly Aspelが愛嬌もあって非常に可愛らしく印象的でした。今後の活躍に注目したいと思います。Dianaに助けられてDianaを俗世間に連れ出すきっかけとなるSteve Trevor役はChris Pineですが、「スター・トレック」シリーズのJames T. Kirk役で見せているようなユーモアのある演技がこの作品にも合っていると思いました。

ということであまり多くを述べていませんが、この作品は予備知識を持たずに観た方がより楽しめるのではないかと思うので、これくらいにしておきます。ただ、Batmanの本名がBruce Wayneだということは知っておくといいかもしれませんが。

Spider-Man: Homecoming

アメリカの高校生らしい。

日本では70年台に東映がテレビシリーズを製作していたこともあってMarvel作品の中では圧倒的に知名度の高い「スパイダーマン」シリーズですが、実写映画はこれまでTobey MaguireとKirsten Dunstの「スパイダーマン」からの3部作のあとリブートされてAndrew GarfieldとEmma Stoneの「アメイジング・スパイダーマン」シリーズ2作が製作されていました。Gwen Stacyが亡くなってしまったあとはどうするのかと思っていましたが、「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」で新世代のスパイダーマンとしてTom Hollandがデビューし、そして今回「スパイダーマン: ホームカミング」として本編が公開されることとなりました。

ヒロインは一応Laura Harrier演じる1年先輩のLizということになるのでしょうが、物語の中では重要な位置にはあるもののそれほどクローズアップされておらず、むしろ端々で登場するZendayaが演じているMichelle “MJ” Jonesの方が目立っていますし、次回作ではさらに重要な役どころになる可能性があるように感じました。しかし、スパイダーマンでMJといえばMary Jane Watsonですし、特に最初の三部作でMJを演じていたKirsten Dunstに思い入れのある私としては少々複雑な気持ちです。

それはともかく、この作品は「シビル・ウォー」直後の話となります。「シビル・ウォー」を観ていないと序盤は何のことやらということもあるかもしれませんが、大きな問題はないでしょう。また、Tony Starkとアイアンマンが結構登場しますが、やはり存在感があるのでスパイダーマンもMarvel Universeの一員に加わったと印象づけているように感じました。また、リブートではありますがPeter Parkerがスパイダーマンとなった経緯や伯父Benの死についてはほとんど触れられていないので、全体的に明るい感じになっているのではないでしょうか。

違和感が拭えなかったのは伯母のMayが衝撃的に若くなっていることです。これまでの作品ではBenとMayの夫婦は老夫妻というような年齢に設定されていたのですが、今回Mayを演じているMarisa Tomeiは現時点でも52歳で、しかも白人にしては実年齢よりも若く美貌を保っているように見えます。私は最初Anna Kendrickと見間違えてしまったので、それがMayであるとはすぐに理解できませんでした。MarisaとAnnaってちょっと似ていませんか?

全体的には、Peterがとても若々しくてとても良かったと思います。スパイダーマンのスーツがアイアンマンばりにハイテクなのはこれまでになかった設定ですが、今後もそれで行くのでしょうか。蜘蛛の力で超能力、という設定がぼやけてしまわないかと余計な心配もしてしまいますが、面白く仕上がればそれでもいいと思います。

Logan

ヒーローだって年を取ります。

LoganといえばX-Menの中心人物の一人であるWolverineですが、アメリカで次男が通っていた小学校がLogan Elemetary Schoolというところで、かつ住んでいたミシガン州の「州の動物」や住んでいたアナーバーにあるミシガン大学のマスコットがWolverine (クズリ)だったりとなんとなく色々関わりがあるのですが、だからと言ってどうというわけではありません。ただそのWolverineを主人公に据えたX-Menシリーズのスピンアウト三部作の最後、映画「LOGAN/ローガン」を観てきたという話です。

舞台は2029年、今から12年後のアメリカ、テキサス州のメキシコとの国境辺りです。近未来の話ではありますが、ちょっと車が未来的なデザインになっていたりするくらいで現代とはほとんど変わりません。ただ、変わっているのは登場するWolverineやProfessor Xが年を取ってしまっているということで、その姿は結構ショッキングです。この時点で25年間新しいミュータントが生まれていないということもあり、かなり絶望的な空気が漂っています。

そんな状態からどのように物語が進むのかということですが、終わってみると心温まるところもある、なかなかいい映画だったと思います。ただ、日本ではR15、アメリカではRのレイティングとなっており、結構な残虐描写が含まれています。これによって特にアメリカでは観客をかなり制限することになってしまっているのでしょうが、これは登場人物らの残忍性をしっかり表現するためには必要なものなのではないかと私も思います。

主人公のWolverine/LoganことJames Howlettはこれまで通りHugh Jackmanが演じていますが、Wolverine役で大当たりとなった彼にとって年老いて衰えたLoganを演じるというのはどういう思いだったでしょうか。また、Professor Xを演じているのはPatrick Stewartで、彼ら二人とも実年齢よりも20歳ほど老けた役となっていますが、二人ともこの作品がX-Menシリーズでの見納めとなってしまうようです。また、謎の少女Lauraの役で存在感を示しているのはDafne Keenという12歳の少女です。実年齢相応のかわいさのある彼女ですが、イギリスとスペインのハーフらしくラテン系の顔立ちをしているのでメキシコ人の役でもまったく違和感はありません。また今後が楽しみな子役が出てきたのではないでしょうか。

ということで、今作ではWolverineらもかなり酷い目に遭ったり、衝撃的なシーンも多々あるので観ていて辛いところもあったのですが、終盤にはとても美しいシーンもあり、とても見応えのある作品になっているのではないかと思います。少なくとも、アメコミものにありがちなヒーローがやたら強い薄っぺらいものとは一線を画した、ドラマとして観られるものになっているのではないでしょうか。