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Jobs

どこまで事実なのかは…

Appleの創業者で元CEOのSteve Jobsが亡くなってから、いつの間にか4年も経ってしまいました。未だに新製品が発表されるたびに「ジョブズがいたら〜」という人がいますが、いい加減いつまでもすがっているべきではないでしょう。

最後の数年のWWDCなどでのプレゼンは欠かさず見ていたので、私にとっては偉大なプレゼンターという感じですが、死後まもなく発売された本人公認の伝記のおかげで彼についてはアップルファンでなくともよく知られているのではないでしょうか。また、この伝記をベースにしたりしなかったり、いくつかの伝記映画も製作されていて、その名も「スティーブ・ジョブズ」という作品はちょうど明日から公開されることになっています。おそらく私もこの作品は観に行くと思うのですが、その前にあまり評判の良くない2013年版「スティーブ・ジョブズ」を観てみました。

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主役のSteve Jobsを演じているのはAshton Kutcherで、彼の役作りは頑張っていて、喋り方などもイメージ通りで、特に静止画で見ると悪くないと思うのですが、どうも歩き方が不自然で気になってしまいます。必要以上に猫背になっているのが良くないのかもしれません。私にはあまりそういう印象はないのですが、Jobsってそんなに猫背だったでしょうか。

一方、もう一人のSteve、WozはJosh Gadが演じていますが、こちらはさらにもう一歩です。束の間ながら実際に本人に会うことが出来たせいもあると思いますが、本物の人の良さそうなところが演じきれていないように感じました。この作品にとってもこれは大事なところなのではないかと思います。

物語として描かれているのは冒頭のiPod発表時の様子のほかは学生時代から初代Macintosh発売後に会社を追われるまでと、NeXTと共に返り咲くところのみで、エポックメイキングな最初のiMacやJony Iveにまつわるエピソードはあまり触れられておらず、物足りないように感じるのはそのせいなのだと思います。Iveには存在感を感じさせながら、深掘りしないというのはどういうことなのかという感じです。

しかしどうもJobsの身勝手さや取締役会に翻弄された様子などに力点が置かれていたようで、結局のところみんなが見たいJobsの映画ではなかったということなのだと思います。明日公開の「スティーブ・ジョブズ」の方は公認の伝記を映画化したものということなので、おそらくこちらは多くの人に支持されるのではないでしょうか。

ちなみにこの作品、今も養母のMarilyn Jobsが住むLos Altosの生家で実際にロケを行ったようですので、少なくともそのシーンの映像は事実にかなり近いということができるかもしれません。

ジョナサン・アイブ – 偉大な製品を生み出すアップルの天才デザイナー

アップルファンならいいでしょうが。

今でこそ携帯電話はiPhone、パソコンはMac miniとMacBook ProでiPadも持っている、とアップル製品に囲まれている私ですが、あまりアップルファンという自覚もないままいつの間にかこうなってしまいました。同じ会社の製品で揃えておいた方が何かと便利だから、というのは囲い込み商法の目指すところでしょうが、特にそういうわけでもありません。それではいったいなぜアップル製品を選択するのか。まず、安いからではありません。性能・機能から考えれば特に割高だとは思いませんが、もっと安い他社製品はいくらでもあります。また、高性能だからというのでもありません。例えばiPhoneよりもSony XperiaSamsung Galaxyなどの方が性能的に勝る部分は多いでしょう。

では、なぜか。それは「使っていて気持ちが良いから」ということではないかと思います。製品の意匠は特にかっこいいというようなものではありませんが、シンプルで飽きの来ず、邪魔にならないものです。また、ユーザインタフェースについても使っていて引っかかるような動作がなかったり、無駄な操作を省くことが考えられていたりして、スペックに現れない官能的な部分に力が注がれているように感じます。もちろん、OSをアップデートしていくとハードウェアの性能が追いつかなくなって最終的には使いものにならないほど重くなってしまったりもしますが、少なくとも発売時点で性能に不満を感じるようなことはないのではないでしょうか。

そんなアップルのこだわりの部分は故Steve Jobsによるところが大きかったと言われていますが、ことデザインに関してはそのSteveの右腕であったJonathan “Jony” Iveの業績として知られています。しかしながら、秘密主義のアップルの、さらに極秘中の極秘であるデザイン部門については非常に情報が限られていて知られていることは多くありませんが、このJonyについて著された「ジョナサン・アイブ – 偉大な製品を生み出すアップルの天才デザイナー」という本が発行されたので読んでみることにしました。

ジョナサン・アイブ

ところがこの本、Jonyの伝記としては肩透かしというか、はっきり言うと期待はずれでした。Jonyがアップルに入社するまでのところはいいですが、それ以降はJonyを中心に描いてはいてもアップル製品の歴史を書いているだけで、また多くがすでに知られていることではないかと思います。Jonyが各製品にどのように関わってきているのかということはあまり知られていないことですが、それもあまりしっかりと記されていません。そして残念なのは、アップルの歴史の中で、Jonyがどのような状況で何に心を砕いてきたのかというようなことがほとんど描かれていないことです。

結局のところ、著者もあまり詳しい情報を得ることができなかったということなのかもしれません。外部に漏れてくる情報をつなぎあわせてストーリーを作ったというところなのでしょうか。著者はCult of Macというアップル関連情報ブログを主宰するLeander Kahneyという人ですが、「スティーブ・ジョブズ」のようなちゃんとした伝記作家のちゃんとした伝記のようなものを期待してしまったのがいけなかったのでしょうか。

おそらく読者が最も知りたいところはどうしてJonyが優れたデザインを生み出すことができるのかということではないかと思いますが、そこについてはほとんどわからないままです。Jonyが抜群のセンスを持ったデザイナーであるからだと言われてしまうとそれまでなのですが、それにも何かしらの背景があるはずです。ただ、この本からは一つ一つの製品をデザインしたのはJony本人ではなく、IDgなる産業デザイングループ全体としての成果であり、それを取りまとめているのがJonyなのだということはわかったので、それはひとつの収穫と言えるかもしれません。まあ当たり前のことですけどね。

iPhone 6 Plus

もちろん仕事に使うんですが…

9月に発表・発売されてからもうすぐ2ヶ月が経とうとしていますが、ついに私の元にもiPhone 6 Plusがやって来ました。

私の赴任先では従業員に携帯電話を支給しているため、個人では購入する必要がないのですが、機種変更についてはどうしても会社に委ねるしかありません。赴任した際にはHTC TrophyというWindows Phone 7.5のデバイスを支給されたのですが、従業員からの要望か何かで私の数ヶ月後からはiPhoneに切り替わり、さらに私のちょっと前の人も1年ほどしか経っていないのにiPhoneに変更され、私の前後数ヶ月の少数だけがWindows Phoneを使い続けなければならないという理不尽な状況になっていました。そんなにiPhoneが使いたければ自分で買えば良いのですが、それもまた無駄です。

Windows Phoneは動作が不安定というわけでもなく、電話の機能としては大きな問題は無いといえば無かったのですが、細かい不満はいくつもありました。最たるものはアプリの起動に1秒くらいかかってしまうということで、その他はフォントがおかしく日本語の漢字の一部が簡体字のような文字で表示されてしまうとか、日本語の変換辞書が貧弱とか、日本でのシェアが低いのが原因と思われるものです。また、かなのフリック入力の際に斜めに移動すると拗音や濁音になるというのは一見便利なようで精度の高い操作を要求されるのでストレスになり、私は大嫌いでした。これはAndroidにもあるようですが、有効無効は切り替えられるようなのでそれなら問題ありません。

さて、既に手元にないWindows Phoneへの不満は忘れるとして、これまでになかったことですが今回は変更にあたり機種を選ばせてくれました。ベース機種はiPhone 6の16GB版ですが、それに対する差額を自己負担とすることでメモリ容量を増やしたりiPhone 6 Plusにしたりということができ、また希望するならiPhone以外のAndroidなどでも良いとのことでした。その知らせはメールで唐突にやって来ましたが、自分が買うならこれだろうというようなことを考えていた私はほぼ迷うこと無く、iPhone 6 Plus 64GBを選択して数分のうちに返信しました。そして2-4週かかるということだったのですが、それがやってきたのは4週目最後の金曜日でした。

私は4週の間にカバーや充電器、Lightningケーブルなどを買い揃えて準備万端で待ち構えていたのですが、ようやく手にしてみるとやはり大きく感じます。ただ、iPhone 5S/5cと比べるとその違いは著しいものですが、iPhone 6と並べてみるとそれほどの違いではありません。Plusを選ぶ際には大きすぎないかと気にするだと思いますが、どちらにしてもズボンのポケットに入れておける大きさではないようなので、個人により考え方は違うでしょうが私はPlusで良かったと思っています。

初期設定とアクティベーションを終えたら、カバーを付けてこれまで仕方なくiPadで使用していたアプリを一気にインストールしたらもうすっかり私のものです。私が自分で使用したiPhoneは3GSだけですが、iPad 3も使用していますので全く馴染んでおり使い勝手に問題はありません。最新のiPhoneの液晶の美しさも技術の進化を感じさせますが、なにしろ便利だと実感しているのがTouch IDの指紋認証です。業務メールなども見ることができるようになっているのでパスコードロックの設定は必須ですが、Touch IDのおかげでホームボタンを親指で押してそのまま一瞬待つだけで認証してロックを解除してくれるというのは非常に快適です。今のところ他の指で解錠してしまうことはなく、また正しい指であればどの角度でも、多少ずれていても問題なく認識してくれるので、全くいらつくことがありません。指紋認証自体は新しいものではなく富士通の携帯電話などにも搭載されていましたが、一定の方向にスライドさせるというものとは一線を画す使いやすさではないかと思います。

確かにポケットに入らないというのはトイレに行く時などに気になるものの、画面の大きさには一日もすれば慣れてしまい、今では全く違和感がありません。この大きさでFull HDのピクセル数だというのは凄いことで、Retina HDディスプレイの401ppiという解像度では全くドットが認識できません。また、当初はこの画面の大きさに対応したアプリが少なくてらくらくホンなどと揶揄されていましたが、この2ヶ月の間に多くのアプリが対応して広さを活かせるようになってきましたし、そうでなくとも見やすく操作しやすくなっているので悪くはないかと思います。まあそう思えるのもiPadでiPhoneアプリを2倍表示で使用することに慣れていたためかもしれませんが。

iPhone 6/6 Plusの新機能の1つ、Apple Payにも期待しているのですが、残念ながら私のクレジットカードは対応していないようなのでもうしばらく待たなければならないようです。支払い可能店舗の方は私がよく利用するところも含まれているので、こんなことならChaseにしておくんだった…などと言っても仕方がないので、対応を楽しみに待つことにします。アメリカではiPhoneのシェアも高いので、店舗側はApple Payに対応しているというだけで集客材料になりそうですが、それには銀行側の協力が欠かせません。銀行としてはただAppleに利益を持っていかれるのでは面白く無いでしょうから、Appleもその辺はなにか考えているのでしょうね。

ということで、若干Wi-Fiの感度が低いような気はするものの、それ以外は不満らしい不満もなく、やっぱり6にしておけば良かったなどという思いは全くありません。6と6 Plusのどちらにしようかと価格以外の点で迷っている人は、潔くPlusにしても後悔することはないのではないでしょうか。6の方は従来の5Sから大きくなっていなかったとしたら話はだいぶ違ってきたのでしょうけどね。