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Ghostbusters (2016)

映画そのものは良かったのに。

このところ、以前ヒットした映画のリメイク、リブートなどと言われる、いわゆる焼き直しの作品が多くなっているような気がしますが、映画業界もネタが尽きてきたということなのでしょうか。もちろんリメイクというのは昔からあったものですが、以前はここまで多くなかったような気がします。今回観た「ゴーストバスターズ」も1984年の同タイトルのヒット作のリブートとなっています。私もこのオリジナルを中学校の時に同級生らと一緒に映画館で観たのを覚えていますが、内容はほとんど覚えていなかったので先日Amazonプライムビデオで復習し、改めて楽しんだところです。

そして今回のリブート作ですが、単純に同じような設定で作り直しただけではなく、主人公らをすべて女性にしてしまいました。これについては当初賛否両論あったことと思いますが、結果的にはまったく違和感はなく、男女同権が進んだ現代では何ら不自然なところは感じられませんでした。逆に、ゴーストバスターズが事務員として雇うのがChris Hemsworth演じるKevin Beckhamという男性なのですが、このKevinが中身が空っぽのマッチョながら「目の保養」のために採用されるということで新鮮な面白さがあります。

主役の4人はそれぞれコメディアンでもある女優さんらが演じていて、とても楽しいやり取りになっています。しかし残念だったのは私の自宅から無理なく観に行ける範囲の映画館では吹替版のみの上映となっていて、字幕版でオリジナルの英語のセリフを聞くことができなかったということです。私はセリフも俳優の演技のうちだと思っているので、英語作品の場合は極力字幕版で観るようにしているのですが、今回は友近や渡辺直美といったタレントに吹き替えさせて話題性を持たせているためかこのようなことになってしまっていて非常に残念です。またそれだけならいいのですが、吹き替えのセリフの中に日本でちょっと前に流行ったくだらないギャグなどが織り込まれていて、興醒めもいいところ、すべてを台無しにされた気分です。

吹き替えについては本当に残念で仕方がないので、レンタルが始まったら借りてまた観てみようかと思っていますが、実はそれでは思うつぼだったり…ということはないでしょうね。それにしても、自分たちで作っているわけではないからか、日本の映画配給会社には作品に対する愛というものがさっぱり感じられません。この作品そのものはオリジナルに対する愛に満ちているというのに。

ゴーストバスターズ 1&2パック [Blu-ray]

¥ 1,379

(2016-08-28現在)

ちなみにこの作品、本当に最後まで楽しめるようになっています。普通はエンドロールになると文字だけであとは真っ暗かせいぜい背景がある程度ですが、本作では飽きずに見ていられるようになっています。そして最後まで見ているとお楽しみの1カットが残っているので、それもお見逃しの無いように。

Deadpool

自分の子供と一緒には観られません。

数いるマーベルヒーローの中でもアメリカでは人気があるのに日本ではあまり知られていないのがDeadpoolで、超人的能力としてWolverineから血清を移植されて受け継いだ驚異的な治癒力と不死性を持つ戦闘と暗殺の達人です。ヒーローらしからぬ性質からこれまで映画化もされていませんでしたが、ついにそれができて非常に好評なようだったので、日本での公開3日目の昨日、その名も「デッドプール」を観てきました。

この作品はDeadpoolがどのようにして誕生したのかという自己紹介的なものになっていますが、 単純に時系列を追ってストーリーが進むのではなく、戦いのさなかにDeadpoolが観客に語りかけるように経緯を説明するような形になっていて、ダラダラしてしまうようなことがありませんでした。コミックでもDeadpoolは 第四の壁を破ることができる、つまり自分が物語の登場人物だということを認識しているというのも特徴としていて、それをそのまま映画でも実現しているということになります。

DeadpoolことWade Wilsonを演じているのはこれまでに様々な作品でヒーローを演じてきたRyan Reynoldsです。Deadpoolになってからはほとんどマスクを被りっぱなしなので代役が演じていてもわからないかもしれませんが、姿勢やしぐさからなんとなくWadeであると認識できるような気がしました。

今作でのヒロインはWadeのガールフレンドであるVanessa Carlysleです。どうやらVanessaもスーパーヒーローの一人のようなものの、この作品ではまだ普通の女性で、Morena Baccarinが演じているのですが、このVanessaが素晴らしいです。これほど魅力的なヒロインは久しぶりに見たような気がしますが、特に最初に登場した時のショートヘアが良いのと、後のシーンでの献身的な表情もとても良いです。

この作品のもう一つの特徴は全編にわたって他の作品のパロディやオマージュをこれでもかというほど散りばめていることで、とてもではありませんが1回観てすべてを把握できるようなものではありません。私は訳あってもう1回観ることになっているのですが、それでも退屈してしまうことはなさそうです。もう1回Vanessaに会えると思うとそれだけでも楽しみですが、他にもアクションシーンでのDeadpoolのトリッキーな動きやユニークな演出など、もう一度観てみたいものはいくつもあります。1回観てもそんななのですから、これからという人にはぜひお勧めしたいと思いますが、ちょっとグロテスクな映像とエッチなシーン、シモネタも満載なので苦手な人はご注意ください。

Hick

ファンほど観ない方が…

ブログメディアGizmodoの一部門であり、「アクション系エンタメサイト」とされているらしいKotakuの日本版コタク・ジャパンに、先日「クロエ・モレッツがその魅力をいかんなく発揮している映画5選」という記事が掲載されました。「キック・アス」以来のChloëファンである私は勢い込んで見てみたわけですが、ここで紹介されている5作品のうちで既に観ていたのは「イフ・アイ・ステイ 愛が還る場所」と「ヒューゴの不思議な発明」の2作のみでした。それではいけない、ということで先日会社帰りにTSUTAYAに寄って「HICK ルリ13歳の旅」を借りて観てみました。

HICK ルリ13歳の旅 [DVD]

¥ 3,175

(2016-02-06現在)

邦題の「13歳の旅」からは甘酸っぱく爽やかなものを想像してしまいがちですが、実際の作品はそれとは全く逆、Chloëがかわいそうで観ていられない、というより観なければ良かったと思ってしまいました。といっても作品の出来が酷いというわけではないのですが、コタクの「ノースリーブ率が高い元気なクロエをひたすら見る映画。」という紹介はあんまりです。まあこの後に続く本文をちゃんと読めば

クロエを娘のように思って愛しているファンの方にはあまり勧められませんが、元気で可愛いクロエをずーっと眺めていられる映画なので、ライトなファンは必見でしょう。

と書かれていて、まさにその通りではあるのでしょう。

タイトルにあるというのは田舎者を意味するようですが、Chloë演じる13歳の少女Luliはネブラスカ州の田舎町でアル中の両親との退屈な暮らしに耐えかね、一人ラスベガスへの出奔を思い立ち家を出ます。といっても電車やバスなどないド田舎なのでヒッチハイクしてEddieのクルマに乗ることになります。しかしこれがLuliの運の尽きだったことになります。

Eddieを演じているのはアカデミー賞を含むいくつもの賞を獲得している演技派俳優のEddie Redmayneで、静かな狂気を迫力ある演技で見せています。この人はイギリスで最も由緒ある名門私立校Eton Collegeを出ているということなのですが、この学校が1440年創立であると聞いてその頃の日本はどんなだったかと考えると格の違いを思い知らされてしまいますね。だからどうというわけでもないのですが。

この他Blake LivelyやAlec Baldwinを助演に迎えてなかなかの顔ぶれなのですが、Tomatometerは5%と散々の評価です。というのも何を訴えたいのか、メッセージがないというのが原因のようです。作品の中でLuliは大変な目に遭っているわけですが、それによって彼女が得たものが伝わってこないということです。これで何も学習していなければただの馬鹿娘ですからね。

まあいくつも映画を見ていればたまにはこういう物にあたることもあるということでしょうが、とりあえずファンとしては観ておくべきだったろうと思うので良しとします。次は同じようなことにならないことを期待しますが…