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Mastodon

今更ですがあえて。

今から1か月以上前のことになりますが、私が風邪で寝込んでいる間にインターネット界隈ではMastodonというマイクロブログが急に話題になっていました。Twitterが何年経ってもまともな収益が得られずに身売り話が出ているというのに一体何が新しいのだろうか、と頭痛でボーっとする頭で思いながらとりあえずIDを確保しておこうと登録だけしておいて、調べ始めたのは回復してきてからとなりました。

調べてみるとこのMastodonは分散型のマイクロブログで、GitHubで公開されているサーバーソフトウェアのMastodonを立ち上げれば相互に接続してフォローや返信、リツイートに相当するブーストなどができるというものでした。これはOStatusという分散型マイクロブログを接続するオープンな規格に基づいていて、GNU socialなどの実装とも相互に接続することができます。ユーザーはインスタンスと呼ばれる各サーバーに登録することになりますが、アカウントはインスタンスごとにそれぞれ独立したものになります。

これがなぜか日本でブームとなり、大学院生のnullkal氏が自宅サーバーで運営していたmstdn.jpがユーザー数世界一となったり、過負荷でサーバーが応答しなくなったり、さくらインターネットのサーバーに移転したり、その手腕を買われてドワンゴに入社したり…とごくごく短い間にいろいろありました。また、インスタンスごとのユーザー数ランキングではmstdn.jpとpixivのpawoo.netが1, 2位を占め、その他のインスタンスでも日本人のアカウントが増えることとなり、タイムラインは日本語のトゥート(ツイートに相当、象の鳴き声toot)で占有されるような状態になってしまいました。これが外国人ユーザーの目にどう写ったかはちょっと心配だったのですが、どうやら問題になるほどではなかったようです。

分散型であるということは運営側にとってコントロールが難しいということになります。タイムラインを見ていると無意味に卑猥な言葉をトゥートするユーザーが何人もいたりしますし、pixivが運営するpawoo.netでは法的あるいは道徳的に問題のあるイラストなどを投稿する人が多かったため他のインスタンスから接続を切られてしまうという事がありました。しかし、企業や権力によりコントロールされておらず自由であること、そして技術的にオープンであることには大きな魅力がありますので、ブームから1か月経って落ち着いてきたところから、どうなっていくのか興味深いところです。

LINE乗っ取り詐欺未遂

過信は禁物。

いきなりですが、私はLINEが嫌いで自発的にはほとんど使いません。その理由は元ライブドアだった会社が運営しているとか、その親会社が韓国のNAVERだからだとかいうようなことではなく、ある一社のクローズドなネットワークに通信を委ねることに非常に違和感を覚えるためです。それは信用できないというのとはちょっと違って、そもそもオープンなはずのインターネットの中に得体の知れない閉鎖空間を設けることに生理的な不快感があるためで、同じような印象は以前のAOLやMicrosoft Exchangeにもあります。

しかしそうは言っても日本では相当広く普及してしまっています。だからこそますます危険な感じがするのですが、日本で言うところのショートメールサービスであるtext (SMS/MMS)が今でもよく使われていて、誰にでも通じる手段になっているアメリカとは違って、日本の場合は決定的なものがありません。私も相手によってiOSのiMessage、Facebookのメッセージ、LINEを使い分けなければいけない状況になっていますが、その中でも最近一番通じる相手が多くなってきているのがLINEなので、避けては通れない道になってしまっています。

そんな状況で先日帰省した時に、母もとうとうLINEを使い始めようと思っているということなので母のiPhoneにセットアップしてきたのですが、その母から昨日急にLINEの無料通話がかかってきました。今までにない初めてのことなので一体何があったのかと私も焦ってしまい、母もなんだか切羽詰ったような感じで話し始めるので誰かが事故に遭ったとかそういうことなのかと心配してしまいました。

「(私の弟)からLINEでなんとかというカードを3万円分コンビニで買ってきてくれと言われた…」というところで私はピンときたのですが、なかなか要点を言ってくれないので焦れったいというのは仕事柄のせいでしょうか。結局聞いてみるとカードを買ってしまったわけではなくて、あとで弟がLINEを乗っ取られていたことがわかったのだけど、途中で返事が返ってこなくなったので心配になってLINEの無料通話を掛けてしまったのだけどそのせいで母も乗っ取られてしまわないだろうかと不安になったとのことでした。

とりあえずその心配はないだろうし、現に今使えているのだから大丈夫ではないかと答えたのですが、まったく困った輩がいるものです。3万円という小口にしておくことで仮に被害にあっても泣き寝入りとなるだけにして、本格的に捜査されるのを回避しようとしているのでしょうか。きっと暴力団などの資金源になっているのでしょうから、きっちりと取り締まってもらいたいものですが、銀行から足がつきそうな振り込め詐欺などと比べてリスクが低そうなところも癪に障ります。

ともあれ、まずは乗っ取られないことです。弟からは何も聞いていないので詳しいことはわかりませんが、おそらくメールか何かでパスワードの確認かプレゼントに当選したかと騙されてLINEのログイン画面を装ったウェブページにパスワードを入力してしまったのでしょう。PCであればまずはしっかりURLを確認することで被害は防ぐことができますが、スマートフォンではついうっかりということもありそうです。

私も先日Microsoftアカウントチームというところから「セキュリティの警告」として「お使いのMicrosoftアカウント xxxx@hotmail.com に他のユーザーがアクセスした可能性があります。」といういかにも怪しげなメールが来たのでまずは疑い、メールにあるリンクではなく直接Microsoftアカウントにアクセスしてみたところ、たしかにパスワードの再設定を促されたのでどうやら本物だった、ということがありました。しかし、同じようにMicrosoftを騙って「セキュリティ警告!! お使いになっているオフィスソフトの授権が終了されてしまう可能性があります!!」というメールも送りつけられてきていて、本物と同じように「今すぐ認証」というリンクもあるのですが、これは microsoft-securityprotection-support.com というニセのドメインなので絶対にクリックしてはいけません。whois で見るとロシアのネームサーバーに登録された中国のドメインのようです。

ということでネタにさせてもらいましたが、こういうことが身内にも起こってしまうようになるとは私もますます油断できません。

App.net 終了

始まりがあれば終わりがある。

私も何をきっかけに知ったのか忘れてしまいましたが、おそらく超マイナーなSNSサービスのApp.netが来る3月14日でサービスを終了すると発表されてしまいました。2014年5月の時点で資金難から開発を停止してメンテナンスモードに入ると発表されており、現状がいつまで維持されるのかというのがユーザーの間で心配されていたのですが、とうとうこれ以上は継続できないという所まで来てしまったようです。

このApp.netというのは何なのかというと、一言で言えばTwitterのクローンです。ほとんどTwitterと同じことができて、文字数制限が140文字ではなく256文字であるとか、ストレージサービスがあったりとか細かい違いもあるのですが、最大の特徴はサービスの利用が有償であり、広告からは一切収入を得ていないという点です。有償であることによって利用者がある程度ふるいにかけられていたためか、スパムや罵倒、デマなど質の低いツイートに煩わされるTwitterとは違って落ち着いた雰囲気で居心地の良さがありました。

当初はすべて有償だったのですが、ユーザー数が伸び悩んだためかフォローの数を制限した無償アカウントも後から追加され、これが失策だったのではないかと私は思っています。それまで月額$5、1年分一括なら$36という利用料を払っていた有償ユーザーの一部もフォローの数を減らして無償アカウントに移行するなどしてしまったので、これはユーザーの絶対数を増やしこそすれ、収益の改善には逆効果だったのではないでしょうか。確かに知ってもらわないことには利用者も増えませんし、既存のユーザーから紹介するにしても利用料がいるということでは紹介しづらいところはありました。

また、以前はTwitterの有名なクライアントアプリで私も利用しているTweetbotの開発元であるTapbotsが、App.net用にTweetbotとほとんど同じ機能とインタフェースを持つNetbot for app.netというアプリを提供していたり、他にもそれなりにクライアントアプリがあったのですが、それも徐々に減っていってしまって最近はごくごく限られたものだけが存在する状態でした。これもユーザーを遠ざける一因となったことは間違いないでしょうから、アプリ開発のサポートもこういったサービスを盛り上げるためには重要であるということでしょう。

ということで、親しんできたサービスがまた一つ消えてしまうというのはとても残念なことですが、本家Twitterも収益化がうまくいかないまま良い買い手も見つからない状態ですので、難しいものですね。日本ではスタンプで収益化に成功したLINEが圧倒的に優勢ですが、あれももっとオープンだったら良いのですが。好みの問題なのでしょうが、クライアントの使い勝手というのは重要ではないかと思います。しかし、オープンであることと収益性とは相反するものなのでしょうか。