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Sing

洋楽好きの大人も。

Sofia Coppola監督の映画「ロスト・イン・トランスレーション」を観てからか、Scarlett Johanssonが出演しているとどうも気になってしまうのですが、先週公開された「ゴースト・イン・ザ・シェル」は白人のScarlettが日本人の役を演じているのが差別的だということで批判されているようです。日本人にしてみればそんなことはまったくなんとも感じないところではないかと思いますが、そのせいで興行的に失敗に終わってしまうのはとても残念なことです。私は予告を見たときからとても観たかったのですが、なぜか地元の映画館では吹き替え版のみの上映というわけのわからないことをしてくれているのでレンタルで観ればいいやという気になってしまいました。

その代わりというわけではありませんが、昨日観てきたのはScarlettがヤマアラシの少女Ashの声で出演しているアニメ作品「SING」です。もちろん、Scarlettの声を聞かなければ意味がない…というのもありますが、この作品では数々の新旧ヒット曲が歌われ、私はそれを楽しみに観るので字幕版です。この作品については映画館も頑張っていて、レイトショーのアニメ映画字幕版なので大した人数が入らないのがわかりきっているのに大きなスクリーンに割り当てられていてどういうことかと思ってしまいましたが、そのスクリーンはいい音響設備が入っているのでした。わかってるじゃないですか。

どんなストーリーの映画かといえば、賞金1000ドルのはずが10万ドルと印刷されてしまったチラシのせいで大盛況となってしまった歌のコンテストと、その出演者が巻き起こす様々なトラブルのドタバタコメディとでも言えばいいでしょうか。まあ大人が観て感動するような話ではないので、見どころはやはりコンテスト出場者の歌ではないでしょうか。

日本語吹き替え版でもMISIA、スキマスイッチの大橋卓弥、河口恭吾といった本職の歌手が参加していますが、一方で長澤まさみや山寺宏一といった人たちも歌を披露しているようで、大丈夫なのかと余計な心配をしてしまいます。まあ私が観ることはないのでまさに余計なことなのですが。

また、レッサーパンダの少女5人組のThe Q-Teezがきゃりーぱみゅぱみゅの歌を歌う日本人グループで、セリフも変な日本語でしたが、こういうところは吹き替え版ではどう処理されているのか、ちょっと気になるところです。なお、The Q-Teezはキャストが公開されておらず不明なようです。

ということでいくつか良い歌があったのでサウンドトラックも欲しくなってしまいました。特にElton JohnのI’m Still StandingをゴリラのJohnnyが歌うシーンがとても良かったです。帰宅してからElton Johnの元歌も聴いてみたところ、これもやはり名曲なのですが、Taron Egertonが歌うJohnny版のホーンが入った豪華で今風のアレンジと比べるとちょっと物足りないというか、だいぶシンプルな感じでした。ちなみに、サントラにきゃりーの曲は入っていません。

Mamma Mia!

改めてABBAの凄さを知る

北欧のスウェーデンという国は人口が900万人ほどでしかないにも関わらず存在感のある国で、産業面では今は米ビッグ3傘下には入ってしまったもののVolvoやSAABという自動車ブランド、携帯電話で有名なEricsson、最近話題になったところではIKEAやH&Mなどがよく知られています。

また音楽の輸出国としても傑出していて、RoxetteやAce of Base、The Cardigans、最近ではRobynやChristian Falkといった私の好きなミュージシャンを何組も輩出しているところです。しかし、スウェーデン出身のミュージシャンといえば何と言ってもABBAを抜きには語れないでしょう。1970年代に世界を席巻した4人組を知らない人はそうそういないのではないでしょうか。今月の映画の日はそのABBAの楽曲を存分に楽しめる映画「マンマ・ミーア!」を観てきました。

Mamma Mia! [The Movie Soundtrack]
Alto Sax:Perra MoraeusDecca (2008/07/08)ISBN/ASIN:B0019FOC5E
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この作品は既存のヒット曲を並べて構成されたジュークボックス・ミュージカルと呼ばれる形の舞台ミュージカルを映画化したもので、舞台版同様劇中の楽曲は全てABBAの代表的なヒット曲ばかりです。全部で24曲が歌われているそうですが、そのほぼ全てが特にファンだというわけでもない私の知っている曲だったというのもすごいことです。たださすがにそんなヒット曲を並べて作られたものなのでストーリーに若干無理があるのも仕方のないことで、それを批判するというの野暮なものではないでしょうか。実に単純な筋書きですが、それを気にしているようではこの映画を楽しむことはできないでしょう。

それにしても驚かされるのが主演のMeryl Streepの歌唱力の素晴らしさです。豊かな声量と確かな音階、広い音域は本職の歌手顔負けで、舞台の経験で培われたものが活きているのでしょう。また、Meryl演じるDonnaの娘、準主役Sophie役のAmanda Seyfriedもそれに劣らぬなかなかの歌声で、特にエンドロールの最後で流れるAmandaのソロ、Thank You for the Musicはかなり聴かせてくれるものです。

しかし問題なのが男性陣では一番目立っていた先代James BondことPierce Brosnanです。ミュージカルの場合は演技力もさることながら歌唱力というのがかなり必要とされるのではないかと思うものですが、Pierceの歌は聴いていて思わず苦笑してしまうレベルです。これは本人も「受けなければ良かった」などと思っているのではないかと感じてしまうほどです。他の人はそれなりに歌えているだけに、彼だけが際だってしまって可哀想なくらいでした。

まあそれはともかく、この映画は欧米では大ヒットを記録していて、特にイギリスでは「タイタニック」の記録を塗り替えて歴代1位の動員だということのようですが、日本ではちょっと難しいのではないでしょうか。私が観に行ったのはレイトショーながら公開直後の週末の映画の日ということでそれなりに観客が入っていましたが、あくまで洋楽ということになってしまうABBAの人気具合とミュージカルへの親しみ度合いというのが違います。またそれよりも大きな問題として、「映画は静かに黙って見るもの」という日本人の鑑賞スタイルがあります。この映画は歌に合わせて手拍子を打ち、キャストと一緒に歌うくらいの方がより楽しめるのではないかと思うのです。私も思わず足でリズムを取ってしまっていましたが、やはりシーンと観ている周囲に気兼ねして動いたり音を立てたりしないよう気を使ってしまいます。かといってそんなことを気にしないで済むからと自宅のテレビで観るよりも、大スクリーンと大音量でこそ楽しめるという面もあり、なかなか難しいものです。

またこの作品の舞台となっているのはギリシアのとあるリゾートアイランド、ということで真っ青な美しい海と強い日差しに映える白い建物がとても綺麗で魅力的です。私もそんなところで青春の一幕を過ごせたらどんなに素晴らしかったろうなどと思ってしまったりもしましたが、熟年の頃に訪れてもそれはそれで楽しそうなのでまだチャンスはあるかもしれません。

ということで私はそれなりに楽しむことができたこの作品も日本では賛否両論のようなのですが、この作品を楽しめるかどうかはABBAへの親しみ度合いにもかかっているのかもしれません。ABBAは私が小学生のうちに活動停止してしまっているので、自分から聴いていたということはないものの、両親が聴いていたものが自然と染み込んでいたようです。また90年代にはA☆TeensというABBAをカバーしたグループがヒットしましたし、ABBAのベスト盤「GOLD」もヒットしたりしていましたので、それは私も聴いていました。

アバ・ゴールド
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映画を観て以来すっかりABBAがヘビーローテションとなっていますが、サントラにはThank You for the Musicが収録されていないのが残念でなりません。あのAmandaの歌声はかなり耳に残るものがあったので…まあABBAのオリジナルも名曲だと思うのですが。(2009-02-06訂正: しっかり最後にI Have A Dreamとセットになって入っていました。しっとりしていていい感じです。)

Katy Perry - One of the Boys

「黒船来航」ってベタすぎやしませんか?

最近プロモーションのために来日していたらしく、一般のマスメディアにも度々登場していたようなのでご存じの方も多いかと思いますが、アメリカの新人シンガー・ソングライターで24歳になったばかりのKaty Perryという人がいます。私はそのヴィジュアルのせいで最初はあまり音楽性に期待しなかったのですが、ちゃんと聴いてみると実は結構骨太で気に入ってしまったので、先月あたりからかなり頻繁に聞いています。

One of the Boys
アーティスト:Katy PerryVirgin (2008/05/29)ISBN/ASIN:B0017ZB8M6
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本名はKatheryn Hudsonというのだそうですが、Kate Hudsonと紛らわしいということで母親の旧姓からPerryという名前にしたようですが、おかげで日本ではペリー提督と絡められるようになってしまいました。

まあそれはそれとして、この人の曲はギターがギュンギュン鳴りながらもメロディはポップで、歌声も若干ハスキーながらも高音まできれいに出ていて、現代の女の子らしい歌詞にぴったりとも言えます。しっかりとした歌は子供の頃からゴスペルを聴き、教会で歌ってきた賜のようです。

このアルバムからは”Ur So Gay”、”I Kissed A Girl”、”Hot N Cold”の3曲がシングルカットされていて、特に2曲目の”I Kissed A Girl”はその歌詞の過激さから物議を醸したということですが、おかげで話題となり大ヒットとなったようです。しかし私がこのアルバムで一番好きなのは”Mannequin”という曲で、マネキンに恋をしてしまった女の子の歌というのがちょっとアレですが、実にきれいなメロディと歌声で何度も繰り返し聴いてしまいます。これまでのシングル曲は全てKatyと他の人の共作となっていますが、この”Mannequin”はKaty一人の作品ということですから、それが良いということは流行に流されずにこの先も長く聴けるということではないでしょうか。

ということでこれからが楽しみなアーティストがまた一人出てきたというのが嬉しいことです。でも日本の「新世代の小悪魔ロック・ディーヴァ」っていう売り文句はどうしたものかと思いますが…