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Passengers

誰が彼を責めることができようか。

今日4月1日は毎月1日の映画の日ですが、土曜日であり春休み中ということもあって各地の映画館は混み合っていることでしょう。しかし私はそんな絶好の映画日和の前日に映画「パッセンジャー」を一人で、レイトショーで観てきました。というのは、この映画は観るだろうと思っていたので少しでも安くということで前売り券をムビチケで買っていたからなのですが、地元のシネコンでは先週末の公開なのに今週から字幕版はレイトショーの1回のみの上映という酷い扱いになってしまっているのです。したがって、せっかく前売りで安く買ったつもりだったのに結局普通に当日購入した方が安かったという、残念なことになってしまいました。よほど人気がないのかもしれませんが、私自身は結構楽しむことができました。

Homestead IIという植民惑星への120年間の航海の間、乗員と乗客5000人は人工冬眠状態で過ごし、その間宇宙船Avalonは自動操縦で進みます。本来、乗客が冬眠から目覚めるのは到着の4週間前とされていますが、主人公のJim PrestonとAurora Laneの二人だけは残り90年というところで目覚めてしまい、その絶望的状況に向き合うことになります。5000人乗りの宇宙船というと、私達が乗ったLiberty of the Seasよりさらにちょっと大きいくらいになりますが、明け方に下のデッキに降りていくと誰もおらずひっそりしていたので、あの感じがずっと続くというのが近いのかもしれません。

設定上登場人物がかなり少ない作品になりますが、主役の二人を演じるのはChris PrattとJennifer Lawrenceです。Chrisはガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのStar Lordやジュラシック・ワールドのOwen Gradyなど人気作品の主役でおなじみですね。一方JenniferはX-MenシリーズのMystiqueや「ハンガー・ゲーム」シリーズのKatniss Everdeenなどでも大人気ですが、実はかなりの実力派でアカデミー主演女優賞も22歳にして獲得しており、この作品でも素晴らしい表現力で魅せてくれます。そして背が高くスラッとしており、とても美しい…これはこの作品では大事な点でしょう。

そして美しいといえば、この二人が乗るAvalonという名の宇宙船のデザインもとても美しいと思います。進行方向に向かって反時計回りにゆっくりと回転しながら進む様子はとても優雅です。その中で孤独に人生を終えようとしているということを際だたせるために、その美しさもやはり重要です。これが仮に無骨で使い古されたような船であったなら、だいぶ違った印象を与えることになるのは間違いありません。

また、私は音楽もとても良かったと思います。「ウォーリー」とよく似た音楽だなあと思いながら聞いていたのですが、案の定音楽は同じくThomas Newmanの担当でした。といっても、最近のJames Bond作品など数多くの作品を手がけているので似たような曲ばかりというわけではなく、たまたまそういう曲もあったというだけのことでしょう。作業などのBGMとして流しておくとじゃまにならず良さそうです。

ところで、邦題が「パッセンジャー」なのはまだ許せますが、公式サイトなどでその邦題の下に”PASSENGER”と単数形で書かれているのは看過できません。これが単数であるか複数であるかというのは英語において非常に大きな意味の違いがありますが、そういうところを軽々しく変えてしまうというのがとても不思議です。もしかしたら2008年の同じ原題の映画「パッセンジャーズ」と区別するために安易な手を取ったのかもしれませんが、それなら英語表記まで変えて区別する必要はありませんよね。

Jack Reacher: Never Go Back

やっぱりスターですね。

本当かどうかはよくわかりませんが、日本のマスコミには親日派として扱われているTom Cruiseが最近来日して、映画「ジャック・リーチャー NEVER GO BACK」のプロモーションのために笑顔を振りまき、テレビでも一流のファンサービスを見せています。今年54歳になるというのにあの若々しさはどういうことなのかと、自分の54歳はあんなではないだろうと思ってしまうわけですが、それはともかくその映画をまたしても公開初日に観に行ってきました。

映画としては2012年公開の「アウトロー」の続編に当たるジャック・リーチャーシリーズ2作目、Lee Childによる小説「ジャック・リーチャー」シリーズの18作目”Never Go Back“を原作とした作品です。このシリーズは格闘アクションだけでなく複雑な展開もありますが、謎解きにはそれほど重きが置かれているわけではなく、複雑な陰謀に主人公Jack Reacherとヒロインが巻き込まれていくというのが共通の特徴になっているような気がします。まあJackは自分から首を突っ込んでいっているわけですが。

ネバー・ゴー・バック(上) (講談社文庫)

¥ 994

(2016-11-12現在)

ネバー・ゴー・バック(下) (講談社文庫)

¥ 994

(2016-11-12現在)

今回のヒロインはアメリカ陸軍憲兵隊の少佐Susan TurnerでCobie Smuldersが演じていますが、軍人らしい健康美で下着姿もまったくいやらしく見えません。アベンジャーズシリーズでもMaria Hillの役で凛々しい姿を見せていますが、ああいうキリッとした役がとても似合っているのではないでしょうか。またもうひとり、Danika Yarosh演じるSamantha Daytonもヒロインといえるかもしれません。Danikaは現在18歳ということですが、アメリカ人にしては実年齢よりも少々若く、幼く見えるかもしれません。

それにしてもこういう映画を観ていていつも思うのは、どうしてこうポンポン人を殺してしまうのだろうかということです。いくらアメリカでもそこまで殺人が多いというわけではないと思うのですが、私が知らないところにこういう世界があるのでしょうか。あくまでフィクションとはいえもう少し人命を大切にしてほしいと思ってしまいます。

それはともかく、今作の一つの特徴は、警察ではなく憲兵が捜査の主体であるということでしょう。日本の自衛隊にも警務官という憲兵に相当する職があるようですが、アメリカ軍の組織はとても複雑でなかなか日本人には馴染みのない組織なのでわかりにくいところもありますが、それが新鮮とも言えるのではないでしょうか。基本的には基地の外では民間人に対する警察権を持たないようですが、一定の条件を満たす退役軍人は対象になったりする、というようなくだりもちょっと面白いところです。

Inferno

月曜の朝でも結構観客がいて意外。

宗教象徴学を専門とするハーバード大教授Robert Langdonを主人公とするシリーズの映画化作品、「ダ・ヴィンチ・コード」、「天使と悪魔」に続く三作目「インフェルノ」が先週末公開されました。最初の「ダ・ヴィンチ・コード」は今からちょうど10年前の2006年、それに続く「天使と悪魔」は2009年の作品でしたが、そこからしばらく間が空いてしまったのでもうシリーズは終わってしまったのかと思っていました。しかし、原作の方では三作目「ロスト・シンボル」が2009年には出版されていて、今回映画化された「インフェルノ」はその後2013年に出版されています。どうやら「ロスト・シンボル」の映画化も企画されていたようなのですが製作が難航し、その間に「インフェルノ」が先行してしまったということのようです。「ロスト・シンボル」はフリーメイソンを題材にしているようなので圧力がかかったのではないかと陰謀論好きは思うかもしれませんが、もともと原作では「天使と悪魔」が最初で二作目が「ダ・ヴィンチ・コード」なので、再び逆転したとしても大した問題ではありません。

ということで、海外出張から昨日日曜日に帰ってきたところなので代休をもらった今日、さっそく観に行ってきました。毎回高い教養を要求する謎解きで楽しませてくれる本シリーズですが、今作での主題となっているのは「ダンテ」です。といってもダンテといえば「神曲」というところまでが私の知っていることで、それ以上の知識は全くと言っていいほどありませんが、この作品を楽しむ上では問題ありませんでした。もちろん、ダンテとその作品などに関する専門的な知識があれば、さらに違う面白さも見出すことができるのではないでしょうか。

今回も主役のLangdon教授を演じるのはもちろんTom Hanksです。つい先日「ハドソン川の奇跡」のSullenberger機長役で観たところですが、やはりこちらは彼にとっての決まり役の一つかもしれません。また、今回の謎解きの相棒となるのはFelicity Jones演じるDr. Sienna Brooksです。私は時折見せる影のある表情というのが好きなようなのですが、Felicityも時々そんな顔を見せることがあってたまりません。また、映画には出てきませんが原作ではIQ=208という設定なので、 Siennaを演じるには聡明さを感じさせなければなりませんが、その点でも問題なかったのではないでしょうか。ちなみに、Siennaというのは珍しいファーストネームだなあと思いましたが、Sienna Millerという女優もいましたね。

さすがにTom Hanksも今年還暦ということでいい年なので、かどうかはわかりませんが、今作ではアクションの要素は減っていて、代わりにミステリー要素が強くなっているような印象です。なぜだかわからないけれどLangdonが病院で点滴を受けている、という冒頭からしてこれまでの穏当な始まり方とは違います。謎解きそのものはそれほど凝ったものではありませんでしたが、かと言って私にも予測できるような単純なものではなく、とても楽しむことができました。

ちなみに、実は原作を先に購入していて、映画を観る前に読んでおこうと思っていたのですが、そもそも読み始めるのが間に合いませんでした。しかしどちらが先でもそれぞれ楽しめると思うので、これからゆっくり読んでいきたいと思います。

インフェルノ(角川文庫 上中下合本版)

(2016-10-31現在)