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ぷらっとこだま

転んでもただでは起きない?

実は先週、私の叔父が急逝したとのことで葬儀に参列するため、週末は東京に行っていました。もちろん遊びに行ったわけではありませんし、楽しいことでもなかったのですが、折角の機会ということでできるだけ楽しんでしまおうというのは少々不謹慎でしょうか。

私の住んでいる姫路から東京に行く場合、普通は新幹線のぞみを利用するでしょう。姫路駅にも東京行きののぞみが1時間に1本は停車するようになり、一度乗ってしまえば3時間で到着してしまうので大変便利なのですが、片道15000ほどかかってしまうのと、「面白くない」というのが問題で私は個人で行くときにはほとんど利用しません。

その他の選択肢としては神戸空港から羽田行きの飛行機、特にスカイマーク便を利用するという手があります。チケットは12000円前後で購入でき、飛行時間も1時間ほどなのですが、神戸空港までの電車賃と待ち時間を考慮するとのぞみとほとんど変わりません。でも、新幹線より飛行機の方が旅行している感があって私は好きなのでたまに利用しています。他には高速バスという手段がありますが、日程が厳しいときには夜行バスは良いですが疲れてしまいますし、昼行バスはとても安くて良いのですが8時間もかかってしまいます。

今回は何か別のルートはないかと探していると、同僚S君が「ぷらっとこだま」というのを教えてくれました。これはJR東海の関連会社JR東海ツアーズが提供しているツアー商品になりますが、こだまの指定席に飲み物1本がついて新大阪・東京間が10500円、さらに1500円出すとグリーン車に乗れるというものです。「これは面白い。ネタになる。」ということでいそいそと申し込もうとしたのですが、チケット配送が必要なためかインターネット予約は5日前までということでできず、仕方ないので代理店であるJTBの窓口へ行って購入してきました。もちろん往復ともグリーン車です。

これはツアー商品であり切符ではないので他の列車への振替などはできず、乗り遅れたりした場合には無効になってしまうということで少々緊張しますが、JR東海の企画ということで新大阪出発なので新大阪までは在来線の新快速を利用しました。新幹線に比べると30分ほど余計に時間がかかりますが、新幹線特急料金はばかにならないので、特に急いでいるわけでもない私には新快速で十分です。新大阪では駅弁にぎわいというところで全国100種類以上の駅弁が購入できるというので、ここで稚内駅の三宝めしという弁当を購入したのですが、写真で見て予想していた以上に小さくてびっくりしたものの満足度はなかなかでした。

この弁当を手に恐らく人生初のグリーン車に乗り込んでみたのですが、行きの列車はN700A系車両だったのでとても快適で、100V電源もあって助かりました。あまりの静かさについウトウトしてしまうほどでしたが、帰りは違いました。700系の初期の車両だったらしく電源はなく、中年男女8人ほどのグループが私の後ろの席で昼間からビールを開けて騒々しく、せっかくのグリーン車が台無しにされてしまいました。こういう本当の「マナー」を理解できない年配が増えているのは本当に困ったものです。

ということで、新幹線自体はこれまでに何度となく利用してきているので特に珍しいものでもなかったのですが、割安に利用でき、こだまがのぞみより1時間ほどよけいにかかるといってもバスよりは遥かに速く、たびたび停車するだけで走っている間は高速なので特に苛立ちを感じることもありませんでした。まあ、もともと急いでいる人が利用するようなものではないので、まったくこれで問題ないと思います。

ちなみにJR西日本の区間でも日本旅行がバリ得こだま・ひかり号という似たようなものを提供していますが、こちらはその名前の通りひかりでも利用できるようです。これだと姫路から博多までわずか6700円で行けてしまうとのことで、大変お得ですね。座席指定はできないとのことですが、グリーン車には500円で乗れるなど、ぷらっとこだまとはいろいろ違いがあるのも面白いですが、またぜひ利用してみたいと思います。

QLine

きれいなうちに乗ってみたい。

アメリカでは公共交通機関で満足に移動できるのはニューヨーク、シカゴ、サンフランシスコといった数えるほどの大都市だけで、その他の地域では日本に住んでいる人には想像できないほどの車社会になっています。しかし、実は第二次世界大戦の頃まではそこまでではなく、鉄道網がそれなりに整備されていて、各都市には路面電車などが走っていたのですが、長距離の移動は飛行機に、近距離は自家用車に置き換えられてしまったのでした。

アメリカのモータリゼーションの中心地であるデトロイトもその例外ではなく、1863年から1956年までの100年弱の間、市内を路面電車が走っていたとのことです。結局それはバスによって置き換えられることになってしまったのですが、終焉から50年後に復活が検討され始め、それからさらに11年後の今年、つい先週末にQLineという愛称で再び走り始めることとなったのでした。

工事は私が駐在している2013年末頃から始まっていたので、帰国までに完成して乗ることができないだろうかと思っていたもののそれは叶わなかったのですが、Twitterの公式アカウントなどで状況を逐次確認しながら楽しみに待っていて、ようやく晴れの日を迎えたということでめでたく思っているところです。最初の週は無料で乗車できるということだったので市内も賑わったのではないかと思いますが、復活しつつあるデトロイトの街にまた明るい話題となってくれているようです。

路線はミシガン州の州道1号線の一部でもあるWoodward Avenue上のほぼ真っすぐの路線であまり面白みのあるものではありませんが、利用者が多くなれば路線の延長や追加も検討されるのではないでしょうか。悪名高いデトロイトの中でも比較的治安の良い地区を走っているのはもちろんですが、ダウンタウン中心部からの5kmほどの沿線にはDetroit Tigersの本拠地Comerica Park、来シーズンからDetroit Red WingsとDetroit Pistonsの本拠地となるLittle Caesars Arenaがあり、Detroit LionsのFord Fieldもすぐ近くで、さらにデトロイト美術館の前も通るようになっています。Amtrakの駅にも接しているので、鉄道の利便性も上がるでしょう。

料金は3時間以内$1.50、一日$3.00ということなので、気軽に利用できるのではないでしょうか。私が住んでいたアナーバーのバス料金も1回$1.50でしたが、乗り換えは1回のみ、一日券は$4.50だったのでそれよりは安価です。なお、チケットは電停の端末の他にiOSかAndroidのアプリやウェブでも購入できるということで、こういうところがアメリカの先進的で柔軟なところだと思います。

車両はアメリカのBrookvilleという会社のLiberty Modern Streetcarsというものが6編成購入されたようです。リチウムイオン電池を搭載していて、架線のない区間も走行できるようになっている先進的なシステムにより、路線の60%の区間は架線が設置されていないとのことです。アメリカ人によるアメリカのための路面電車として売っているようですが、各地で見直されてきているのでそれなりの市場規模があるのでしょうか。

ということで、私はまだ写真や動画でしか見ていないので、早くこの目で見て、できれば乗ってみたいと思っているのですが、出張の間にデトロイトのダウンタウンへ行くというのは難しいかもしれません。

Amtrak – Silver Meteor

時間と気持ちに余裕のある人向け。

アメリカではどこへ行くにも自動車で、ちょっと遠くへとなると途端に距離が長くなってしまうので飛行機を使うのが一般的になってしまい、長距離移動手段としての鉄道は一般的ではありません。鉄道が引かれていないわけではなく、あちらこちらに踏切があったりはするのですが、見かける列車は長大編成の貨物ばかりで、運悪く踏切に引っかかると長時間足止めをくらい散々な思いをしたりします。といっても、私が引っかかったのもこの1年弱で2回だけで、しかもそのうち1回はわずか数両の編成だったのですぐに開放されたのですが。

それはさておき、今回年末の長期連休でフロリダに来ているのですが、あまりオーランドに長いこといてもテーマパークの連続で疲れたり飽きたりしてしまってはもったいないですし、第一お金がかかってしかたがないので途中でもっとのんびり出来るところへと移動しようと考えました。ただ、そこで飛行機やレンタカーで移動するだけでは面白く無いなあと思案していたところ、かねてから乗ってみたいと思っていたAmtrakの路線がちょうどよい具合にあることが分かり、早速予約してみたのでした。予約はAmtrakのウェブサイトで簡単に行うことができて、送られてくるPDFファイルを印刷しておけばそれで乗車することができます。

荷物を預ける場合は発車時刻の45分前までにチェックインしろということなので、ホテルからオーランドの駅へタクシーで移動し、13:10の発車に対し12時前に到着しました。しかし、チェックインといっても何か手続きが必要というわけではなく拍子抜けしてしまいましたが、とりあえずスーツケースを預け、駅前のタイ料理店Thai Stopで昼食をとって待つことにしました。ちなみにここは店内も清潔感があり、料理もなかなかで、もう二度と来ることはないだろうというのが残念でした。

列車の到着時刻が近づいてくるとプラットフォームに列ができはじめたので私達も並びました。列車は10分ほど遅れて到着しましたが、これは全く想定の範囲内です。決まった改札口というものはないのですが、ロープで導入された先に車掌が立ち、iPhoneにバーコードリーダを付けたような機器でチケットのQRコードを読み取り、どこから列車に乗り込むかが指示されました。Amtrakの長距離路線は座席指定制なのですが、まさに乗車するその時まで自分の座席が何号車の何番なのかは分からず、というか決まっておらず、乗り込む直前に車掌が空いている席に割り当てていくような形になっています。しかもそれをマス目の入った紙に記入していくというアナログなものです。改札の車掌に指示された先に、その席を割り当てる役目の車掌がいるのです。座席指定はシステムの対応が必要なので投資対効果の問題があるのかもしれませんが、改札なんて予め駅員が対応していればすぐに乗り込めるのに、のんびりしたものです。

さて、乗降口は数箇所しか開けないので乗り降りにはかなりの時間がかかっていましたが、なんとかほぼ予定通りの停車時間15分で発車できたようです。私達が今回乗ったのはSilver Meteorという列車で、ニューヨークからフロリダ州マイアミまでの路線のごく一部です。全線では28時間かかるので寝台車も連結されていますが、私たちは5時間ほどの乗車なのでCoach Classという一般の座席です。機材がちょっと老朽化しており、お世辞にもきれいとはいえない車内ですが、座席は横4列で新幹線普通車よりもかなりゆったりしていますし、前後の間隔も広く、フットレスト、レッグレストも完備、AC電源もありました。短中距離路線では3列のBusiness Classもあるのですが、Coach Classでも十分快適です。

席に付くと再び降車駅を聞かれ、その駅の略称を手書きした札を頭上の棚の前に差し込んでいくので、これは何のためなのだろうと思っていたのですが、途中の駅に近づいたところでようやくその意味が分かりました。Amtrakの列車は1日に数本しか走っていないので、寝ていて乗り過ごしたりすると大変なことになるので、各乗客の降車駅が近づくと車掌が教えに来てくれるのです。札はそのための目印というわけでした。親切なサービスですが、新幹線ほど混み合っていたらとてもやってられないでしょうね。

路線はほとんど単線なので、途中で上下線の行き違いのための待機がありましたが、日本の鉄道のように時間に正確に運行されていれば待ち時間もわずかで済むのでしょうが、Amtrakではせっかくそこまでそれなりのスピードを出して走っていたのに、15分ほども停車していました。そんなことがあっても私達の目的地フォート・ローダーデールにはほぼ予定の時刻に到着してしまったのが不思議、と思いきや、実は発車予定時刻に到着しただけで、積荷を下ろすのに時間がかかって結局発車は15分以上遅れてしまっていたのでした。預入手荷物が一度に台車に載らなかったので、荷物を客に配って台車を空にしてからまた列車から降ろしてくる、という何とも悠長なことをやっているのだから驚きます。最初から台車に荷物を載せた状態で列車に積んでおいて、駅では台車ごと積み替えるようにしたらすぐに終わるのに、なんて考えてしまうのですが、それでは駅員の仕事をなくしてしまうのでダメなのでしょうか。

そんなこんなで何につけてものんびりしているので、暇のある人にしかお勧めできない感じです。しかし、のんびりした旅をしたいという人にはうってつけと言えるのかもしれません。私自身は結構気に入ってしまったので、今度はシカゴからシアトルまでのEmpire Builderなんていう列車に乗ってみたいなあなんて考えています。これは2泊3日の46時間もの路線になるので当然寝台を取る必要がありますが、やはり数が限られているので夏休みのためには今から予約しておかないといけないようです。そんなに先の予定はなかなか立たないのですが…