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飛騨高山

もっとゆっくりいるべきでした。

養老天命反転地、モネの池のあとはそのまま国道を北上して、夕食を摂るために高山市内へと向かいました。途中、通りがかった大滝鍾乳洞が「東海地方最大級」と謳っていたのでちょっと気になって立ち寄ってみましたが、細い山道を登っていくと谷あいが急に賑やかになっていて、たくさんの観光客が訪れていて驚きました。確かに鍾乳洞は立派なもので見応えがありましたが、一方通行になっていてすれ違いに気を使わなくてよいのはいいものの、一番奥の大滝を見たあとの帰り道にはほとんど見るものがないトンネルを戻らなければいけないというのがもったいない気がしました。また、夏の暑い時期の鍾乳洞は、中はひんやりしてとても気持ちいいのですが、その後の暑さが逆に堪えますね。

高山ではTripAdvisorの「外国人に人気の日本のレストラン 2014」で2位に輝いたことのあるCenter4 Hamburgersで飛騨牛を使ったハンバーガーを食べようと思っていたのですが、なんとまさかの臨時休業ということに途中で気づき、まあとりあえず行ってみてから考えよう、と車を駐車場に入れて、まずは高山古い町並みからぶらぶら歩いてみました。

この地区では文字通り古い町並みが保存されているようで、なかなか風情があります。送電線も地中化されているようで、空がすっきりしているのがとても良いです。両側には造り酒屋、味噌屋、雑貨屋、カフェなどが並んでいて、軒先で売られているまんじゅうや飛騨牛の寿司などが食欲もそそります。明らかに観光客向けに整備されている景観ではありますが、私たちが訪れたのが夕方であったこともあり、落ち着いていて素敵な雰囲気でした。ここでは非常に多くの白人観光客の姿を見ましたが、確かに欧米人の目にもとても魅力的に映るのではないかと思います。

私たちはこの古い町並みを抜けて、宮川の対岸の商店街沿いに戻り、梗絲という店を見つけたのでここに入りました。贅沢にも「特上飛騨牛づくし」という飛騨牛の握りや巻き寿司と、「奥飛騨大マスの極マス寿司」というマス寿司とを注文し、二人で半分ずつ分け合って食べてみました。もちろん飛騨牛の寿司もとろける美味しさではあったのですが、期待以上に美味しかったのが非常に肉厚で臭みの全くないマス寿司です。さらに、添えられていた飛騨産の山椒をちょっと付けて食べるとこれがまた非常に良く合い驚きました。どんなマス寿司でも合うのかどうかわかりませんが、今度マス寿司を食べる機会があればまた山椒を試してみたいと思います。

食後にも駐車場に戻る前にぶらぶらしてみましたが、商店は6時ごろにはほとんど閉まってしまうようで、だんだんひっそりしてきてしまいました。しかしそれがかえってさらにいい雰囲気になったかもしれません。赤い欄干が印象的な中橋では道路の真ん中まで出て写真を撮る観光客がクラクションを鳴らされたりしていましたが、確かに記念写真を撮るには良いところかと思います。

ということで、高山では観光らしい観光もせずに立ち去ってしまうことになりましたが、この日の宿泊は乗鞍高原のペンションを予約していたので、北アルプス飛騨山脈を越えて長野県側に渡らなければならないので先を急ぐことにしました。高山にはまだまだ見どころや行くべきお店があるはずなので、きっとまた訪れたいと思います。

モネの池

それなりに悪くないと思います。

養老天命反転地の次の目的地は、岐阜県関市にあるモネの池と呼ばれる、特に名の無い貯水池です。

印象派の画家Claude Monetの有名な作品「睡蓮」を髣髴とさせるような美しい写真が撮れるということでInstagramなどSNSを中心に話題となり、観光バスツアーなども立ち寄るようになってしまったというものです。興味のない人は「どうしてそんな何ということもない池が?」というようなものなのですが、確かになんということのない池ではあるかもしれないけれど、澄んだ水に浮かぶ蓮の葉と鮮やかな錦鯉の姿は綺麗です。まあ「睡蓮」に鯉は描かれていないと思いますが、彩りのためにはいた方が綺麗です。

岐阜市内からは国道256号線で35kmほど北上したところになります。国道に沿って進めばいいだけなので道順は簡単ですし、最後の方は山間部ではあるものの道幅は十分にあるので苦労することも全く無いでしょう。山村を走っていると突然多くの車が停まり、たくさんの人で賑わっているところが見えるので、そこがこの「モネの池」になります。付近には無料の駐車場も用意されています。私は「凄く混んでいて渋滞している」と事前に知らされていたのですが、この日がお盆期間中ではあるものの平日だったためかそれほどの大混雑というわけでもなく、最初は地域の行事か何かかと思ってむしろ気づかずに通り過ぎてしまいそうになったくらいあっけなく到着しました。ピークには国道が渋滞したりするのでしょうか。

ただ、池に最も近い無料駐車場は入り口が詰まっていたので、400mほど北側の別の無料駐車場まで進んで停めることにしましたが、こちらはまだ余裕がある感じでした。ちょっと離れたところに車を停めてぶらぶら歩いていくのも、水田の青々とした稲も清々しく、散歩気分で悪くないものです。池に近づくと人だかりができているので、看板などはなくてもすぐにどこにあるのかがわかりました。しかし、池の周りにびっしり人がいるかというとそれほどでもなく、写真を撮るスペースは問題ありませんでした。

しかしお互い様ではあるのですが、池の対岸にも見物客が並んでしまっているので、人が映り込むのを避けようとするとアングルはだいぶ制限されてしまいます。さらに、人の姿が水面にも反射してしまうので、それも避けようと思うとなおさらです。ただ、そうでなくても水面の反射で水中を綺麗に撮影するのは難しいので、この時ほど偏光フィルターがあればと思ったことはありませんでした。

また、残念ながら場所によっては蓮が枯れてしまっているので、綺麗に撮影できるところはある程度限られてしまっていますが、場所を選べばなるほどモネだ、というような写真を撮ることもできるような気がしました。写真を油絵のように加工するフィルター処理を施せば完璧かもしれません。

ということで、猫も杓子もというのはどうかと思いますし、確かにわざわざこれだけを目指していくようなところではないかもしれませんが、旅行の途中で立ち寄ってみるには悪くないのではないかなと思います。周辺には店舗の類は何もなく、池の側にちょっとした露店が出ているだけでしたが、商業的な空気がないのもいいのかもしれません。

養老天命反転地

廃墟感があります。

我が家は二人の受験生を抱えているということで、今年の夏休みは帰省しないことになりました。しかし、次男が「旅行したいな」とこぼしたので渡りに船とばかりに計画を立て、次男と私の二人だけで1泊2日のドライブ旅行に行ってくることにしました。

最初の目的地は養老天命反転地です。実はここには7年前に帰省の途中に立ち寄ったものの、残念ながら休業日で中に入れず、仕方なく隣の養老公園でコンビニで買った弁当を食べたという苦い思い出があり、今回はその雪辱であるとも言えます。この施設は養老公園の中に作られた有料の公園施設ですが、これ自体が奈義町現代美術館にある『太陽 ≪遍在の場・奈義の龍安寺・建築する身体≫』の製作者である荒川修作+マドリン・ギンズの作品となっています。作品の中に入り、体験することにより鑑賞するというものです。

内部はとても不思議な作りになっています。入り口を入って最初にある建物は「養老天命反転地記念館/養老天命反転地オフィス」という建物ですが、内部は仕切りが迷路のように立っていて、さらに床も平坦ではなく、真っ直ぐ進むことはできません。オフィスというのは名ばかりのようですが、ここにはトイレがあります。このトイレも普通ではないのだろうと思い入ってみましたが、やはり奇妙な形の個室や、天井に卓球台があるところなどまさに期待通りでした。ただし、トイレ自体は狭いだけで普通に使えました。

その先にあるのは「極限で似るものの家」という岐阜県の形をした天井や、地面に岐阜県内の地図が書かれた建物です。ここも壁が迷路のようになっていますが、その壁にめり込むようにキッチンシンクや冷蔵庫、ソファ、トイレなどが配置されていて、不可解な世界になっています。

さらに先へ進むと、「楕円形のフィールド」という名の通り楕円形に囲まれたフィールドに出ます。全体的に窪地状になっていますが、地面には常に起伏があり、平坦だったりなだらかだったりする部分はありません。この歩きにくいところをバランス感覚を駆使しながら見て回ることで、作品と一体になることを目論んでいるようです。この内部にもいくつかの作品が配置されており、「宿命の家」では数十cm程度の高さの壁が迷路状に配置されていて、所々で地下に埋まる家具類をガラス越しに覗くことができるようになっていたりします。

この施設は1995年の開園ということで、すでに20年以上が経過しているため、残念ながら随所に老朽化の跡が見られます。ミュージアムショップで売られていた冊子の開演当時の写真を見てみると明らかにきれいなので、その当時に見ることができていたらと残念でなりません。しかし、この日私たちはオープン直後に入園したので最初はガラガラでしたが、時間が経つにつれ徐々に家族連れなどで賑やかになってきていましたので、今でもそれなりの人出はあるようです。

ということで、朝早かったので気温はそれほど高くなかったのですが、風邪がまったくなかったので歩き回っているうちにジットリと汗をかいてしまったので、行きの道中に看板を見かけたみつばちの郷に寄って「はちみつソフトクリーム」を食べて涼んでから、先へ進むことにしました。このソフトクリームはそれ自体に蜂蜜が練り込まれているということで、そのままでも蜂蜜の甘い香りがしてとても美味しかったのですが、さらに蜂蜜かけ放題ということで10種類以上の蜂蜜が置かれていました。それぞれ異なる味がありながらどれもコクがあって、いろいろ違いを楽しむことができて良かったです。