The Virgin Suicides映画「マリー・アントワネット」の公開を一週間後に控え、主演するKirsten Dunstの応援週間に入っている…というわけでもないのですが、昨日の「キルスティン・ダンストの大統領に気をつけろ!」に続いて今度は「ヴァージン・スーサイズ」を観てみました。この作品は今度の「マリー・アントワネット」でメガフォンを取っているSofia Coppolaの初監督作品でもあるので、「マリー・アントワネット」を観る前にはぜひ押さえておくべきではないかと思ったわけです。

ヴァージン・スーサイズ
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ティーンエイジの美人5人姉妹の末っ子の自殺から始まる物語は、この事件から立ち直ったかに見えて微妙に歯車の狂った家族の様子を描いたもので、悲しい結末に至る少女らのはかなさが淡々と映し出されているようでした。「ガーリー・カルチャーを見事に表現した作品」などと評されていることが多いようですが、それはそれほどでもなく、カルチャーよりも思春期の少女らの半分大人・半分子供という複雑な内面の方が上手く描かれているのではないかと感じました。

5人姉妹のうち、Kirstenは4女のLuxを演じているのですが、このLuxが飛び抜けて美しく、また作品の中でも最も重要な役柄となっています。何しろこの4女のせいで事態は最悪の方向に転がってしまうわけですから…というわけで、この映画の主役といえばLuxことKirstenということになるのでしょう。この作品でのKirstenは汚れ役でもあるのでファンとしては複雑な思いではいたものの、ドキッとするほど綺麗なところを見せてくれたのでまあ満足といったところでした。

監督のSofia Coppolaは言うまでもなく巨匠Francis Ford Coppolaの娘なのですが、映像的にも脚本的にも全体的に淡いトーンでまとめられているところは彼女のアイデンティティなのでしょうか。この作品のプロデュースには父親も絡んでいるようなのですが、親の七光りだけではない独特の感性と才能も持っているのであれば、その七光りも大いに利用して素晴らしい作品を世に送り出してもらうのも悪くはないと思います。私は未見なのですが「ロスト・イン・トランスレーション」ではアカデミー賞も受賞しているということで、世間にも認められているということですよね。

それにしても、「大統領に気をつけろ!」と公開は1年しか違わず、作品の設定も同じ国の同じ年代の同じ年頃の少女だというのに、このギャップはいったい何なのかという感じです。あちらはコメディ作品でこちらは青春ドラマなので違って当たり前とはいえ、これほどはっきりと演じ分けられるというのもさすがというところでしょうか。まあ、あちらは少々寒かったので、どちらかといえばこういう作品の方が得意なのかもしれませんが。