Star Wars新三部作のObi-Wan KenobiことEwan McGregor主演のThe Islandを観ました。
数十年後の未来の社会、人間の寿命を延ばすために臓器や皮膚などのスペアパーツを培養するためにクローン人間が育てられています。本来知能や感情を抑えられているはずのクローン人間のうち一人が、「異常を来して」自我に目覚め、管理する側の人間との交流を経て外の世界へ逃げ出し、他のクローン達も救出しようとする、というSFアクション作品です。ちょっとどこかで見たような、あまり捻りのない非常に素直なハリウッド大作ではないかと思います。
Blade Runnerに似たような設定の部分もありますが、世界はあれほど荒廃してはいません。電車が巨大な浮上式だったりする割には自動車が未だにガソリンエンジンだったりして中途半端に未来的なところがちょっと気になりますが、あまり真面目に見てはいけないのかもしれません。案外実際の未来もそんなものなのかもしれませんが。
この作品にはクローンについて考えさせられる結構深いテーマが実は底辺にはあるのではないかと思うのですが、無意味に派手なアクションシーンがあって全体的に単純な娯楽大作になってしまっていて、ちょっと残念な感じがします。興行を考えると仕方のないことなのかとは思うものの、作り手としてはもうちょっと訴えたいものがあったのではないかという気がしてしまいます。
今後もし数十年後に実際にクローン技術が実用化されて臓器の培養などが行われるようになったとして、その時に自分はそれを利用する気になることができるでしょうか。感情は持っていないと説明されたとして、それを信じることができるでしょうか。それを考えるとどうもモヤモヤしてきてしまいます。
ちなみに、クローンの履く靴にはPumaのマークが入っているのはまあ許せますが、作中に登場するホログラフィックなゲームがXBOXだったり街中の情報端末がMSNだったりとMicrosoftとのタイアップはちょっと鼻に付いてしまいました。まあそれは私の偏見もあるのかとは思いますが…
