Marie Antoinette2月1日の昨日は月に一度の映画の日だったのですが、テレビで映画「マリー・アントワネット」のCMを見ていた妻が珍しく「ちょっと観てみたい」ということだったので、子供が学校や幼稚園に行っている間に一緒に行こう、と会社を休んで二人で観に行ってきました。妻自身久しぶりの映画館だったのですが、毎月いつも深夜に一人で観ている私も誰かと一緒に映画を観るというのが久しぶりで、やはり一人で孤独に観るよりもいいものでした。妻と二人でというのはもう何年ぶりかになりますが…

いつものシネコンに行ってみると平日の昼間、しかも朝一番の上映だというのになかなかの賑わいでしたが、やはりこの映画は「ベルばら」世代の中年女性には見逃せない1本ということなのでしょうか。さすがに男性の観客は私を含め数名のみでした。

さて作品の方は言うまでもなくオーストリアのハプスブルク家から政略結婚によりフランス国王ルイ16世の妃となったマリー・アントワネットの短くも華々しい生涯を描いたものです。最近、この映画を観るために「バージン・スーサイズ」、「ロスト・イン・トランスレーション」と監督Sofia Coppolaの作品を観てきた私は、「このような淡々とした作風のこの監督がマリー・アントワネットのような女性をどう描くのだろうか」という辺りに興味を持って観てきたわけですが、やはりその作風は健在で実に淡々と出来事を綴った作品になっています。あまりに単調で盛り上がりに欠けるので終わった後の感動もあまりなく、多くの人は拍子抜けしてしまうのではないでしょうか。

しかしこの作品は歴史物だと思ってはいけないのです。これはSofia CoppolaがKirsten Dunstを主役に撮ったガーリー・ムービーであり、その下敷きとしてマリー・アントワネットを設定に使っただけのことなのです。ポップな音楽を使い、カラフルな衣装や菓子などで女の子の世界をオシャレに飾った現代の映画なのです。後ろの方に座ったベルばらファンとおぼしき女性どうしが上映後に蘊蓄を語り合っていましたが、そういうことはきっとどうでもいいのです。

私自身は可愛いKirstenを大スクリーンで観ることができたので大満足です。さすがに現在24歳のKirstenが14歳の娘を演じるのは少々無理があるのではないかと最初は思いましたが、それは10代という設定の方を忘れてしまえばいいのでどうということはありませんでした。Kirstenがマリー・アントワネットを演じるということについては「アメリカ女がフランス王妃を演じるなんて」という批判の声もあったようですが、Kirstenはもともとドイツ系であり、マリー・アントワネットもハプスブルク家というドイツ貴族の出身なので全く問題ありません。

まあしかし、この映画をきっかけにフランス革命やその前後の歴史をひもといてみたり、映画の公開に先立ってテレビの各種「教養番組」で取り上げられていたマリー・アントワネットにまつわる話などを観ていると、歴史というのはなかなか面白いものなのですよね。私は年号の丸暗記を強要される中学校の歴史の授業が受け入れられず、それ以来社会科の特に世界史・日本史が大嫌いになってしまっていたわけですが、今になって気の赴くままに調べてみると複雑に絡み合った出来事の繋がりが非常に興味深いものに見えてきます。今の社会科の授業がどういうものになっているのかわかりませんが、私が受けたあの授業は結局成績を付けるためのものでしかなかったということになり、全く生徒の役には立っていないのではないでしょうか。と、そんなことを考えてしまいましたが、これからでも歴史を学んで楽しむというのも遅くはないかもしれません。