ジェットコースター好きこそものの上手なれ?

最近は東京ディズニーリゾートユニバーサル・スタジオ・ジャパンをはじめとするテーマパークにすっかり押されがちな全国津々浦々の遊園地ですが、そこにある様々な遊具の中でもその花形といえばやはりそれはジェットコースターでしょう。私もかなりジェットコースターの類には目がない方なのですが、家族で遊園地に行ったとしても付き合ってくれる人もおらず、志摩スペイン村のピレネーもUSJのハリウッド・ドリーム・ザ・ライドもやむなく一人で乗ることになり、非常に寂しい思いをしています。

またジェットコースターといえば、今年5月にはエキスポランド大変痛ましい事故が起こってしまいました。安全だと思っていたジェットコースターを無条件に信じることが難しくなってしまったわけですが、この事故をきっかけに各遊園地で再点検が行われ、現在はより一層の安全性が確保されているものと私は信じたいものです。あの事故以来、安全装置の作動によるライドの停止などにもマスコミが過敏に反応するようになって不安を煽るような報道になってしまっているのが気になりますが、安全装置が働いているのならそれでいいのではないでしょうか。

それはさておき、図書館で「ジェットコースターにもほどがある」というタイトルの本を見付けて読んでみたところ、大変面白かったのでご紹介します。

ジェットコースターにもほどがある
著:宮田 珠己
小学館 (2002/02)
ISBN/ASIN:4093664129

この本はエッセイスト宮田珠己氏が本場アメリカの遊園地のものを中心に世界の109ものマシンに乗り、これらのマシンと乗った際のエピソード等をおもしろおかしく紹介しているものです。アメリカに3度訪れた際の話が大きな割合を占めていて、あとは国内外のいくつかのマシンについての紹介と、国内の様々なジェットコースターについての辛口批評という構成になっています。

実際にジェットコースターに乗るためだけにアメリカに何度も行ってしまうという時点で普通ではないのですが、訪米中にほぼ毎日、いくつもの遊園地をハシゴしてしまうというのは筋金入りのマニアと言えるでしょう。そんな人は日本に一体何人いるのやらという感じですが、実際著者も同行してくれる人がなかなかおらずに困っていたようです。

この作品が面白いのはこうした素材的な部分ももちろんなのですが、それだけではなく全体的におちゃらけた文体とふざけた比喩、ところどころに挟まれている脱力イラストによる説明図にもあります。このイラストも宮田氏本人が描いているもののようですが、普通なら実際の写真で説明するであろうところもおふざけ気味のイラストになっているところで一気に気が抜けてしまいます(良い意味で)。最初はジェットコースターが好きで読み始めた私なのですが、すっかり文章とイラストに引き込まれてしまいあっという間に読み切ってしまいました。この様子だと他のテーマで書かれている他の著書も面白そうなので、ちょっと探して読んでみようかと思っています。

まあそれにしてもこの本を読んでいるうちに私もアメリカの遊園地に行ってジェットコースターを堪能したくなってしまいました。日本でも富士急ハイランドなどはかなり充実しているようですが、アメリカには日本人の常識を越えたものがあちこちにあるようで非常に面白そうです。とはいってもそれに付き合ってくれるような人が私にもいるはずがなく…これは永遠に夢のままとなってしまうのでしょうか?