リニアA/Fセンサ得てしてこういう時に限って壊れるもの。

小中学校の夏休みはおよそ半分が終わり、溜まっている宿題がそろそろ気になってきている頃かもしれませんが、各種製造業にお勤めの皆さんを始め、今週末からお盆の連休に入ったという人も多いのではないでしょうか。私も昨日から夏期休暇が始まったところですが、長男が学習塾の夏期講習に通っているため、今のところあまり夏休みという実感がありません。この連休中の唯一の予定は東京への帰省があるのみです。

しかしその帰省のための長距離ドライブを目前に控えた昨日、市内を運転していてふとメーターパネルに目をやるとエンジンチェックランプが点灯しているではありませんか。運転している感覚では特に異変は感じられませんでしたので、さほど大きな不具合ではなさそうでしたが、これから600km以上運転しようという時だったのでその途中で走れなくなったりしては一大事ですので、まずはどの程度の故障なのかディーラーで確認してもらうことにしました。

もしも直ちに修理が必要な重大な故障であれば帰省を取りやめるか他の交通手段に切り替えるかということもやむを得ませんが、帰ってきてから直せば十分というようなものであればそうしたいと思い、その旨を伝えました。検査の結果は「リニアA/Fセンサの故障」とのことで、排気ガスや燃費、走行性能には影響があるものの安全性に関わるものではありません。

リニアA/Fセンサ(LAFS)というのは、エンジンのシリンダー内に送り込む混合気の、空気とガソリンの比率「空燃比」を測定するセンサです。排気ガスを浄化する三元触媒という装置は、この空燃比が理論空燃比という、ちょうどガソリンが完全燃焼する割合である重量比で14.7でないと機能しません。このため、LAFSにより正常に空燃比が計測できない状態では排気ガスの浄化性能が悪化し、またフェイルセーフ状態での走行となるためエンジン本来の燃費や出力を発揮することができないのです。したがって、危険な状態というわけではなくとも、速やかな部品交換が望ましいと思われます。

問題は修理にかかる時間ですが、在庫はあるため翌日の午後には部品を取り寄せることが可能で、30分もあれば交換は完了するとのことです。少々高価なセンサなのでその部品代が2万円ほどかかるのが気になりましたが、そのままでは車検を通らない可能性が高く、どうせいずれ交換しなければならないものなら今交換しておけば再び壊れることはないだろうと思い、修理をお願いし、今日その作業が完了しました。

2万円も払って何も体感することができないというのが寂しいものですが、こればかりはハズレくじを引いたとでも思って諦めるしかないでしょう。自動車部品は基本的に10年10万kmを設計寿命としているはずですが、製造上のバラツキなどで弱いものはどうしてもできてしまうので、2万点以上もの部品で構成されると言われる自動車ではこういうケースは避けられません。逆に言えば、10年または10万kmを超えるとあらゆる部品が設計上の寿命を迎えるわけで、いつ何が故障してもおかしくない状態になるのですから、いくら愛着があるからと言ってもいつまでも同じ車に乗り続けるというのは高く付くことになり、買い替えどきというものがあるということになります。

まあしかし、以前乗っていたVW Golf VR6という車はやはり無理やり詰め込んだエンジンが泣き所で、しょっちゅう修理に出してしばらく帰ってこなかったという印象ばかりが残っていますが、毎日何事も無く乗れるという日本車の凄さを、今回壊れてみて改めて実感してしまいました。しかもその故障も待っている間に30分もかからずに直ってしまうのですから、これに慣れていたら輸入車好きなんて全く理解できず、マゾとしか思えないでしょうね。私としては日本車はラクチンでいいと思う反面、何か物足りないようにも感じてしまうのですが…