ワイルドで行こうこのツアータイトルは一体…

12月に入って何かと忙しい週末を過ごしているのは私だけではないかと思いますが、その12月最初の週末の昨日、私は神戸国際会館で行われるクレイジーケンバンドのライブにいつものメンバーで出掛けてきました。2005年以来、なんだかんだで毎年通い続けて7回目となった今回のライブですが、今年は新しいアルバムが発売されなかったのでアルバムツアーという形ではなく、いったいどんな曲目が演奏されるのか楽しみ半分不安半分といった感じで、またアルバムを聴きこんで気分を盛り上げるということもなかったため何となく中途半端な態度で臨んでしまったのも否めません。

冒頭の数曲は今年発売されたシングルの楽曲で、私自身あまり馴染みがないためか1曲目から最高潮というようにはならず、また来年2月に発売されるニューアルバムに収録する予定という新曲の時は会場全体が何とも言えない雰囲気になってしまいました。その直後のMCでは剣さんが「いきなり皆さんの知らない歌を歌ってしまいすみません。」というようなことを言っていましたが、その曲がアルバムに入るということを聞いて会場の興奮も一気に盛り上がったような感じでした。

その後はこれまでのレパートリーの中から様々な曲が演じられたのですが、今回はどういうわけかこれまでのライブではあまり聴いたことのない、ちょっと変わった選曲になっていたように思います。何しろ膨大な数の曲目を持っているので、これまでに一度もライブでは演ったことのない曲というのもたくさんあるはずで、そういった中からアルバムでしか聴いたことのなかった曲のアレンジ違いというのを聴けて新鮮でした。

また、今回も恒例となりつつあるリクエストコーナーがあって、3曲歌っていたかと思うのですが、どの曲もうまい具合にこなしすぎているので本当に聴衆のリクエストに応えてなのか、最初から何をやるかは決まっているのではないかと疑わしく思えてきます。まあ、この中でもちょっと珍しい曲「SOUL通信」があったりして楽しめたのでいいのですが。

アンコールもいつも通り2回なのですが、その2回目はまたいつもと趣向が違って、現在レコーディング中のアルバムの未完成の音源を何曲か、一部と言いながら大部分を聴かせてくれました。まだ最終的に仕上がったものではないので音の欠けているところを剣さんが生で補いながらだったり、いろいろな解説付きで聞けたのでこれもまた楽しいものでした。

ということでいつものようにほぼ3時間というサービス精神旺盛なライブ、終わってみれば十分堪能することが出来ました。ビッグバンドならではの音の厚みはライブでこそ生きるものですし、今回はコーラスの菅原愛子の声がよく聴こえていたような気がして、それもまた嬉しいことでした。

ちなみに会場前で開場を待っている時、一緒に行ったTさんが「おっ、のっさんや!」というので振り返ってみると「ハマのギター侍」小野瀬雅生が歩いてくるではないですか。ライブ前に食事でもしてきたのだろうと思いますが、そんなふうに普通に歩いて会場入りするのかとちょっと驚きましたが、Tさんによればその後ろにはスモーキー・テツニもいたらしく、この人たちのオーラのなさにも驚くばかりでした。しかしさすがに剣さんにはそんなことはできないでしょうね。