Yamaha PDX-11やっぱり日本では売れませんか?

無くて困ることはないけれど、あった方が暮らしが豊かになるような気がする、というのが音楽というものだと私は捉えていますが、宿泊出張の時なども移動中はともかく、ホテルでは音楽がないとどうも物足りなく感じたりするものです。そういう時はiPhoneのスピーカーに何か輪っかのようなものを被せて即席のホーンを作ってみたりしてしのいでいたりします。しかし今回、海外赴任のためにオーディオ機器は船便に載せてしまい、それが届くまでその貧乏臭いもので耐えるというのはちょっと堪えられません。

実は以前から手軽に音楽が聴けるiPhoneのドック付きスピーカーが欲しいと思っていたのですが、Engadgetで「ヤマハから8角デザインのポータブル iPod ドックスピーカー PDX-11」を見たときに「これだ!!」と思ったものの日本では売られないということで残念に思っていたのでした。しかしその時にはすでにアメリカ赴任が決まっていましたので、ちょっと待てば買える、あとはいつ買うかだけだと意気込んでいたりしたのですが、赴任するやいなや、まだ住むところも決まらないうちから「荷物は職場に届くようにすれば大丈夫」ということを聞いて注文してしまいました。

ということで届いたのが米国ヤマハPDX-11という製品です。八角形のボディとパンチングメタルのスピーカーカバーがヘビーデューティなイメージを演出しているデザイン先行の製品ですが、非常に個性的で私はひと目で気に入ってしまったのでした。しかし、単に見た目がそれっぽいだけでなく、上部にはしっかりとした金属製のハンドルがついていて持ち運びは楽ですし、単三電池6本で8時間駆動ということなので野外での使用にも不満はないでしょう。自宅の庭でバーベキュー、というような状況にはぴったりですから、そういったアメリカンライフスタイルを想定した企画なのではないでしょうか。ただ、iPodなどをドックに挿した状態ではハンドルを握る手と干渉するので、再生しながら持ち運ぶということは考えられていないようです。

iPodやiPhoneの音楽を再生するのは至って簡単で、本体上部のドック端子にiPodなどを装着し、本体の電源を入れてiPodの再生操作をするだけです。ただ、ドックに挿した状態での操作はちょっと気を使いますので、一旦再生を始めたら付属のカードリモコンを使用して基本的な操作はできるようになっています。リモコンの感度は良好で、赤外線リモコンですが特にどちらを向けなければならないということもなく反応しています。また、ドック以外にも本体後部の外部入力端子を使用することも可能で、iPod以外の製品を接続して使うことも出来ますが、もちろんこの場合はリモコンで操作できるのは電源と音量だけになりますので、あくまで「使える」というレベルですね。

音質の方はどうかというと、4インチ径のウーファーと1-3/8インチ径のツイーターのモノラル仕様なので特にいい音がなるというわけではありませんが、ある程度大きな音で鳴らしても割れてしまうようなことはないようです。いっそのこと8インチ径くらいのフルレンジユニットだったら良かったのにと思わないでもありませんが、それであまり価格が上がってしまったりしては仕方ありませんから、バランスを考えた上でこういう設定にしたのでしょう。しかし仮に$400くらいになってもいいから12インチフルレンジとコアキシャルツイーターで出してくれたら間違いなく飛びつくんですが…いえ、もういいです。

ちなみにこの製品の外箱には日本語の表記も入っているので、日本での発売も全く視野にないというわけではないのかもしれません。しかしそれはもしも話題が広まったりすればということなのでしょうから、Engadgetで紹介された時の反響はそれほどでもなかったようなのでその目は消えてしまったかもしれません。でも、もしもこのブログをご覧になった皆さんが声を上げればひょっとして…