Dyson DC44長持ちしてくれるといいんですが。

ミシガンにやってきた当初は買わなければならないものがいくつもあって、あまりゆっくり選んでいられなかったのですが、掃除機もその一つでした。結局私は大型スーパーで適当に選んでHoover Windtunnel T Series Rewind Plusというのを購入したのですが、これが妻に大変不評でした。というのは、日本の掃除機に比べて大型で重く、取り回しが大変だというのです。確かに、私も階段の掃除には難儀しましたし、普通の床を掃除するにしてもホースだけを往復させればいいのとは違い、慣性の大きな本体を動かさなければならないので疲れるというのも理解できます。しかし、それは私が選んだHooverが悪かったというわけではないのです。どういうわけかアメリカには日本で一般的なホースの先にノズルが付いたようなキャニスター型の掃除機がほとんどなく、たいていが本体の下にそのままノズルが付いたアップライト型なのです。したがって、たとえ高価なDyson製品を購入したとしても、こちらで主流なのはアップライト型なのでそれを選んでいたら同じ事だったのです。

しかし最近妻がご近所のお宅で見せてもらったのが非常にコンパクトで良かったと言い、欲しいというので同じ物を買うことにしました。それがDysonのDC44 Animalというものですが、定価$399のところ、AmazonのMarketplaceで$379で購入しました。Dyson製品はどこも値下げが渋いのでこれで精一杯でした。

このDC44というのは本体に直接パイプが付くスティック型なのですが、本体は非常にコンパクトで、その一番の特徴はバッテリー駆動のコードレスであるということです。同様のタイプでは従来からDC34/DC35という製品もあったのですが、DC44では$70ほど価格が上がっている代わりに駆動時間が最大15分から20分へと長くなりました。わずか5分長くなっただけですが、掃除に掛ける時間として15分では微妙ですが、20分あれば多くの場合事足りるのではないでしょうか。あとは何箇所かのパーツの色が変わったのと、”Animal”と名前にあるようにペットの抜け毛を掃除するためのアタッチメントが付属しているということが違うだけのようです。したがって、ペットを飼っておらず、15分動けば十分という事ならDC35を購入してもいいでしょう。

以前Dysonを買わなかった大きな理由は、日本に帰国したあと電圧の違いにより能力が大きく落ちてしまうということでしたが、これは充電式なので一切問題ありません。充電用のACアダプターもしっかり100-240V対応品なので、世界中どこに転勤になったとしてもそのまま使うことができ安心です。それでいてDysonらしいおしゃれなデザインと、Dyson独自のサイクロンテクノロジーもそのまま備えていますから、まさしく理想の掃除機といえるかもしれません。ただもう少し安ければ…というのはありますが。

さて、実際に使ってみるとこの軽さはかなり驚異的です。重心が手元にあるということもあって、キャニスタータイプのホースとほとんど変わらない感覚で操ることができます。それでいて吸引力はキャニスター型やアップライト型にも遜色ないようで、十分な能力があります。妻は最初試しに階段を掃除していましたが、それだけで埃でいっぱいになってしまっていました。しかし、コンパクトタイプということでどうしようもないことではあるのですが、クリーナーヘッドの幅が狭いため床を掃除するときは何度も往復させなければならないというのが一つの問題です。とはいえ、軽いのでそれも大して苦ではないかもしれません。

コンパクトかつコードレスということで、車の中を掃除するにも最適です。安物のコードレス掃除機とは大違いの吸引力で、車内の砂利などもどんどん吸い込んでくれてあっという間にきれいになりました。実はBoost Modeというものもあって、ボタンを押すと駆動時間が8分に短くなる代わりに吸引力が上がるというものなのですが、このモードはいったいどういう時に使用するものなのかがよくわかりません。通常モードでも十分な吸引力があると思うのですが、それほど特別に吸引力が必要な事態があるのでしょうか。

ということで、まだ20分の限界は経験していないので、バッテリーの容量はこれで十分ということなのでしょう。ただ、ちょっと不満なのはスイッチがトリガー式になっていて、このトリガーを引き続けていないと止まってしまうのでぎゅっと握り続けることになり、手が痛くなってきてしまうということです。これは散水ノズルにあるような簡単なロック機構を付けてもらうと楽になるのではないかと思うですが、いかがなものでしょうか。それ以外は問題らしい問題もなく満足しています。