Pebbleソフトウェアだけでここまで出来るとは思いませんでした。

先日正式発表され、いよいよ来週予約が始まるApple Watch、一番安いモデルでも4万円以上なんて高すぎる、毎日充電しなければならない時計なんてありえない、そもそもスマートウォッチなんて必要ない、いまどき腕時計なんて使わない、などなど否定的な意見が目立ちますが、買うつもりの人は黙って買うのでそれはそういうものなのでしょう。あまり特徴的なデザインでないこともメディアがもてはやさない一因なのでしょうが、毎日身に付けるものであればシンプルで飽きの来ないものであることが大切です。

新しいもの好き、ガジェット好きで、iPhoneやMacを日ごろ愛用している私はもちろん買う…などということはなくて、私は今使っているPebbleに大いに満足していますのでApple Watchには食指が動きません。やはり性能的にそう長く使えるものでもないのに高いと感じますし、バッテリーの持ちも気になりますが、それ以上に懸念するのが炎天下での液晶画面の視認性です。Pebbleは電子ペーパーなので明るい光のもとの方がくっきりと見えますが、iPhoneを見ても分かるように液晶ではそうは行かないはずです。

Pebbleを手に入れるまではしばらく腕時計を使わない生活でしたが、各種通知を逃さずに済む便利さを知ってからは欠かすことができません。非常に満たされているので、次世代機はモノクロのまま解像度だけ上げて、処理性能とメモリーを増やして日本語表示に対応して欲しい、というのが願いでした。そう、これまでのPebbleの最大の問題は日本語が表示できないことでした。

結局先日再びKickstarterでのファンディングで史上最高額の2000万ドルで成功した次世代機のPebble Timeは64色表示対応のカラー電子ペーパーとなりましたが、私が最も注目したのは中国語対応ということでした。中国語に対応できるなら日本語ができない理由はありませんから、始めはダメでも後から対応してもらえることは間違いありません。ということで私もPebble Timeに出資して待つことにしたのですが、なんとその前に有志が現行Pebbleでの日本語表示を可能にしてしまったのでした。

まず最初に出てきたのがPebble日本語(ひらがな, カタカナ)ファームウェアというプロジェクトで、これはファームウェアそのものをカスタマイズして日本語フォントを追加したものです。ただし、メモリ容量の制約があるので、表示できる文字の種類は1200文字程度に限られており、しかもフォントのサイズは1つのみというかなり限定的なものでした。しかしそれでも日本語の通知メッセージを読むことができるというのはかなり画期的で、これを機にPebble購入に踏み切ったという人もいるようです。

そしてその後、つい先月公開されるやいなや日本語ファームウェアを完全に置き換えてしまったのがPebble日本語言語パックです。これはファームウェアそのものに手を加えるのではなく、Pebbleに用意された言語パックという機能を使用して日本語表示とUIの日本語化にも対応してしまったものです。こちらも文字種には制約がありますが、Twitter頻出漢字3000文字を収録しているということでさらに実用的になっていますし、全サイズに対応しているというのも素晴らしいです。公開しているのは韓国人のCryingneko氏なのですが、自国語に加えて日本語まで、嬉しいことです。寄付を募っていますので、ありがたいと思ったら少額でも贈るべきでしょうね。

この言語パックをインストールするとUIも日本語化されるのですが、私はUIは英語のままの方が良いのにと思っていたところ、これはPebbleの設定-表示-言語で”Unknown”になっているのを”English”に変更するだけで対応できました。また、この言語パックは今のところかなり頻繁に更新されていますが、アップデートのためにiPhoneでダウンロードしてインストールしようとすると失敗してしまうことがあります。この場合は一旦iPhone側のPebbleアプリの設定で言語を英語などに変更してからインストールするとうまくいくようです。

なお、Twitter頻出漢字というのが適当なのかどうかはやや疑問がないでもありません。常用漢字人名用漢字を合わせると2998文字ということなので、用途を考えると人名に使われる漢字は完全にサポートすべきようにも思えます。一方、Twitterのツイートを表示したいという需要もあるのでしょうから、難しいところですね。欲を言えばきりがないということでしょうか。