The General Grant Tree大きすぎてわからなくなってきます。

ヨセミテ国立公園の次に向かったのはキングズキャニオン国立公園というところです。あまり名前は知られていないと思いますが、ヨセミテの南側、ロッキー山脈の西側にある国立公園で、セコイア国立公園と隣接しており、現在は合わせて1つの国立公園として管理されているようです。

キングズキャニオン国立公園では沈静化しつつあるものの現在進行形で山火事が発生しており、その大部分は立入禁止となっていました。しかし、今回見に行きたかったグラント将軍の木のある地区だけは公開されていたのでほぼ問題ありません。このグラント将軍の木というのは世界最大の木の称号を争った2本のジャイアントセコイアの巨木のうちの一つで、地面からの高さ81.5m、幹の周囲32.8mというものです。数字が大きすぎて全くイメージが湧きませんが、駐車場で車を停めてそばにあった木と車を見比べてみた時、現実離れしたスケール感に思わず薄ら笑いを浮かべてしまいました。

ここはジャイアントセコイアを中心とした森なので、そこらじゅうに巨木が立っています。そんな中で最大というのはどういうものなのかと思っていましたが、確かに大きいけれども圧倒的というほどではありません。周りの木もそれだけ大きい物ばかりということなのですが、まあこんなものか、ということで次へ進むことにしました。

次というのは隣のセコイア国立公園です。この日の宿はセコイア国立公園の中にあるWuksachi Lodgeというところにしたのですが、こちらはヨセミテのTenaya Lodgeよりもちょっと古いためか施設は簡素で、宿泊棟が管理棟とは離れていて非常に静かなところでした。一方、レストランは味もサービスも良く、空調が良くないのとWi-Fiも携帯電話の電波も非常に弱く不安定だったことに目をつぶれば、すなわち現代的な生活を少々諦めればいいところだったと思います。

このWuksachi Lodgeには昼過ぎくらいに到着したのでチェックインには早く、レストランで昼食だけ食べてまたすぐに出発しました。このセコイア国立公園ももちろん名前のとおりセコイアの立ち並ぶ森となっているのですが、こちらには世界最大の木であるシャーマン将軍の木があります。また、もう一つ見ておきたかったのがTunnel Logで、横倒しになって道路を塞いだ巨大な丸太を車が通れる大きさに繰り抜いてトンネルにしたというものです。ちなみに、多くの人がどこかで写真を見たことがある、立っている巨木を繰り抜いてトンネルにしてしまったのはこれとは別で、ヨセミテにあったWawona Treeという木だったのですが、1969年に雪の重みに耐え切れず倒れてしまい現存しないとのことです。

Tunnel Logを見るためにはGiant Forest Museumというところに車を停めてシャトルバスに乗る必要があるのですが、そのバスが最初に停まったところで降りてみたところ、そこはMoro Rockという巨大な岩の足元で、岩の上まで階段通路が作られているということなので登ってみることにしました。この岩の高さは75mなのでちょっとしたもののはずですが、そもそも標高2000mの場所なので若干空気が薄く、日頃の運動不足のせいもあって結構な負荷でした。しかし、頂上は眺めのいい展望台になっていて登った甲斐がありました。

Tunnel LogはそのMoro Rockからまた5分ほどシャトルバスに乗ったところにありますが、思っていたよりも大きなものではないように感じてしまいました。しかし実際には日本にはこのような太さの木はなかなかありませんし、あまりに立派なセコイアばかり見てきたので麻痺してしまっただけなのだと思います。そうこうしているうちに時間も経ってしまったのでこの日はロッジに戻り、シャーマン将軍の木は翌日としました。

シャーマン将軍の木は専用の駐車場に車を停めて、そこから歩いて降りていったところに立っています。この木は高さ83.8m、幹の周囲31.1mということで、グラント将軍の木よりも若干高く若干細いということになりますが、体積で比較するとこの木が世界で一番大きいということだそうです。樹齢はおよそ2200年ということですが、古代ローマの時代からここに立っているということになり、その時の周囲の状況がどんなだったのか色々想像が膨らみます。

ということで、シャーマン将軍の木は朝一番に立ち寄って、この日はすぐにサンフランシスコへ向かって走ったのでした。 (続く)