幻のPebble Time 2あくまで主語はPebbleです。

今週、私は非常に悲しいニュースに触れて打ちひしがれています。私が初代Pebble、第2世代のPebble Timeを購入して愛用してきて、もうすぐ第3世代のPebble Time 2を発売するはずでそれを待ちわびていたPebbleが開発メンバーと知的財産権をfitbitに売却し、スマートウォッチの製造を打ち切るというのです。Pebble Time 2と同時に発表されたPebble 2は一足先に量産が始まっており、すでにユーザーの手元に渡っていますが、当初11月に発売予定だったTime 2は生産に移ることなくプロジェクトを終了し、入金済みの人には返金するとのことです。

PebbleといえばクラウドファンディングサイトKickstarterの最高の成功事例として知られたものですが、Pebble 2 / Pebble Time 2で1200万ドル以上集めても行き詰まってしまうということは、会社が大きくなりすぎたということではないでしょうか。単発のプロジェクトには有効でも、継続的に運営する企業活動にクラウドファンディングは向かないということなのかもしれません。考えてみれば、商品開発に先行して現金を集めることはできても割安に提供しなければならないとなればそれだけ利益は目減りしてしまいますし、一時的に大きな金額が集まってもその後継続的な収益がなければ経営は成り立たないでしょう。

製品としてのPebbleやPebble Timeは非常に素晴らしいもので、携帯電話を持つようになってから腕時計をしなくなっていた私もしっかり毎日腕にはめるようになりました。何が良いのかというと、一番役立つのは電話やメールの着信とその他の通知をバイブレーションで知らせてくれて、その一部を画面で見ることができるということです。これによって電話に出そびれたり、長い間メッセージに気付かないといったことがなくなりました。もちろん時計の文字盤を色々変えられるとか、アプリが使えるといったことも楽しいのですが、それよりもこの通知機能が一番役立つのです。

この先も既存のPebbleがこれまで通り使えるように努力してくれるとは言っていますが、それもいつまで続くのかは怪しいものです。もうファームウェアのアップデートはしないとも言っていますし、文字盤やアプリのストアもいつまで運営してもらえるのかわかりません。ここでユーザコミュニティから立ち上がる人がいて、非公式にサポートを続けてくれるという可能性もないではなく、他力本願ながら私はそこにも期待しています。

一つ明るいニュースは、個人でCloudPebbleを立ち上げてその後Pebble開発チームに合流した、コミュニティの一番の功労者であるKatharine Berry氏はfitbitには移らず、Intelで新しいデバイスの開発に携わると表明していることです。これはいつかIntelからなにか面白いものが出てくるという可能性を示唆するものですので、私はその何かわからないものを楽しみに待つことにしたいと思います。そして少なくともそれまでの間、私の左腕には常にPebble Timeがあり続けることでしょう。