IIJmioかなりマニアックでした。

我が家では一昨年の帰国以来、通信環境が携帯電話にIIJmioみおふぉん、インターネット接続にはIIJmioひかりというIIJmio独占体制となっているのですが、平日の昼休み時間帯のデータ通信と夜9時以降のインターネット接続の混雑が激しく速度が著しく低下する以外、特に不満を感じていません。

まあ、「以外」とは言ったもののかなり致命的な問題ではあるのですが、これはどの会社を選んでも同じような状況で誰でも感じていることでしょうし、夜の通信速度が遅いとは言ってもアメリカにいた頃のCATVのピーク速度よりもまだ速いので、単に上を見れば切りがないということかと思います。また、我が家の場合はマンションのVDSLがボトルネックとなっている可能性もあり、その場合はどこかが戸別に光回線を引いてくれるようになるまではどうしようもないでしょう。

ところで、IIJでは3ヶ月に一度、東京都大阪の2か所でIIJmio meetingなるイベントを開催しています。曰く、

IIJmioの開発・運用・サポートを行っている中の人と、スマホやMVNOに興味がある皆さんとでざっくばらんにお話しするフリートークや、スマートフォン・モバイル通信に関する技術・法律の話題を紹介するトークセッションを開催しています。

とのことで、どのような話になるのか今ひとつわからなかったものの、ちょっと興味を感じたのでIIJmio meeting 15 大阪会場に申し込んでみました。それが2週間ほど前のことだったのですが、その後参加が受け付けられたのかどうか確認のメールなどもなかったためすっかり忘れてしまっていて、前日の金曜日になって「このメッセージを受け取られた方は、会場でご参加頂くことが可能です。」というメールが届いて慌ててしまいました。幸い特に予定を入れていなかったため急遽参加することにしましたが、しっかりカレンダーなどに登録しておくべきだったと反省しています。

それはともかく、会場は大阪梅田グランフロント大阪内のナレッジキャピタルというところです。私の自宅最寄り駅である姫路駅から大阪駅までは90kmほどの距離があるのですが、JR神戸線新快速に乗るとちょうど1時間ほどで着いてしまうので、首都圏での距離感とはだいぶ異なると思います。とはいえ、運賃は距離の分だけ必要なので経済的な障壁はそれなりにあります。
IIJmio SIMカード型クリップ
大阪駅到着後に腹ごしらえを済ませてから会場へと向かい、受付を済ませて中へ入ると、ひっそりしたフロアの中でその一室だけが熱気に満ちていました。今回で15回目となるイベントながら私は初参加なので少々状況が掴めずにいましたが、席について開会を待ちました。席には1枚ものの簡単な資料とアンケート用紙、協賛のHUAWEIのパンフレットと一緒に、SIMカードの形を忠実に再現した特製オリジナルクリップが配布されていました。そのちょっとした裏話がありましたが、ちょうど良いツカミになっていたように思います。

プログラムはIIJの堂前氏の司会進行で進められましたが、まず初心者セッションとして「みおふぉん教室『SIMロックを解除してau, SoftBankのスマホを使うとどうなるのか?』」という堂前氏の話から始まりました。SIMフリーとして売られているスマートフォンではなく、三大キャリアから購入したもののSIMロック解除の仕方、解除後にどのタイプのIIJmioのSIMカードが使えるのか、といったようなことを笑いを交えてわかりやすく、時にマニアックな情報も付け加えながら話していただけて、とても興味を持って聞くことができました。

休憩を挟んでその次は競合するライバルのmineoから上田氏、杉野氏のお二人と、IIJの佐々木氏と堂前氏による「mineo × IIJmio スペシャルトーク」と題したトークセッションでしたが、ITmedia mobile編集長の田中氏のモデレーションにより様々なトピックに対するそれぞれの考え方を聞くことができて、これもなかなか面白い内容だったと思います。mineoを運営するk-opti.com関西電力参加の企業であり大阪を拠点としているためか、このセッションは大阪会場のみとなっていて、代わりに東京会場では総務省の方からの講演があるようです。

最後は佐々木氏による「IIJの目指すフルMVNOサービス」という内容の「中級者〜上級者向け」というセッションでしたが、これは難しいというよりもとても堅い話で、私もちょっと関心を持つことができませんでした。ただ、「フルMVNO」というのが何のことを指しているのか、それによってIIJは何を得てどうサービスが変わっていくのか、ということは理解できたので一応内容は伝わっているのではないでしょうか。

その後、HUAWEI nova liteを賭けてのジャンケン大会と、質疑応答の時間がありましたが、会場から次々と質問が出てくるのは凄いと思いました。ただ、どういう関心を持ってそういう質問をしているのか、それを知ってどうするのかというような質問もあって、私にはそれがちょっと理解できないところがありました。結局、この人達はそういう方面のマニアなのだろうと解釈して納得しましたが、本当のところはどうなのでしょう。

ということで一通りの内容が終わり、この後懇親会もあるということでしたが私は苦手なのでさっさと退散しました。今回とにかく感心したのは堂前氏のいわゆるマシンガントークで、とにかくとめどなく言葉が溢れてくる流暢な喋りに自社の製品・サービスに対する愛と熱意を感じました。氏は技術広報担当課長とのことですが、エンジニアがそういう職についているというのはあまりないことではないでしょうか。それとも技術を売りにする会社にはあたり前のことなのでしょうか。

なお、今回の資料は一週間後の東京会場が終わったところでIIJmio meeting ARCHIVEの方で公開されるそうですし、また東京会場の様子はインターネット中継も行われるということなので、関心のある方は覗いてみてはいかがでしょうか。