明石海峡大橋これも「日本は凄かった」の一つ。

2017年のゴールデンウィーク前半、特に西日本は天候に恵まれ真夏日となることもあるほどの陽気ですが、皆さんは有意義な休暇をお過ごしでしょうか。私の勤務先は工場の生産ラインの都合上、4月29日の昭和の日が土曜日なのでその前日も休みになって、5月7日までの10連休となっているのですが、残念ながら29日から体調を崩して3日も寝込んでしまい、折り返し点を過ぎた今日になってようやく体調がほぼ戻ったというような状況です。せっかくの休みがもったいないとも言えますが、逆に仕事を気にせず休むことができて良かったと思っています。しかし実は1日2日には一人で1泊ドライブ旅行に行く予定でいたので、それを泣く泣くキャンセルすることになってしまったのだけは、特にその2日間が絶好のドライブ日和だっただけに悔しくて仕方ありません。

というようなことを言っていても仕方がないのでそれは近いうちに取り返すこととして、その寝込んでしまう前日、実はすでに不調の兆しはあったものの行ってきたのがブリッジワールドというものです。本州四国連絡高速道路株式会社(JB本四高速)が行っている、明石海峡大橋を学ぶツアーで、もう何年も前から続いているのでそう珍しいものでもないのですが、最後は主塔の最上部まで登れるというので人気があるようで、私はたまたま1名分だけ空きができているのを見つけて申し込んでみました。私が長男と二人で2010年に参加した瀬戸大橋スカイツアーの明石海峡大橋版と言えるのですが、瀬戸大橋の方は人数や回数がかなり限定されていて倍率五倍以上の抽選で、その代わりに参加費は無料だったと思いますが、今回は3000円が必要です。
明石海峡大橋 - 作業用通路
他にも違いはいろいろあって、明石では誓約書を書いたり注意事項の説明を受けたりしたあとで最初に橋の科学館で展示を前に橋の工法などについての説明があります。一人ひとりにトランシーバー受信機が渡されて説明が聞けるのですが、ここでもその後でも説明は非常に丁寧で詳しく、またちょっと離れていてもしっかり聞けるのがとても良かったと思います。

このあとはすぐ向かいのアンカレイジの中へ入りますが、がらんどうだった瀬戸大橋と違い、こちらは舞子海上プロムナードという展望施設になっているので普通のビルのようです。しかしツアーの一行はそこから管理用通路に出てしまい、ちょうど1kmほど歩いて主塔へ向かうことになります。ここも瀬戸大橋と大きく違うのは鉄道が走っていないので静かで広々していることで、中央に車両も通れる大きな通路があるので皆でそこを歩きます。瀬戸大橋のときには「ところどころかがんで通らなければならないところがあり」と書いていますが、そのようなことは一切ありません。
明石海峡大橋 - 神戸側主塔から淡路島を望む
主塔に着くといよいよ4班に別れてエレベーターに乗り込み、塔頂部の横桁部分に向かいます。瀬戸大橋とは高さが100メートル以上違い、登った部分の高さは海抜289mにもなります。実は私は行ったことがありませんが、海面からの高さは東京タワー特別展望台250mよりも高いということになります。私が工事中に行っただけで完成してから入ったことがない東京スカイツリー天望デッキ350mには負けますが、吹きっさらしで、頭を出して真下を覗けるという点で緊張感は大違いです。高所恐怖症の人などは絶対に参加してはいけないツアーですが、と言うより行こうとも思わないでしょうが、写真を撮ってもらっていてもっと端に寄るように言われたおじさんが「ここここわいんですけど」とマンガのように吃っていてちょっと可愛かったです。

上からの眺めでは高さ以外に本州から直接橋が架かっているので神戸側の住宅街が近いというのが瀬戸大橋との大きな違いです。沖に1km出ているわけですが、高さがあるために視線の角度は下向きになるので、実際以上に近く感じて、結果的により高さが強調されるような感じになるのではないでしょうか。それにしてもこの日も天気が良くて塔頂部でもほぼ無風で、太陽に照らされた海の深い青と空の青さとで、とても気持ちのいい眺めでした。
明石海峡大橋 - 神戸側主塔から神戸市西部市街地
ということで、最後には上で撮った記念写真などももらいましたが、何しろ丁寧で聞きやすい説明がとても素晴らしく、私には3000円以上の価値があったと思います。もちろんそれは土木建築などにどれだけ興味を持っているかにかかっているわけですが、興味のある人だけが申し込めばよいのではないでしょうか。また、瀬戸大橋での経験があったので比較してより一層楽しめたということもあります。ただ、ここでも「過去の日本の栄光」にすがっているような気がして、そういう感情的なところは出さずに淡々とやってくれればもっといいのにと思いましたが、説明員の方々も元技術者という人たちでしょうから、なんとかしたいという思いは隠せないのかもしれません。

ちなみに私が兵庫県に移住してきたときにはここに舞子タワーというものがあって、どうしてこんなものがあるのかと思って見ていたのですが、今思えば一度は登ってみるべきでした。びわ湖タワーと同じような老朽化した施設だと勝手に思い込んでいて、実は当時まだ開業2年、そしてわずか10年で撤去されてしまったのだとはつい最近まで知らなかったのです。しかしそもそも、目の前の国道を何度も通っていながら、なぜ当時建設中の橋を見に行こうと思わなかったのか、今さらながら自分の愚かしさにがっかりしてしまいます。まあ当時は公私ともいろいろ忙しかったのですけどね。