モネの池それなりに悪くないと思います。

養老天命反転地の次の目的地は、岐阜県関市にあるモネの池と呼ばれる、特に名の無い貯水池です。

印象派の画家Claude Monetの有名な作品「睡蓮」を髣髴とさせるような美しい写真が撮れるということでInstagramなどSNSを中心に話題となり、観光バスツアーなども立ち寄るようになってしまったというものです。興味のない人は「どうしてそんな何ということもない池が?」というようなものなのですが、確かになんということのない池ではあるかもしれないけれど、澄んだ水に浮かぶ蓮の葉と鮮やかな錦鯉の姿は綺麗です。まあ「睡蓮」に鯉は描かれていないと思いますが、彩りのためにはいた方が綺麗です。

岐阜市内からは国道256号線で35kmほど北上したところになります。国道に沿って進めばいいだけなので道順は簡単ですし、最後の方は山間部ではあるものの道幅は十分にあるので苦労することも全く無いでしょう。山村を走っていると突然多くの車が停まり、たくさんの人で賑わっているところが見えるので、そこがこの「モネの池」になります。付近には無料の駐車場も用意されています。私は「凄く混んでいて渋滞している」と事前に知らされていたのですが、この日がお盆期間中ではあるものの平日だったためかそれほどの大混雑というわけでもなく、最初は地域の行事か何かかと思ってむしろ気づかずに通り過ぎてしまいそうになったくらいあっけなく到着しました。ピークには国道が渋滞したりするのでしょうか。

ただ、池に最も近い無料駐車場は入り口が詰まっていたので、400mほど北側の別の無料駐車場まで進んで停めることにしましたが、こちらはまだ余裕がある感じでした。ちょっと離れたところに車を停めてぶらぶら歩いていくのも、水田の青々とした稲も清々しく、散歩気分で悪くないものです。池に近づくと人だかりができているので、看板などはなくてもすぐにどこにあるのかがわかりました。しかし、池の周りにびっしり人がいるかというとそれほどでもなく、写真を撮るスペースは問題ありませんでした。

しかしお互い様ではあるのですが、池の対岸にも見物客が並んでしまっているので、人が映り込むのを避けようとするとアングルはだいぶ制限されてしまいます。さらに、人の姿が水面にも反射してしまうので、それも避けようと思うとなおさらです。ただ、そうでなくても水面の反射で水中を綺麗に撮影するのは難しいので、この時ほど偏光フィルターがあればと思ったことはありませんでした。

また、残念ながら場所によっては蓮が枯れてしまっているので、綺麗に撮影できるところはある程度限られてしまっていますが、場所を選べばなるほどモネだ、というような写真を撮ることもできるような気がしました。写真を油絵のように加工するフィルター処理を施せば完璧かもしれません。

ということで、猫も杓子もというのはどうかと思いますし、確かにわざわざこれだけを目指していくようなところではないかもしれませんが、旅行の途中で立ち寄ってみるには悪くないのではないかなと思います。周辺には店舗の類は何もなく、池の側にちょっとした露店が出ているだけでしたが、商業的な空気がないのもいいのかもしれません。