War for the Planet of the Apesそしてオリジナルへと続く。

先日、猿の惑星シリーズの最新作、「猿の惑星: 聖戦記」が公開されました。これまで本シリーズは観てきていたものの、他に色々観たい映画はあるし、今回はもういいかなという気になっていたのですが、本作はTomatometerが93%という予想外の評判の良さで、「リブート三部作で最高」とか「オリジナル以来の出来」などと言われており、特にAndy Serkisの演技が高い評価を得ているようです。ダウンロード版か何かで観ればいいかなとも思ったのですが、やはり劇場で観た方が没入できる分感動は大きいので、水曜日に5:50からという字幕版が上映されるレイトショー以外で唯一の回で観てきました。地元の映画館では吹替版が優先されていて字幕版の扱いが酷いのが困りものです。

リブート後の第一作である「猿の惑星: 創世記」ではあくまで人間が主役、「猿の惑星:新世紀」では人間と猿とが同等に描かれている感じだったかと思いますが、今回は完全に猿を中心に物語が進行しています。これはまさしく地球上での主役が交代したということを表しているのでしょう。そしてその猿の中でも主人公であるCaesarを全2作に続いてAndy Serkisがモーションキャプチャーで演じていて、その演技が非常に高い評価を得ているわけですが、その他の猿についてもまったく違和感はなく、この技術についてはほぼ完成したと見ていいのでしょうね。

ストーリーについてもとても良くできていて、色々考えさせられることもあります。ただ、いつもこのシリーズを見ていて腑に落ちないというか、釈然としない物があるのは、高度な知能を得るのは類人猿だけで、馬などの家畜はあくまで家畜のまま猿に使われるだけの存在であり、その他の動物もそのままだということです。理屈として、猿にしか効果のないウィルスなのだという設定は理解できるのですが、それをアナロジーなのだと考えた時に「AとBは同等。しかしCは別。」という風に感じられてしまうのです。そこまで考える必要はないのでしょうが、私の違和感の原因はそこにあります。

ところで、最近はスタジオロゴもアレンジするのが流行っているようですね。私にはトランスフォーマーシリーズのものが印象的ですが、本作でも20th Century Foxの有名なファンファーレが変わっているので、これも一つのお楽しみではないでしょうか。

ちなみに本作の邦題は「聖戦記」と書いて「グレート・ウォー」と読ませるらしいのですが、さすがにこれは無理がないでしょうか。これでは結局誰もそんな呼び方はせずに皆「3作目」などというだけで終わってしまうのではないかと思われ、自分の仕事や商品に誇りを持って欲しいとまで思ってしまいます。その点、私の愛するスター・ウォーズシリーズは無難で堅実な、ほぼ直訳なのでホッとします。まあこの作品の原題は直訳も難しいですけどね。