The Circle結末に不満あり。

今年は11月から12月にかけて、毎週末に観たい映画の公開が続いていて嬉しいような困ったようなというところなのですが、先週末は出掛けていたので「マイティ・ソー バトルロイヤル」はちょっと見送りました。Marvel作品群は長男も好きで観たがっているのですが、大学受験を控えているため自制しているので、私も受験が終わったあとにAmazonAppleかの動画配信で観ようかと思っています。

ということで今週はHermioneことEmma Watson主演の「ザ・サークル」を観てきました。映画として面白いかどうかだけではなく、ネットワーク界隈の話題としておさえておくべきところではないかと思って気になっていました。Emma演じるMae HollandがThe CircleというIT企業の顧客窓口として働き始めてしばらくして、CEOであるEamon Baileyの目に留まってSeeChangeなるSNSで私生活を含めてトイレ以外の24時間すべて公開することになりますが、これによって世界中から多くの視聴者を集めることになりますが、Mae自身と身近な人々に様々な影響を及ぼすことになる、というものです。

SeeChangeについて、現時点では送信側のデバイスは現在の技術で実現できるものではないと思いますが、それ以外のインフラや受信側についてはすぐにでも実現可能なもの、というより最近始まったInstagramのStoriesのようなものとそれほど違うものではないかもしれません。SNSで日常を公にすることについては私も妻にあれこれ言われていますが、現状はあくまで主体的なものであり、それが自動的なものになるというのはさすがに私でもかなりの抵抗があります。いくらさらけ出しているように見える人でも、相当限定的なものでしょう。

The CircleのCEOを演じているのがTom Hanksなのですが、本当にカリスマのある経営者のように説得力のあるプレゼンテーションに見えました。Steve Jobsなどのプレゼンテーションを研究したことは間違いないでしょうが、研究材料には事欠かないのではないでしょうか。また、The CircleのキャンパスもAppleの新社屋やGoogle、Facebookのキャンパスを彷彿とさせるものになっていますが、映画用にさらにそれを極端にした感じでしょうか。

このあたりの業界に関心の強い私には終盤までなかなか楽しむことができたのですが、最後の最後、肝心なところが尻すぼみになってしまったような感じでとても欲求不満の貯まるような終わり方になっているのがとても残念でした。しかし、これは映像化の時点でうまく描けなかっただけでDave Eggersによる原作ではうまくまとめられているのではないかという気がするので、ぜひ読んでみようと思っています。その際にはこの映画で見たイメージが重なり合ってよりリアルに感じられるのではないでしょうか。

ザ・サークル
ザ・サークル

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