質量保存の法則は…?
Ant-Man and the Wasp

このブログは映画評論ブログというわけではないのですが、このところ映画の記事が続いてしまっています。観た映画は記録のため、自分が観たかどうかを忘れてしまったときに確認するためにも、本当はすべて記事にしておきたいのですが、さすがにAmazon Prime Videoで観たものまですべてとなると大変なので、これでも最近でもいくつか書いていないものがあります。しかし、やはり映画館で観た最新の映画については機を逸することなく書いておきたいので、ちょっと連続になってしまっていますがご容赦ください。

というわけで今週末公開の「アントマン&ワスプ」です。スーツの力で体のサイズを自由に変えられるAnt-Manが主人公の、前作「アントマン」の続編となる2作目ですが、設定としてはAnt-Manも参戦していた「シビル・ウォー」の数年後ということになっています。シビル・ウォーでCaptain America側に付いたことでFBIの監視下で自宅から出ることを許されない状態になっているところから始まります。スーパーヒーローを軟禁なんてできるものなのかという感じですが。

今作ではDr. Hank Pymの娘、Hope van Dyneもスーツを着てWaspとして活躍します。Hopeは前作でAnt-ManことScottに格闘技を教えていたりしたとおり、むしろAnt-ManよりもWaspの方が強いのですが、スーパーヒーローに必要なのは強さだけではないということでしょうか。一方敵役としてはGhostことAvaが登場しますが、あの不必要に不気味に見えるマスクは何なのでしょうか。あの必然性はよくわかりませんが、あえてそうしているのか、いずれにしても恐怖を感じさせるのに十分な造形です。

私がとても気に入ったのは、Scottの刑務所仲間で出所後の事業のパートナーである、Michael Peña演じるLuisです。彼が早口で「喋る」場面はかなり面白くて、ずっとそれを見ていたいという気にさえなってしまいました。このLuisがいることでこの作品のシリアスさはだいぶ抑えられているような気がしますが、このシリーズはあくまで楽しいコメディとして作っているようで、だからAnt-Manには合わないので「インフィニティ・ウォー」に登場させなかったという話もあるようです。

しかしそれにしても、他のMarvel作品に比べると本作はどうもこぢんまりしてしまっているのですよね。Ant-Manが小さくなるので行動半径が狭くなるということもあるのかどうかわかりませんが、サンフランシスコ・ベイエリアから外に出ていないというのは驚きです。代わりにサンフランシスコで実際に見た観光地がいろいろ見られるのは楽しかったのですが、スーパーヒーローものでなくても今どきの映画には珍しい局地的な作品ではないでしょうか。まあ、だからといって作品に対してネガティブに作用するものではありません。

最後にもう一つ私が気に入ったのはエンドロールです。非常に凝ったものになっていて、私はこういうのが大好きですが、たまにしか使えない手ですね。このシリーズの定番ということにしてしまえば問題ないのでしょうが、ひょっとして前作でも同じだったでしょうか。もう前作のことは全然覚えていないのですよね…