1969年のデビュー以来、実に30年以上も世界最大の旅客機として君臨してきたJumbo JetことBoeing 747ですが、ついにその座を明渡す時が来たようです。受注・納入実績はすでにAirbusがBoeingを抜いていましたが、今日A380が発表されたことでその栄冠もAirbusのものとなってしまいました。通常仕様で座席数555、最大で853座席まで対応できるという大きさなので、400座席程度という747に対して一気に1.5倍から2倍程度の座席数ということになります。
一度に運べる人数が大きくなると、燃料の効率がよくなるだけでなく、クルーの数も減らすことができるようになるため、いわゆるドル箱路線に投入することによって航空会社にとっては大きなメリットがでてくるものと思われます。日本と欧米を結ぶ路線はその代表的なものなので、成田や関空でこの機体が多数見られるようになる日もそう遠くないのではないでしょうか。
これまでは747に対抗できる機体が他になかったため、特に長距離路線はBoeingの牙城といえるものでしたし、なぜか日本の航空各社は小型の機体でもAirbusよりもBoeingを採用する傾向が強かったように思われますが、今後はますますBoeingにとって厳しい状況になるのではないでしょうか。最近はBoeingも新機種は中小型の機体ばかりで、大型機は747の改良型ばかりだったのですが、747の後継となるべき大型機の開発も行われているのでしょうか。McDonnel Douglasなき今、民間航空機は二強の時代となってしまっていますので、これら二社に開発にしのぎを削ってもらう必要があります。そうでないといつまでたっても音速の壁が…