北海道新幹線が開通したせいでもう青森駅にJRの列車が来ることはなく、青い森鉄道の駅になってしまってちょっと寂しい雰囲気だったのですが、その青森駅の前にねぶたの家 ワ・ラッセという施設があります。ここはその名の通り青森で毎年8月2日から行われる「ねぶた祭り」とそこで引かれるねぶたを紹介するために2011年にできた観光施設です。

館内ではねぶた祭りの歴史や、ねぶた作りにかけられる情熱などが紹介され、ねぶた祭りでの受賞作品の実物がいくつか、点灯された状態で展示されています。これら実物展示がやはり最大の見どころで、実際の祭ではあまり近くで見ることはできないはずなので、貴重な機会が提供されていると言えるのではないでしょうか。もちろん、祭当日に運行されるねぶたを見られる方が、迫力や熱気を感じられて素晴らしいでしょうが、当日その場にいるためには予約が困難で高額な航空運賃や宿泊費をなんとかしなければならないので、とても気軽には叶わないのではないかと思います。

動きはないまでも、非常に凝った立体的な造形は見応えがありましたし、鮮やかに彩色されて光に照らされたものはとても綺麗でした。当日はちょうど青森港に豪華客船Queen Elizabethが入港していて、その乗客らの多くもワ・ラッセに来館していたようで、普段以上に外国人比率が高かったようですが、彼らも興味深げに見て楽しんでいたようです。

なお、ねぶたとは直接関係ないのですが興味深かったのが、ねぶたの歴史のところで展示されていた年表が西暦1600年頃から始まっていた点です。西日本に住んでいると8世紀頃からの歴史を見ることが珍しくないのですが、東北地方ではその歴史もだいぶ短くなってしまうのだなあと改めて認識したのでした。私ももともと西日本の出身でもないので、もちろんこれはまったく見下すようなつもりではなくて、単に違うのだなあと思っただけです。なんとなく平安時代から日本が今の形だったように感じてしまっていましたが、実際は全然違いますよね。