先日、ウェブのニュース記事をチェックしていたところ、モーターファンに掲載された「「自転車専用道を作る場所がない」なんて大嘘だ! 今すぐ歩道の植え込みを撤去せよ!」という記事が目に留まりました。この記事の主張はそのタイトルに書かれている通りのものですが、なかなか強い論調です。

この4月から自転車の交通違反に対する罰則が強化され、自転車の運転者にも反則金制度が適用されるようになったことで、比較的軽度な違反も摘発しやすくなりました。私の身の回りには直接的にこの影響を受けた、すなわちいわゆる青切符を切られたという人はまだいないのですが、報道されているように摘発されたという人は実際に増えているのでしょうか。

また、自動車が自転車の右側を走行する際は1m以上の間隔を開けなければいけないということが取り沙汰されていて、そこから自転車通行レーンの整備が求められるようになっているようです。今回取り上げている記事では、歩道に設けられている植え込みをなくせばその自転車用のスペースができるのではないかと言っています。また、そもそも植え込みは視界を遮っている、維持管理に費用がかかっていて手入れが行き届かず見苦しいところが多い、と欠点を列挙して「植え込み廃止論」を叫んでいるようです。

しかし、植え込みは本当になくすべきでしょうか。私はそうは思いません。まず、外国人から見て日本、特に東京は世界的にも緑が多い都市であるという印象を与えていますが、その大きな原因となっているのがこの植え込みではないでしょうか。実際の面積としてはそれほど大きなものではないと思いますが、旅行者も直接目に触れる機会が多く、強い印象を与えているのは間違いないと思います。欧米の各都市では、日本のような植え込みはあまり一般的ではありません。

また、実用的な面でも植え込みは歩行者の安全に大きな役割を果たしているはずです。車道から歩道に車両が飛び込むのを防ぐための緩衝帯となっており、無意識のうちに助けられた人も少なくないのではないでしょうか。ただ、手入れが行き届かず視界を遮るように茂ってしまっているところがあるのも確かなので、維持管理をしっかり進めていかなければいけないということは言えます。

モーターファンという自動車関連メディアということもあり、この記事は自動車を運転する立場からの視点に偏ってしまっているのだと思います。植え込みがあることで社会にゆとりを与えているのも確かで、最近は街路樹が老木となったことで伐採されてしまうことも多く、私は少々寂しく感じています。それをあのように一刀両断されてしまったのがショックで、各論あると思いますが、私の思うところを書かせていただきました。ただ、自転車通行レーンを整備するべきというのも課題ではあるのですよね。